MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

草間彌生と「自己消滅」

2017-03-13 00:43:01 | 美術

 国立新美術館では『草間彌生 わが永遠の魂』という展覧会が催されている。マティスやルオー

同様に草間も決して描写が上手い訳ではない。当初の暗い抽象絵画のような作風がやがて派手に

なってそのまま今日に至ったようなものである。

 例えば、草間には「自己消滅(Self-Obliteration)」というタイトルの作品が複数存在する。

「Obliteration」とは「消印」という意味で、ようするに最初は自分の肖像に消印を押すことで

自分の存在を消すことを目指していたのであるが、それがやがて「水玉」と呼ばれるように

なり、生命の源泉として意味をひっくり返した点にアーティストとしての草間の力量が見られる。

 気になった作品として1962年制作の「顔の集積 No.2」という作品がある。タイトル通りに

様々な人物の顔を集めたコラージュなのであるが、これはビートルズが1966年にリリースした

『リボルバー(Revolver)』のアルバムジャケットに影響をもたらしたようにも見える。


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