MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

ゴミだめになりつつある福島

2013-10-08 00:15:07 | Weblog

放射性物質含む灰「福島に置けば」と桜田副大臣(読売新聞) - goo ニュース
汚染灰「人の住めない福島に」 桜田・文科副大臣が発言(朝日新聞) - goo ニュース
廃棄物処理で桜田文科副大臣「人住めない福島に」 官房長官が口頭注意(産経新聞) - goo ニュース

 桜田義孝文部科学副大臣が5日の千葉県野田市での千葉県北西部の市長や国会議員ら

との懇談会の席上で、東京電力福島第一原子力発電所事故によって発生した放射性物質を

含む焼却灰の処分に関し「原発事故で人の住めなくなった福島の東電の施設に置けばいい」

と発言していたことについて、読売新聞の取材に対しては、「参加者への質問として聞いた」と

述べ、「『福島』とは東京電力(福島第一原発)の敷地内の事だ」と説明し、朝日新聞の取材に

対しても、発言を認めたうえで、「灰を一時保管している地元は困っている。そういう(=福島に

置けばいいという)考えがあるのでは、という思いから、出席者に質問するつもりで発言した。

私個人がそういった主張をしているわけではない」と説明しているが、そもそも東電の施設は

住居場所ではないのだから、「人の住めなくなった」という形容句は福島にかかってしまうし、

汚染水問題のある場所に焼却灰を持ち込むことは却って放射性物質を垂れ流してしまう

危険性を増してしまう可能性に思い至る事は、この自民党千葉県連会長にはないようである。


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『労働喜劇』

2013-10-08 00:10:28 | goo映画レビュー

原題:『La Comédie du travail』
監督:リュック・ムレ
脚本:リュック・ムレ/アントニエッタ・ピゾルノ
撮影:リシャール・コパン
出演:サビーヌ・オードパン/ロラン・ブランシェ/アンリ・デウス/アントニエッタ・ピゾルノ
1987年/フランス

「抜かりない」労働について

 主人公のシルヴァ・ベルグはプロの登山家である。収入は‘失業’を繰り返すことで失業保険を貰うことで得ており、いわゆる「プロの失業者」なのであるが、職業安定所の有能な職員であるフランソワーズ・デュルは彼に対する恋心も手伝ってシルヴァに無理やり職を斡旋してしまい、銀行を失業したばかりのブノア・コンスタンはその職を得ることが出来なくなってしまう。
 しかしシルヴァに連れられて登山を試みたフランソワーズは登山の大変さを知り、それまで彼女が抱いていた労働という概念そのものが変化するのであるが、机があれば仕事だと思い込んでいる(逆に言うならば、机が無ければ同じ場所でも趣味について会話するような‘休憩室’と化すのだが)コンスタンも野外にまで机を持って行って様々な会社に宛てて仕事をオファーする手紙を書くこと自体が仕事になってしまい、ついにはシルヴァを撲殺し、裁判を受けることで服役という‘仕事’を得ることで満足するという皮肉が描かれる。
 最後のエンドクレジットの上昇にも、誰かが上げているような効果音が使用されており、‘労働’に対する意識は抜かりがない。リュック・ムレの初期の作品しか観たことがなければ、本作の演出の手堅さに驚くのであるが、それがムレが元々備えていた映画監督としての才能なのか、あるいは作品を撮っているうちに身につけた技術なのか寡聞にして知らない。


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