MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『花様年華 In the Mood for Love』

2016-03-31 00:08:03 | goo映画レビュー

原題:『花様年華』 英題:『In the Mood for Love』
監督:ウォン・カーウァイ
脚本:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル/リー・ピンビン
出演:トニー・レオン/マギー・チャン/レベッカ・パン/ライ・チン/スー・ピンラン
2000年/香港・フランス

醸し出される「ムード」の由来について

 1962年の香港を舞台とした本作は同じ日に同じアパートに引っ越してきた新聞記者のチャウ・モーワン夫妻と、夫を伴って商社の秘書として働くチャン夫人との微妙な関係が描かれることになるのであるが、本当に不倫関係に陥ったと想像されるチャウの妻とチャン夫人の夫は決して姿を現すことはなく、置いてけぼりにされたチャウとチャン夫人が一緒に食事をしたり、チャウが小説を書くために借りた部屋にチャン夫人が訪れたりするだけで、ついでに夫の浮気を問い詰める練習をしたり、不倫をしているわけではない2人が別れる練習をしたりするくらいである。
 つまり不倫をしている2人よりも、不倫することをためらっている2人の方がタイトルに相応しく「愛する雰囲気になっている(In the Mood for Love)」のであるが、この「ムード(mood)」は2人の本心なのか浮気された腹いせなのか生活環境によるものなのか「美男美女」によるものなのか正直よく分からない。


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