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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ナイスガイズ!』

2017-03-04 00:42:03 | goo映画レビュー

原題:『The Nice Guys』
監督:シェーン・ブラック
脚本:シェーン・ブラック/アンソニー・バガロッツィ
撮影:フィリップ・ルスロ
出演:ラッセル・クロウ/ライアン・ゴズリング/アンゴーリー・ライス/キム・ベイシンガー
2016年/アメリカ

クライムスリラーとコメディー要素を合わせ持つ作品の観賞方法について

 1977年のアメリカのロサンゼルスで展開されるこの作品を、果たしてクライムスリラーとして観るべきなのかコメディーとして観るべきなのかよく分からなかった。主人公を情け容赦のない示談交渉人であるジャクソン・ヒーリーと13歳の娘のホリーを一人で育てているホランド・マーチという対照的なキャラクターにしたことはよかったが、例えば、司法省の要職に付いているジュディス・カットナーが、自分の娘のアメリア・カットナーを助けたいのか暗殺したいのか真意がよく分からないし、アメリアが制作に携わったポルノ女優のミスティー・マウンテンズ主演の『How Do You Like My Car, Big Boy?(私の車をどのようにもてあそびたいの、坊や?)』というアート系の映画が、1978年のデトロイトの自動車産業にどれほどの影響をもたらすのかもいまいち分からないのである。実際に、調査官はフィルムを押収したものの、証拠不十分で自動車会社は不起訴になっているのであるが、当時流行したスローガン「What is good for Detroit is good for America(デトロイトにとって良いものがアメリカに良いものだ)」を使っていても、本作に政治的なメッセージを持たせている訳でもない。
 人が車の上に2度も落ちてくるシーンと、ジャクソンがブルー・フェイスをじっくりと絞め殺してしまうシーンが上手くかみ合っていないように見えて、観賞の難しさが興行的に成功しなかった要因だと思う。


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