MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『君と100回目の恋』

2017-03-07 00:21:48 | goo映画レビュー

原題:『君と100回目の恋』
監督:月川翔
脚本:大島里美
撮影:小宮山充
出演:miwa/坂口健太郎/竜星涼/真野恵里菜/泉澤祐希/太田莉菜/堀内敬子/田辺誠一
2017年/日本

「青春の終わり」と音楽の関係について

 2016年の7月31日は主人公の長谷川陸にとって「鬼門」となったのがいつだったのかは分からない。大学院に通って熱心に物理学の勉強をしている様子を見ながら幼なじみの日向葵海は、やがてそれが自分のためだったことを知り何とかしようと試みるものの、7月31日の葵海の「運命」は変わらない。
 だから2人は楽しい学生生活を何度も送ることになるのだが、これではいけないと考えるのは葵海の方だった。このまま同じ学生生活を続けることは陸が大人にならないということを意味するからで、葵海は自ら時間を遡れるレコードを割って退路を断ったのである。
 レコードが割られ、2人が友人たちと組んでいたバンド「The STROBOSCORP」が葵海の不在で解散に追い込まれる時、音楽から疎遠になることが「青春の終わり」の象徴だった時代があったことを感じた。個人的にはラストは、葵海の声に促された陸が涙を流しながらチョコレート製のレコードを食べるというシーンを観てみたかった。


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