原題:『Respect』
監督:リーズル・トミー
脚本:トレイシー・スコット・ウィルソン
撮影:クレイマー・モーゲンソー
出演:ジェニファー・ハドソン/フォレスト・ウィテカー/マーロン・ウェイアンズ/メアリー・J. ブライジ
2021年/アメリカ
奥歯に物が挟まったようなストーリー展開について
アレサ・フランクリンが10歳から1972年にリリースし最大のヒットとなったライブアルバム『アメイジング・グレイス(Amazing Grace)』を完成させるまでの前半生が描かれているのだが、どうも奥歯に物が挟まったようなストーリー展開で、もしも脚本が悪いのでなければこれは冒頭のあるシーンが後にアレサの人生に混乱をもたらせた男性関係の要因としてずっと響いていたからかもしれない。
アレサは父親の教会の牧師であるC・L・フランクリンが著名人たちを集めて毎夜開いているパーティーで歌声を披露しているのだが、ある晩、歌い終えたアレサが寝室で眠りに就こうとすると男が部屋のドアを開けてアレサに話しかけ、そのまま男はアレサの部屋に入っていくのである。映画ではここまでしか描かれていないが、実際の記録に拠るならばこの男はエドワード・ジョーダンで、アレサは12歳で最初の子供を身ごもっているのである。
その後、アレサは後にマネージャーとなるテッド・ホワイトと結婚することになるのだが、本作ではテッドは他の女性たちから嫌われており、どうもアレサは粗野な男性に惹かれる質のようで、その元となっているのが子供の頃に受けた性的虐待であり、スーパースターの負の部分を明かさないまま描いているためにすっきりとしない物語になってしまっているように思うのである。
アレサ・フランクリンを演じたジェニファー・ハドソンが歌う「Here I Am」を和訳しておきたい。
「Here I Am」 Jennifer Hudson 日本語訳
私は長い間あなたが示す道を信じていた
ついに歌う時が来た
神よ、私は自分の歌を歌う
神よ、天国の門を開けて欲しい
私は私にやり方で歌を歌うつもり
私は私のやり方で歌を歌う
私は故郷に向けて歌う
あなたは聞いてもらえない声と共に生まれてきた少女
あなたは望まれていない
誰もがあなたを飛翔させるつもりがないから
あなたは歌うのよ
道に一歩踏み出したから
あなたは自立した女性になれた
あなたは世界全体を見まわして
それを両手で掴むと言う
「私はここにいるのよ
私はここにいる」と
あなたは強いから
もう忘れられることはない
頭を高く上げて
翼を広げて空を支配するのよ
道に一歩踏み出したから
あなたは自立した女性になれた
あなたは世界全体を見まわして
それを両手で掴むと言う
「私はここにいるのよ
私はここにいる」と
「まだ公正も平安もないけれど
私はここにいる
あなたは私に敬意を払ってくれるかしら」と
道に一歩踏み出したから
あなたは自立した女性になれた
言うべきことな何もないけれど
私はここにいる
Jennifer Hudson - Here I Am (Singing My Way Home) (Official Music Video)
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-103884