MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

シルバーシートの意義

2010-07-10 00:55:47 | Weblog

シルバー席の高校生を殴る・突く…60歳の女、傷害容疑(朝日新聞) - goo ニュース

マンション管理人の枡田民子は路線バスの車内でシルバーシートに座っていた男子

高校生らに「高校生のくせに何でシルバーシートに座らんといかんとね」と怒り、顔を

数回殴った後に「何で殴るとか」などと反論した高校生を蹴り傘の先で顔を突くなど

して高校生の鼻の骨を折るなど4週間の重傷を負わせて下車して逃げたそうだが、

“過剰防衛”ではあるにしろ、自分に正当性があるのなら逃げる必要はなかった。

それにしてもシルバーシートという定義がいまだにあやふやである。高校生では

あってもいつでも元気なわけではなく体調が悪い日もあるのだから、体調不良の

場合はシルバーシートに座れるはずであるし、60歳でも高校生に4週間の重傷を

負わせられるだけの元気がある女性にシルバーシートは必要ないのだから。


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『特集:足立正生の宇宙』 100点

2010-07-10 00:48:48 | goo映画レビュー

特集:足立正生の宇宙

-年/日本

ネタバレ

観念と現実のバラード

総合★★★★★ 100

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 足立正生監督の『略称・連続射殺魔』については既に書いたので、ここではそれ以外の作品について書いておきたい。
 残念ながら今回の特集で足立正生監督作品を全て観ることはできなかったが、私が観ることができた作品の範囲内で言うことができることは商業映画における監督デビュー作である1966年の『堕胎』から一時映画制作を休止した1971年の『噴出祈願 15歳の売春婦』まで監督の興味は‘セックスの快楽’と‘妊娠の恐怖’に翻弄される60年代の若者の生態に尽きると思う。
 『堕胎』は実に不思議な作品である(監督は若松孝二と足立正生の名前が併記されていた)。主人公の産婦人科医である丸木戸定男は安易なセックスによる堕胎の問題を解決するために‘人工胎盤’を製作するのであるが、よく考えてみるならば‘人工胎盤’は、本来の丸木戸定男の目的であったセックスの快楽と生殖目的のセックスを完全に切り離すことはない。
 このことに気がついた丸木戸定男は次の作品である『避妊革命』において避妊具に着目して、素性の分からないブルーフィルム制作者と組んで完璧な避妊具を開発したのであるが、その男が闇で売りさばいたために警察の取り締まりを受ける。それでも丸木戸定男は避妊具の普及活動のために自ら車を運転して旅立つシーンで終わるのだが、結局その避妊具がどのようなものなのか具体的に描かれることはない。
 ここまで観て気がつくことは足立正生監督作品は観念が勝ち過ぎて現実が追いついていないことである。既にここから監督の迷妄が始まる。
 1967年の『銀河系』は道路で立往生している主人公の若者の故障している車を大勢の人たちがその車を取り囲んで直そうとしている中、主人公だけが別の自分自身を見つけては殺していくという内容でやがて僧侶と女性が絡んできて、ラストは自分の死体と女性を、他人任せで直っていた車に乗せて車を走らせるのであるが、その車が爆発して終わる。完全に袋小路にはまっている。
 同様のことは1967年の若松孝二監督作品の『性犯罪』でも描かれている。主人公の小説家志望の大学生である伊丹は成人映画館で自慰をしている学生を観察したり、売春婦をナンパしたり、その売春婦が自分の彼女だと嘘をついてウエイターにナンパさせてその様子を観察したりして小説のネタを集めていた。伊丹はセックスに関する卒論を書いている友人の彼女を横恋慕していたのであるが、彼女とセックスしている最中にその友人に見られてしまう。伊丹は自分はセックスを実践しているが友人のセックスに対するかかわりはただの観念でしかないとして撲殺してしまう。しかし実践を心がけている伊丹でさえ自身の経験を本に書いてしまうと観念でしかなくなってしまい、海辺の別荘にいた彼女が自首(=実践)しようと車で別荘を後にすることに対して伊丹は別荘でダイナマイトで爆死してしまうのである。
 しかしこの袋小路に嫌気が差したようで、1968年の足立正生監督の『性遊戯』ではいきなり強姦シーンから始まるが、それは強姦ではなく‘強姦ごっこ’だった。主人公たちは学生運動でバリケードが張り巡らされている学内で活動家の妙子を強姦するのであるが、何故かそれも和姦のようになってしまう。妙子は自分が妊娠していると言い出して心当たりのある4人の活動家を呼び出し、理不尽な理屈で攻め立てるのであるが、ラストで主人公たちが国会議事堂前へ繰り出す中、妙子は実は妊娠していないということを白状する。
 騙してまで自分たちを正当化することに後ろめたさを感じたためなのか1969年の若松孝二監督の『ゆけゆけ二度目の処女』では再び‘袋小路’が描かれる。ビルの屋上で輪姦されている小桜ミミと助けることもなくその様子をそばで傍観している少年は決して性交することはなく、ただ輪姦された少女と殺人を犯していた少年がお互いの心の傷を癒しあうはずだったのだが、傷つけることができない相手を癒せるわけもなく結局ラストは絶望した2人が屋上から飛び降りて死ぬのである。
 1970年の若松孝二監督の『性輪廻 死にたい女』は2人の若い男女と2人の若かった男女が温泉旅館を舞台に交錯する物語であるが、結局ラストは若かった頃に無理心中できないまま胸に男が振りかざしたナイフの傷を持った女と既に30歳になっていた男が若いカップルに突き飛ばされて溺死させられる。その若いカップルは何事もなかったかのように車に乗って旅館を後にする。詳しくは述べないが自分たちの‘観念’を受け入れない大人に対する嫌悪感と排除は同じ1970年の若松孝二監督の『新宿マッド』でも描かれている。
 そしてようやく1971年の『噴出祈願 15歳の売春婦』である。テーマは足立正生監督のデビュー作である『堕胎』同様にいかにセックスの快楽を克服するかである。高校生の保子が教師とセックスした時に妊娠した上に感じてしまったということを他の3人の友人に非難されてしまう。保子が本当に感じたのかどうか色々な男と売春という形で経験させることで実証しようとするが、様々な状況の複雑な組み合わせにより保子の感性は変わってしまうためになかなか正確な情報を得ることができない。それは勿論当時の学生運動の状況とその行き詰りに重なる。ここで問題となるのはラストシーンで自殺しようとする保子は妊娠は嘘だと告白し、助けにきた教師もそのようなことはなかったと言うところである。ここで終われば当時の学生運動とは‘想像妊娠’であったということが語られることになったのであるが、足立監督はその後保子がトイレで流産するシーンを挿入している。学生運動を‘想像妊娠’と認めることが出来なかった足立正生がこの作品を残してパレスチナに向かったということは心情は理解できても‘屁理屈’と見做さざるを得ない。実際に『赤軍-PLFP・世界戦争宣言』は屁理屈でしかなく、プロパガンダ・フィルムにすらなっていなくて、面白かった部分はラストの「銃口」という字幕がひっくり返っていたところぐらいである。
 はっきり言うならば足立正生監督の個々の作品は全く面白くはないのであるが、このように年代を追って通して観ていくと当時の学生運動に携わっていた若者たちの葛藤が垣間見える。その意味では足立正生はとても特異な映像作家なのである。


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両国家挙げての宣伝

2010-07-09 17:57:42 | Weblog

米ロ、冷戦後最大のスパイ交換 10被告、罪認め強制送還(共同通信) - goo ニュース ソルト - goo 映画

 このあまりにも上手くできた両国の解決の仕方が却って余計な憶測を呼び込む。

ネット上に自身の写真を掲載し“美しすぎる女スパイ”と米国で話題が沸騰している

28歳のアンナ・チャップマンがロシアのスパイの10人の一人として米連邦捜査局に

逮捕された件はとても不可解で、彼らの容疑は米軍の機密情報を不正に獲得した

というようなものではなく、不法な政治活動やマネーロンダリング(資金洗浄)である。

つまり彼らは一般的にイメージされるスパイのように母国へ何らかの情報を送った

形跡はなく、正確に言うならばスパイとして逮捕されているわけではない。それでは

何故このように“ロシアのスパイ”として話題が沸騰しているのか推測するならば、

アメリカで7月23日から公開されるこのアンジェリーナ・ジョリー主演の『ソルト』の

宣伝をFBIが一役買ったのではないだろうか?西側情報機関と接触した罪でロシア

に服役している4人を釈放させることもできる上、ハリウッドに恩を売っておくことは

FBIにとって決して不都合になることはないのだから。


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『花のあと』 90点

2010-07-08 21:54:32 | goo映画レビュー

花のあと

2009年/日本

ネタバレ

新しい‘フォルム’

総合★★★★☆ 90

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 執拗な障子の開け閉めの描写を見ても分かるようにこの作品は‘形式主義’で貫かれている。主人公の以登が江口孫四郎に淡い恋心を抱く理由は江口が以登を女性ということで蔑むことなく対等に手合わせをすることで共同で武芸の‘フォルム’を磨き上げたからであり、そこには自然の成り行きで情が生まれる。必然的にクライマックスで以登を女性として見くびっていた藤井勘解由は決定的に‘フォルム’を欠いてしまうために以登の心が読めず彼女に刺されて絶命することになる。それは藤井のみならず、愛人のかよも障子を開ける際に2回に分けて手をかけるのであるが、以登が3回に分けて手をかけて障子を丁寧に開閉することと比較するならば、かよは‘フォルム’を欠いていると言わざるを得ない。
 ところで以登の許婚である片桐才助は‘形式主義’の観点からどのような見做されるのか? 所作に全く隙がなく、罠に対して柔軟な対応が取れなかったほど全く隙がなかった江口孫四郎と比較するならば片桐才助はだらしなく見えてしまう。平気でお尻を触ろうとする片桐才助を許婚であるとはいえ以登は決して好ましく思ってはいなかったはずである。一見するならば片桐才助は藤井勘解由同様女性を蔑視しているように見える。しかしやがて以登は片桐才助が江口孫四郎とは違う‘フォルム’を持っていることを知ることとなる。それは既成のものとは違い、‘フォルム’には見えない‘嗜み’なのであり、自分の‘野蛮さ’を陰から見守られ、さり気なく命を救われた以登は再び満開の桜を見られるのである。


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本来の真っ当な発言

2010-07-08 00:03:08 | Weblog

賭博のツケ、協会想定外の相撲中継中止(日刊スポーツ) - goo ニュース

 二所ノ関親方によると「(ダイジェストでは)しこ名を呼び上げられてから(仕切りの

度に)体が紅潮していくプロセスが見せられないのは残念」ということだが、そんな

ところまで凝視する一部マニアのためにNHKは一場所5億円も日本相撲協会に

払っていたのかと思うと、相撲中継など生で見たことがない私は唖然としてしまう。

そんなものはプロレスと同じように直接見に行くか有料放送にして見たい人だけが

お金を払って見るべきであって、何故相撲など全く見ない私までもがNHKの受信料

を介して日本相撲協会の懐を潤す手助けをしなければならないのか理解に苦しむ。

二所ノ関理事親方の「(中止で)見に来たい人が(場所に)来てくれれば」いいという

発言は決して“KY発言”ではなく、至極真っ当な発言なのである。


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ドタキャンの謎

2010-07-07 00:06:23 | Weblog

国民新・下地氏「1議席だと、郵政法案の発信力に問題」(朝日新聞) - goo ニュース

 「今回も(3年前と同じ)1議席ということになれば、国民から郵政の問題に対する

発信力に問題があると言われても仕方ない」と語った国民新党の下地幹郎幹事長

の認識は極めて正確なものである。特に日本郵政グループの宅配便「ゆうパック」

で荷物の遅配問題が発生した要因が郵政を民営化したからなのか民営化を止めた

からなのか非常に興味があるのだが、驚くべきことに郵政問題に一番熱心である

はずの亀井静香郵政改革担当大臣が出演予定していた5日の「報道ステーション」

をドタキャンしてしまったのである。何故説明する絶好の機会であり、選挙直前で

国民新党の存在を明確にできる機会を自ら取り逃がしてしまうのか謎なのだ。


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まだまだ発展途上の競技

2010-07-06 00:14:07 | Weblog

優勝者に声かけるつもりが… 早食いの小林さん拘束(朝日新聞) - goo ニュース

 今回は26歳の米国人のジョーイ・チェスナットが10分間で54個を平らげて4連覇

を果たしたのだが、去年の68個食べての優勝に比べるとずいぶん個数が少ない

理由はやはり小林尊が出場してないため他に強力なライバルがいないからなので

あろう。しかしこの記事を読んで驚いたことはこのホットドッグ早食い大会の出演料

が数百万円であるという事で、私は世界中からただホットドッグが大好きな人たちが

集まって食べているだけだと思っていたから、こんな大会でもスポンサーがつくこと

が意外だった。しかしどう見ても早く食べてはいても、食べ方が汚いから見ていて

気持ちがいいものではないし、小林尊が係員に促されるようにしてステージに

上がったにもかかわらず警察官に制止され、そのまま公務執行妨害などの容疑で

逮捕されたという事はまだ競技がプロレスのように整備されていないのであろう。


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万引きがなくならない理由

2010-07-05 16:40:39 | Weblog

白鵬も謝罪「心からおわびを申し上げます」(スポーツニッポン) - goo ニュース

 今回の角界の野球賭博に関することで大事なことが忘れられているように思う。

今回の件で白鵬は仲間内で花札をしていただけだからということで軽微で反社会性

は薄いために謝罪で済む様相を呈しつつある。今朝のワイドショーでも鳥越俊太郎

が「誰でも賭け事はやっている」などと雑な議論をしていたが、要するにそれは強盗

ではなくて万引き程度だから見逃すというようなことである。万引きでも犯罪は犯罪

であるはずなのだ。朝青龍が数々問題を起こした時に“横綱の品格”について散々

言われていたのに、何故今回の白鵬について“横綱の品格”を取り沙汰すことが

ないのか不思議でならない。軽微で反社会性が薄くても白鵬は横綱として今回の

名古屋場所の出場は自ら辞退するべきなのである。


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『アデル/ファラオと復活の秘薬』 30点

2010-07-04 18:50:09 | goo映画レビュー

アデル/ファラオと復活の秘薬

2010年/フランス

ネタバレ

巧妙なテレビスポット

総合★☆☆☆☆ 30

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 ミソジニー(misogyny)であるはずのリュック・ベッソン監督が敢えてルイーズ・ブルゴワンという28歳の女性を主役に起用し、インディー・ジョーンズ的な演出のテレビスポットの後押しもあって観に行ってみたが、とんだ食わせ物だった。
 冒頭のシーンこそ主人公のアデルは魅力的に見えたが、これはテレビスポットで見せていたシーンであるから当たり前なのであるが、エジプトからパリへ戻ってきたあたりから、いつものリュック・ベッソンの脚本通りに、まるでエジプトでバカにされた男たちの威信を取り戻すべきかのように女性主人公であるアデルはくだらない変装をさせられてバカに見えてくる。エジプトでは明らかにしなかったアデルの妹のアガートの‘病気’の原因もバカみたいな、作品の緊張感を殺ぐようなことで、‘復活の秘薬’を巡る冒険映画として観ている観客は落胆してしまうだろうし、次々とゾンビが現れるに至って完全にしらけてしまい、ラストでカポニ警部が檻から抜け出してきた2匹のゴリラに襲われるシーンを見てようやく観客はこの作品が子供用だと知ることになる。タイタニック号は間違いなく沈むはずであるが続編を観に行く時にはその点を勘案したほうがいい。


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負のスパイラル

2010-07-04 00:02:11 | Weblog

TBS、過剰演出を謝罪 計算テストの結果差し替える(朝日新聞) - goo ニュース

 よくTBSの広報部が「再発防止のため、厳重な内容のチェック、確認を徹底する」と

いうようなコメントを見かけるが、再発が防止されたことはいままで一度もない。

このような科学的なデータを取る時に“80点より100点のほうがわかりやすい”と

いう判断を挿入してしまうことが間違いであって、実験は第三者に任せてTBSは

その結果を知らせるだけにするべきなのである。ネットの投稿サイト「ツイッター」や

「2ちゃんねる」で6月30日朝に放送されたTBSの番組「みのもんたの朝ズバッ!」

の番組終了前後から「TBSが母親を引きずり出して謝罪させた」という形で誤情報

が広がったらしいが、このような誤情報が流れやすくなっている下地を作っている

のはTBS自身なのである。


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