原題:『LUCY』
監督:リュック・ベッソン
脚本:リュック・ベッソン
撮影:ティエリー・アルボガスト
出演:スカーレット・ヨハンソン/モーガン・フリーマン/アナリー・ティプトン/チェ・ミンシク
2014年/フランス
「成長」しすぎたヒロインについて
『ニキータ』(1990年)から始まったリュック・ベッソン監督のヒロインが活躍する作品は、その後、『レオン』(1994年)のヒロインのマチルダ、『ジャンヌ・ダルク』(1999年)、『アンジェラ』(2005年)など男性に助けられて成長していく様が描かれていたのであるが、本作においてヒロインのルーシーは男性の手を借りずに自分の道を切り開き、ついには自ら、まるで人工知能HAL(ハル)9000型コンピュータのように進化していき、『2001年宇宙の旅』(スタンリー・キューブリック監督 1968年)を彷彿とさせる仕上がりになった理由の一つとして、ベッソンが2011年に撮った『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』でミャンマーの非暴力民主化運動の女性指導者であるアウンサンスーチーを扱ったことが大きかったのではないだろうか。