原題:『Rio』
監督:カルロス・サルダーニャ
脚本:ドン・リマー/ジョシュア・スターニン/ジェフリー・ヴェンティミリア/サム・ハーパー
撮影:レナート・ファルカン
出演:ジェシー・アイゼンバーグ/アン・ハサウェイ/レスリー・マン/ロドリゴ・サントロ
2011年/アメリカ
「2D」の「物語」から「3D」の「現実」へ
主人公のブルーはリオデジャネイロで生まれたコンゴウインコであるが、雛のときに捕えられ、アメリカへ搬送される途中で、トラックの荷台から落ちてしまい、そこを偶然通りかかった少女のリンダ・グンダーソンに拾われて、一緒に暮らすことになる。それから15年が経ち、本屋を営んでいるリンダと相変わらず一緒に暮らしているのであるが、室内で飼われているためにブルーは飛ぶことができないインコになっていた。
そんな時に、リンダの店に現れたのが鳥類学者のブラジル人であるチュリオ・モンテイロだった。ブルーが貴重な品種の雄鳥であることを見抜いたチュリオは種の保存のため研究所にいる雌鳥のジュエルとブルーを会わせたいとリンダに懇願し、ブルーの故郷であるリオデジャネイロを訪れることになる。
飛べないブルーが手錠でジュエルとつながれることで起きる悲喜劇がやがてブルーの飛翔への布石となる定番のストーリー展開も悪くはないが、本屋を営み、「物語」の中だけで生きていたリンダがチュリオに誘われて故郷を離れることで「現実」を生きることになり、ついにはフェルナンドも加えて鳥類保護所を設立するというサブストーリーも見逃せないであろうから、そのサブストーリーを活かすために本作は華やかなフェスティバルなどがよりリアルに感じられる3Dで上映されるべきだったと思う。