MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

ギュスターヴ・クールベの「傘」について

2019-05-30 12:07:11 | 美術

 渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで催されている「印象派の旅 海運王の夢」という

タイトルのバレル・コレクション(The Burrell Collection)でエドガー・ドガよりも目立つ

作品はギュスターヴ・クールベ(Gustave Courbet)の「マドモアゼル・オーブ・ドゥ・ラ・オルド

(Portrait of Mademoiselle Aube de la Holde)」(1865年)である。

 保養地のトゥルーヴィル(Trouville-sur-Mer)で描かれた本作の何が目立つのかは言う

までもなく、その余りの小ささ故に逆に傘が目立つのである。女性がさしている傘は

「雨傘(parapluie)」ではなく「日傘(ombrelle)」のはずだが、見た感じでは日傘として

ほぼ役に立たないのではないだろうか。はっきり言うならば女性の顔が大きすぎるのである。

巧者であるはずのクールベがこのような「ミス」を犯すはずはなく、何らかの意図がある

と思うのだが、それが何なのかが分からない。


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エドガー・ドガの作風の「違和感」について

2019-05-30 00:40:02 | 美術

 渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは「印象派の旅 海運王の夢」というタイトルで

バレル・コレクション(The Burrell Collection)が日本で初公開されている。

 目玉作品はポスターにもなっているエドガー・ドガ(Edgar Degas)の「リハーサル(The Rehearsal )」

(1874年頃)なのだが、よくよく見るとおかしな部分が次々と見つかる。

 例えば、左上で踊っている踊り子たちと右上にいる教師の距離感が微妙におかしいし、

左上の踊り子の軸にしている右足のつま先が右に捻り過ぎているように見える。

 ドガの描き方というのは他の印象派の画家と違い、「現場主義」ではなくスケッチした

個々のものを一つの絵にまとめて仕上げるようなのだが、「踊り子」は描き慣れている

テーマであるにも関わらず体のバランスがぎこちないのは何故なのだろうか?


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