MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ダイアナ』

2013-10-18 22:40:18 | goo映画レビュー

原題:『Diana』
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
脚本:スティーヴン・ジェフリーズ
撮影:ライナー・クラウスマン
出演:ナオミ・ワッツ/ナヴィーン・アンドリュース/キャス・アンヴァー/ダグラス・ホッジ
2013年/イギリス

王妃と「女」の間を揺れるダイアナ

 何故か映画というよりもテレビドラマを観ているような印象を受けるが、例えば、ダイアナが交際していた相手である男性に関して、ドディ・アルファイドとハスナット・カーンが混同しているような人たちにとっては興味深い話として楽しめるかもしれない。
 しかし本作の評判が良くない要因としては、演出の悪さ以上に、ダイアナの恋愛における手練手管が描かれており、そのようなダイアナの「ダークサイド」をいまさら見たくないという心理が働いているようにも思える。
 おそらくダイアナが心臓外科医のハスナット・カーンと出会ったきっかけは、ダイアナの父親であるエドワード・スペンサーの治療をカーンが担当したからだと思う。父親の命を救ってくれたという事実がダイアナに強烈な印象を与えたことは間違いないであろうが、カーンと付き合うために障害となる彼の一族の反対を、アルファイドとの関係をパパラッチに撮らせてカーンに嫉妬させることで克服しようとするダイアナの企みは、ダイアナの聡明さが周知の事実であるがために物語に無理があるように見える。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「新たな思い出」としてのPV

2013-10-18 00:45:51 | 邦楽

違法DL罰則化から1年 回復しない音楽売り上げが示すもの(産経新聞) - goo ニュース
AKB48・小嶋陽菜、初センターは"大人"を意識! MV&ジャケット写真公開(マイナビニュース) - goo ニュース

 音楽の違法ダウンロード(DL)に罰則を設けたのに、1年たっても売り上げが回復しない

事に対して、受け手の反応に「驚き」がほとんどなかったという状況は納得出来る。それは

個人的には「結局、みんな金出してまで聴きたい音楽CDがないという事が判明した」と

いう問題ではなく、今まで録音していたものを聴き返すだけで満足出来てしまうということ

である。「懐メロ」は意外とバカに出来ないもので、音楽そのものの価値に個人的な当時の

思い出が加わっているから同じ曲を聴いているのに、まるで新曲を聴くように新たな感慨に

浸れるのである。例えば、「良いコンテンツを生み出す業界内の努力が足りないのではない

のか」という意見は確かに正論ではあるとしても、エルビス・プレスリーやビートルズ

から始まったポピュラーミュージックの革命的な変化に拮抗しうるような斬新かつ親しみ

やすい音楽を今から作り出すということが不可能に近いことは、クラシック音楽の歴史を

見てもわかる。だから新曲に「新たな思い出」として良質のDVDを加えたAKB48の

CDが売れているのは当然といえば当然なのである。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする