MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『トータル・リコール』 80点

2012-08-14 23:55:17 | goo映画レビュー

トータル・リコール

2012年/アメリカ

ネタバレ

2人のダグラス・クエイドについて

総合★★★★☆ 80

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 改めて振り返ってみるならば、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の1990年の『トータル・リコール』のポール・バーホーベン監督の演出の斬新さは、VFX技術の発達によるだけのものではなく、例えば『メトロポリス』(フリッツ・ラング監督 1926年)の建物の無機質さや明らかに模型と分かる列車、あるいは『フリークス』(トッド・ブラウニング監督 1932年)のような人物造形や骸骨など古典SF映画の要素を積極的に取り入れているためである。
 そのような‘伝統’を継ぐようにレン・ワイズマン監督のポール・バーホーベン監督版『トータル・リコール』へのオマージュは、なにも火星に‘入国’する際の、女性に扮装していたシュワルツェネッガーが正体を曝す有名なシーンの巧妙な引用のみならず、バーホーベン監督版においては、リコール社から派遣されてきたという男が妻のローリーを演じていたシャロン・ストーンと共にシュワルツェネッガーに全ては夢だと告げて、戻ってくるように説得された際に、男の頭から顔に流れる汗で嘘だと見做して(夢ならば汗をかく必要が無い)男を殺すシーンが、本作においては同僚のハリーが外で待たせているローリーと共に、コリン・ファレルに戻ってくるように説得するものの、結局ハリーを殺すことにした理由を一緒にいたメリーナの流す涙にしたところからも垣間見られる。
 それならば敢えて名作とされているものをリメイクする理由は何だったのかが気になるところである。
 シュワルツェネッガーが演じるダグラス・クエイドは宇宙服を着て火星を探索している途中で、足をとられて遭難する悪夢を見ていた。仕事に向かう途中で、列車内のテレビ広告で悪夢と似た光景を映していたリコール社のプロモーションビデオを見たクエイドは当初、火星旅行をすることが目的で、「秘密諜報員」というキャラクターはリコール社に勧められたオプションでしかなかった。
 ファレルが演じるダグラス・クエイドも悪夢に悩まされていたのであるが、それは最初から自身が「秘密諜報員」のような設定である。クエイドは毎日の肉体労働に飽きてしまっており、新前の同僚からリコール社の体験談を聞いて、最初から「秘密諜報員」を志願している。
 実際に、その後の記憶の植えつけ処置に失敗したシュワルツェネッガーとファレルの態度は対照的で、シュワルツェネッガーはそうでもないのであるが、ファレルは自分が次々と相手を倒せる自らの身体能力に驚いている。
 つまり映像表現を重視していたバーホーベン監督に対して、ワイズマン監督は、アイデンティティを失ったクエイドに、その場その場で最善の行動を選択させる、フィリップ・K・ディックの原作『追憶売ります』が最初に発表された1966年当事に流行していた‘実存主義的’な本来のストーリーに忠実であり、その時に弱者を救う任務を担っているはずである「秘密諜報員」になりたかったという元々の意志は非常に重要なファクターとなるはずであるのだが、洗練させすぎたために、過剰な装飾で彩られていたポール・バーホーベン監督版の‘ゴシック’な味わいは失われており、ストーリーと映像のどちらを重視するかで好みが分かれると思う。
 裕福なブリテン連邦とコロニーと呼ばれる貧しいオーストラリアという設定は、21世紀末になっても変わらない立場というアイロニーとして面白いと思うが、どう考えても「豪華正司」という看板の意味は分からない。


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拗らせることが好きな民族

2012-08-14 00:05:09 | Weblog

 

韓国世論は支持大勢 サッカー日韓戦後の「領有権」騒動(朝日新聞) - goo ニュース
竹島訪問動機は「慰安婦問題」 李大統領(朝日新聞) - goo ニュース

 ロンドン五輪のサッカー男子3位決定戦の日韓戦終了後、韓国の朴鍾佑(パク・チョンウ)

選手が竹島の領有権を主張する紙を掲げた問題で、ネット上では「我々の領土を我々の

領土と言うことが何で政治的なのか」という意見があるようだが、自分たちの領土である

のならば黙っていればいいものを、わざわざ自分たちの領土であると言わなければならない

ところに政治的な問題が発生してしまうことが分からないところが気の毒であるのだが、

さらに気の毒な人が李明博(イ・ミョンバク)大統領で、「日本がその気になれば(日本軍

慰安婦問題は)解決するのに、内政のために消極的なので、行動で見せる必要を感じた」

と述べ、何故か関係の無い領土問題と日本軍慰安婦問題を無理矢理リンクさせてしまう

有様で、問題を拗らせることが好きな民族と冷静な対話が成り立つとはとても思えない。


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