MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ヴォイジャー』

2022-03-30 00:54:17 | goo映画レビュー

原題:『Voyagers』
監督:ニール・バーガー
脚本:ニール・バーガー
撮影:エンリケ・シャディアック
出演:タイ・シェリダン/リリー=ローズ・デップ/フィオン・ホワイトヘッド/コリン・ファレル
2020年/アメリカ・チェコ・ルーマニア・イギリス

危うい「性善説」について

 2063年に地球汚染と同時に地球に代わる入植先の惑星を見つけたものの、そこにたどり着くまでに86年を必要とした人類は、遺伝子レベルで優秀な人材30人を確保し、保護者としてリチャード・アリング一人を同乗させて送り込んで10年が過ぎた。
 基本的に性善説だろうし、船内に用意されている武器も新しい惑星にたどり着いた際に使用されることが前提だろうから、クルーたちが自分たちの使命を放棄するような行動は取らないことを想定しているわけなのだが、思春期に伴う性の目覚めが、特に男性クルーたちに心の変化をもたらす。彼らが常用している青い液体はそのような性衝動を抑える働きをもたらすものなのだが、彼らはそれを大人たちが自分たちをコントロールするための「毒」と捉え、次々と疑心暗鬼が沸き起こり、リチャードが船外の事故で亡くなった後は「エイリアン」の幻想に悩むことになるのである。
 映像が地味であることは否めないが、やはり『パッセンジャー』(モルテン・ティルドゥム監督 2016年)のように人口冬眠ポッドを使わなければこうなるという教訓は得られると思う。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/eiga_log/entertainment/eiga_log-128515


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