るろうに剣心
2012年/日本
‘サウンドトラック’について
総合 60点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
違和感が残る演出だった。殺陣のシーンのスピード感と比較するならば、それ以外のシーンは必要以上に間延びさせたように見える。間を取ることで登場人物の‘情緒’なるものを表現したかったのかもしれないが、工夫が足りないのではないだろうか。
しかしそれは殺陣のスピード感を引き立たせるための意図した演出とも見做すこともできるだろうから、個人的な趣味の問題として片付けてもらってもかまわないとしても、さすがに‘サウンドトラック’の問題を見逃すわけにはいかないだろう。
神谷活心流道場内で話をしている神谷薫の声を聞いている時に気がついたのであるが、道場内の声にはリバーブがかけられている。しかしこのリバーブのかけ方が中途半端で、例えば、道場と庭の狭間の‘エコー度’などに統一感が感じられなかった。そのような色眼鏡を備えてしまうと、例えば、豪雨の中を蛇の目傘を持って迎えに行った神谷薫と緋村剣心が会話するシーンにおいて、かなりの量の雨が薫の傘に当たっているにも関わらず、傘にぶつかる雨音が小さい。本来ならば心を通わそうとしながらも、微妙な気持ちの齟齬によって分かり合えないことを見越したように2人の会話をさえぎろうとする強い雨音というツールとして物語に機能するはずなのであるが、結局、‘サウンド’に凝っているのかいないのかよく分からず、終始そのことばかりが気になり、ひょっとするとこのような作品がいわゆる‘DVDの観賞で十分’という類のものなのかと納得したりもしてしまうのであるが、もちろんそれは私が所有しているポータブルなDVDプレイヤーの再生に当てはまることであって、ブルーレイや高性能なDVDプレイヤーでの観賞ではやはり音が気になってしまうだろう。
キリストがサルに? スペインで自称画家が修復し注目(朝日新聞) - goo ニュース
絵の修復の経緯がよく分からないが、常識で考えるならば素人に絵の修復を依頼する
ことはありえない。スペインの小さな教会のフレスコ画のキリストが、“毛むくじゃらのサル”
(英BBC)に様変わりしたという一方、ネット上では「ゴヤやムンクに匹敵する」と持ち上げる
声もあるらしいが、ゴヤやムンクは言いすぎで、彼らほどシニカルさを感じることはない。
私の感想はアンリ・ルソーやパウル・クレーに絵の修復を依頼したような感じになっている。
しかしものは考えようで、キリストのフレスコ画など世界中にありふれているものだから、
改めて修復せず、この“毛むくじゃらのサル”を前面に押し出して観光の目玉にすればいい
のである。“毛むくじゃらのサル”のフレスコ画など他に探しても見つからないだろう。