ボズ・スキャッグス(Boz Scaggs)が1972年にリリースしたアルバム『マイ・タイム(My Time)』
の一曲目に「ダイナ・フロー(Dinah Flo)」という曲がある。一応このタイトルは女性の氏名と
して認識されているのであるが、以前から不思議に思っていた理由は、ダイナもフローも
女性の名前で、つまりこの氏名には名字が無く、名前が二つ重なっているからである。とりあえず
和訳してみたい。
「Dinah Flo」 Boz Scaggs 日本語訳
君がいなくなってからとても長く感じる
僕はこんな悲しい歌を歌い続けている
僕は君を見つけてとても嬉しい
僕の世界が君に覆われることが嬉しいんだ
ダイナ、僕は君のために一人でいたんだ
どれほど僕が君を気にかけているのか全く知らなかったんだろうね
君が戻って来てくれて嬉しいよ
僕の腕の中に飛び込んでこいよ
ダイナ・フロー、僕は君がとても好きだ
僕をゆっくりと運んでいってくれ
僕のダイナ・フロー
日々愛が増してくる
僕が君に相応しいことは確かだと思うけれど
ダイナがどうするのかははっきり言えない
彼女が戻って来て嬉しい
僕の腕の中に彼女は飛び込んでくる
ダイナ・フロー、どうか行かないで欲しい
ゆっくりと丁寧に僕を運んでいってくれ
ダイナ・フロー
日々愛が増してくる
僕のダイナ・フロー、一緒に行こう
いつもの調子でゆっくり行こう
ダイナ・フロー
日々愛が増してくる
ダイナ・フロー、どうか行かないで欲しい
ゆっくりと丁寧に僕を運んでいってくれ
僕のダイナ・フロー
日々愛が増してくる
ダイナ・フロー、僕は君がとても好きだ
僕は君を永遠に愛する
ダイナ・フロー
日々愛が増してくる
ここでキーワードとなる歌詞は「僕をゆっくりと運んでいってくれ(Take me down way down slow)」
という部分や、あるいは「僕の世界が君に覆われる(My world's around you)」という部分などで、
つまり「Dinah Flo」とは「Dynaflow」というアメリカの自動車会社のゼネラルモーターズ社
(General Motors Company)のビュイック(Buick)に搭載された自動変速装置の名前で、
主人公が所有していた愛車の車検が終わり戻ってきた時の想いを歌ったものと解釈できるのである。