原題:『君は月夜に光り輝く』
監督:月川翔
脚本:月川翔
撮影:柳田裕男
出演:永野芽郁/北村匠海/甲斐翔真/松本穂香/今田美桜/優香/生田智子/長谷川京子/及川光博
2019年/日本
リアルにこだわるファンタジーについて
いわゆる「難病もの」には珍しく、脚本がよく出来ている。例えば、病室でマニキュアを塗っている主人公の渡良瀬まみずを見て、訪ねてきた岡田卓也がちゃちゃを入れるのだが、まみずは「竹内涼真が来るから」と返すのである。これは岡田を演じている北村匠海に対する皮肉が紛れているという点で大胆なギャグなのだが、後半になるにつれてこのようなギャグがなくなってしまったのは、やはり2019年9月29日に力尽きて2週間後に亡くなってしまう発光病という難病を患った主人公を扱っているからであろう。まみずが大事にしていたスノードームを岡田が誤って落として壊してしまうのであるが、このスノードームをメタファーとしてもう少し活かせたらよかったように思う。
ところで本作を観ているうちに、どこかで観たことがある作品だと感じたのであるが、それは先日NHK-BSプレミアムで放送されていた『世界の中心で、愛をさけぶ』(行定勲監督 2004年)だった。それは稿を改めて説明してみたい。