MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

足がかりとしてのAKB48について

2021-11-21 00:56:17 | 邦楽

【Dance Practice】AKB48「根も葉もRumor」 フルサイズver.

 始まりは2019年9月にリリースされたAKB48の「サステナブル」でセンターを務めた17歳の矢作萌夏が2020年2月に卒業し、2021年3月の歌番組で「フライングゲット」のセンターを務めた14歳の長谷川百々花がその2日後に活動を辞退し、新曲「根も葉もRumor」においても実質センターで初選抜の20歳の横山結依(円陣の中で踊っているメンバー)も今月で卒業するらしい。つまりAKB48というグループは優秀な人材ほど芸能活動における足がかりとしてしか機能していないのである。特に最初にフロントにいる横山結依と本田仁美は2016年の『AKBINGO!』のダンスバトルで優勝しているにも関わらず、本田は2018年10月に「IZ*ONE」に期間限定で移籍し、横山は今回が初選抜というのだから宝の持ち腐れとは言わないが、グループの運営自身では原石を磨こうとはせず、他の運営会社に貸し出して散々磨かせた後に取り戻すという奇妙な行為に及んでいる上に、この曲の売り上げは前作「失恋、ありがとう」を大きく下回り、紅白復帰は「BiSH」に阻止されたかっこうになってしまっているのである。
 テレビ東京で現在放送休止中の『乃木坂に、越されました~AKB48、色々あってテレ東からの大逆襲!~』の演出に疑問が生じてしまうのは、あたかもメンバーたちの怠惰によって乃木坂46に追い抜かれたような前提で企画していることで、姉妹グループの選抜メンバーを取り込む「ドーピング」という行為はあったものの、新曲のダンスを見ても分かるようにAKB48の凋落はメンバーの責任ではなく運営サイドの責任でしかありえないのである。
 ところで新曲のタイトルの「根も葉もRumor」は「好きになったら根も葉もRumor」とあるように「根も葉もない噂」と「あばたもえくぼ」を組み合わせたような言葉で、好きになったら噂の元となっている根も葉も「噂」だという意味になり、怪しいメッセージだとは思うが、最近の秋元康が自身の企画・原案のドラマを次々と送り出している理由が、メンバーたちのセカンドキャリアを勘案してのことであるならば、文句は言えないとしても、秋元が手掛けるドラマは自身が脚本を書いていないためなのかいつも竜頭蛇尾の感が拭えない。

 立命館大学教授の千葉雅也は『ツイッターの哲学』(河出文庫 2020.11.20)で以下のように記している。

「アイドルは恋人情報が漏れると叩かれるっていうアホらしいことを廃絶できないのだろうか。パートナーがいることが分かったくらいで妄想が阻害されるようなファンは気合いが足りん。」(p.55)

 しかしそもそも気合いが足りない人たちがアイドル(偶像)を必要として多額を貢いでいるのだから本末転倒な意見で、これをマチスモと言わずに何と呼ぶのか? 因みにここで言うマチスモとは門外漢が知ったかぶって上から目線で小ばかにしたように相手を皮肉ることで、アイドルの応援とはボランティアではなくビジネスなのである。それともアイドルファンはアガペーを強いられるのか?

【歌ってみた】根も葉もRumor/AKB48(Covered by 岡田奈々)
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/oricon/entertainment/oricon-2209660


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