MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ビューティフル・ボーイ』

2019-05-20 00:56:12 | goo映画レビュー

原題:『Beautiful Boy』
監督:フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン
脚本:フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン/ルーク・デイヴィス
撮影:ルーベン・インペンス
出演:スティーヴ・カレル/ティモシー・シャラメ/モーラ・ティアニー/エイミー・ライアン
2018年/アメリカ

ストレスを生み出す「家族の肖像」について

 『ローリング・ストーン』などの雑誌でフリーランスのライターをしている主人公のデヴィッド・シェフの息子のニック・シェフは成績優秀な学生だったが、ドラッグに手を出し、「クリスタル・メス(いわゆるヒロポン)」の過剰摂取で完全なジャンキーに落ちぶれてしまう。
 デヴィッドはニックの母親のヴィッキーとニックの社会復帰に懸命に努力するのであるが、施設に入って1年以上クリーンでいられたものの、デヴィッドと父親の再婚相手のカレン・バーバーとジャスパーとデイジーの2人の異母兄弟と過ごした後に、ドラッグに手を出してしまうのである。
 使用したり止めたりを繰り返すニックが最後にどのようになるのかと思っていたら、デヴィッドはニックを救うことは出来ないことになり、デヴィッドとカレン自身が、そのような薬物中毒者を持つ家族が集う会合に出席し、薬物中毒の回復のため(To addiction recovery)の「The 3C」、つまり「自分たちは原因(Cause)ではない、治せ(Cure)ない、コントロール(Control)できない」ことを学ぶことになるのである。
 しかしニックの場合を勘案するならば、幼少時に父親が母親と離婚して再婚したことが要因であるだろう。父親の再婚を喜ばなければならず、新しい家族に対しても良い顔をしなければならないことにストレスを感じるからこそ、家族との再会後にドラッグに手をだしたはずなのである。


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