MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『黒崎くんの言いなりになんてならない』

2016-03-12 00:49:21 | goo映画レビュー

原題:『黒崎くんの言いなりになんてならない』
監督:月川翔
脚本:松田裕子
撮影:木村信也
出演:小松菜奈/中島健人/千葉雄大/高月彩良/岸優太/岡山天音/中村靖日/池谷のぶえ
2016年/日本

いまだに「昭和」から抜けられない「平成の思春期」について

 作品の前半がダイジェストのように描かれており、ずいぶんと手を抜いた演出だと思って観ていたら、前半部分はテレビドラマとして既に放送されていたことを後で知った。
 異性と恋愛する前提として同性との友情を尊重するというのが、今時の若者のマナーであるのかどうかは定かではないが、例えば、梶祐介の誘いで赤羽由宇、芦川芽衣子、黒崎晴人、白河タクミの5人が遊園地に遊びに行った際に、途中で赤羽と黒崎のカップルと残りの3人がはぐれてしまったり、あるいはその後、学校内を赤羽が黒崎の行方を捜しまわったりするのであるが、彼らは全員スマートフォンを持っており電話をかけるだけで解決するはずなのに、何故わざわざ探しまわっているのか理解できない。つまり2015年11月頃の日本が描かれているはずの本作はいまだに「昭和」の物語をなぞっており、因ってこの「平成の青春物語」をそのまま信じる訳にはいかないのである。


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