MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『白夜』(1971年)

2013-10-15 22:36:29 | goo映画レビュー

原題:『Quatre nuits d'un rêveur』 英題:『Four Nights of a Dreamer』
監督:ロベール・ブレッソン
脚本:ロベール・ブレッソン
撮影:ピエール・ロム
出演:イザベル・ヴェンガルテン/ギョーム・デ・フォレ/ジャン・モーリス・モノワイエ
1971年/フランス・イタリア

埋まらない「冷静」と「情熱」の間

 本作の主人公であるジャックは冒頭から奇妙な行動をとっている。一人でヒッチハイクをして田舎の牧草ででんぐり返しをして一日を過ごすのであるが、決して楽しそうではなく、あたかもそれが楽しいことだと聞いたことがあるからやってみたというような感じを受ける。
 ジャックは家で絵を描いている。ポップアートのような筆致であるが、その人物画にはどれにも顔が無い。ジャックは街を歩き回っては理想の女性像を探すかのように街を放浪し女性を物色している。マルトと出会った場所はポン・ヌフで、マルトはセーヌ河へ投身自殺をしようとしていた。大事にならないように計らいながらジャックはマルトを助ける。
 マルトは以前自分の家に下宿していた大学生と恋に落ち、彼がアメリカに留学して1年後に再会しようと約束していたにも関わらず、パリに戻ってきているのに連絡してこないことに絶望して身投げしようとしたと語り、ジャックはマルトに手紙を書くようにアドバイスをする。
 相談にのっている内に2人が恋仲になるという定番は、確かにその通りの展開にはなるが、やはりジャックが奇妙なのは、マルト本人を好きになったというよりも、街の看板やボートなどに見かける「Marthe」という文字に‘欲情’してしまったように見えることで、2人は恋に落ちて、なんならジャックがマルトを袖にしたりもするのであるが、結局は、偶然に出会った彼氏とマルトは縒りを戻してジャックは置き去りにされてしまう。
 しかしジャックが2人の後を追いかけることはなく、家に戻ると、カセットテープに自分自身で吹き込んだ「物語」を聴きながら絵を描き始めるという展開で、感情の赴くままに生きるマルトと「物語」を介さなければ行動出来ない‘芸術家(un rêveur/a Dreamer)’のジャックとの間には断絶があるのだが、その2人を仲介する存在がF.R.デイヴィッド(F. R. David)たちが作り出すサブカルチャーのポップソングなのではあろう。


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銃刀法違反の都市伝説

2013-10-15 19:11:48 | Weblog

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 サッカー元日本代表の前園真聖が酒に酔ってタクシー運転手を殴ったり蹴ったりしたとして

13日に暴行の疑いで逮捕された事件について、記者会見において「元サッカー選手として、

足で人を蹴ったことについてはどう思う」と訊かれた前園は、「足であろうが手であろうが、

いずれにしても手を出す、相手に暴力を振るうということはいけないことだと思うので。それが

酔って記憶がない場合、本当にやってはいけないことだと思う」としきりに反省していたが、

プロボクサーが拳で殴ると銃刀法違反という都市伝説はどうやらボクサー自身の戒めの

ための教訓のようで、それに倣うならばサッカー選手も足で人を蹴ることだけは誰よりも

厳しく戒めなければならないように思う。しかしダルビッシュ翔に関しては言語道断で、

格闘家としてデビューしているにも関わらず、19歳の少年3人と共謀し、知人の19歳の

少年の顔を拳で殴るなど暴行を加え、2週間のけがを負わせたということで、泥酔して

しでかした事ではなく、計画性を持って犯行に及んでおり、プロとしての自覚が全く無い。

でも一番怖いのは手加減を知らない人の暴行かもしれない。


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