強烈なタイトルに目が留まり立ち読みを始め、内容がしっかりしていたので購入した。痛風もちの友人はその痛みについて指が千切れるかというほど辛いと話してくれたことがある。
痛風は尿に溶けきれなくなった尿酸結晶(針状)が足の親指などに溜まって起こる病気である。尿酸はプリン体という物質が原料となっており、運動などのエネルギー代謝によって体内で生じる他に食べ物に含まれるプリン体からも作られる。レバーやもつ煮込みの類にはたくさんのプリン体が含まれていることはよく知られている。
田代さんはビール悪玉説に異を唱え、ビールの利尿効果によって尿酸を排出することを思いつき試して成功した。
「ビール好きの人は、痛風発作を起こしたからといってビールを飲む楽しみを諦めることはない…大事なことは、きちんと定期的に血液検査をうけて、自分の尿酸値を把握すること…自分には、どのくらいの代謝能や排泄能があるのかを知って、自分なりの適量を探してもらえればいい」と言う。
ビールだけを飲んでいる時は尿酸値は確実に下がるので、問題となるのはつまみだと以下のように指摘する。
「つまみには、ビールと比べものにならないくらいのプリン体が含まれていることがあります…つまみを上手に摂るということを実行せずにビールを飲んでいたのでは、再び痛風発作に襲われるのは当然の成り行きです…旨味調味料であるイノシン酸やグアニル酸はいずれもプリン体であり、旨味の強い食べ物、美食と、高尿酸血症、痛風は、とても相性のよい関係です…私のように、プリン体を多く含むつまみにはほとんど手を付けず、ひたすらビールを飲み、どんどんおしっこをするという飲み方であれば、決して尿酸値を上げることはないといえます」
後半、更に厳しいことを言い放っているので私は頷きながら笑っていた。
「高尿酸血症や痛風の患者さんにとって中華料理は結構手強い相手といえますが、最近、注意したいと思うのが、豚骨ラーメンです…豚骨にしろ、鶏ガラにしろ、骨であり、旨味が凝集されているのは骨髄です…その核酸の多い骨髄のエキスにイノシン酸を合わせたスープを飲んでいるのですから、高尿酸血症や痛風の患者さんは、どんなに食べたいとしてもビールよりよほど悪い食べ物と認識し、ビールをがまんするくらいなら豚骨ラーメンは避けるべきでしょう。豚骨ラーメンのスープ100mLに含まれるプリン体は約33mgというデータがありますが、行列のできる店のおいしいラーメンはこんなものではないと思います。まあどうしてもラーメンが食べたければ、汁を飲まないことと、しっかりビールを飲んで体を洗うことでしょうか」
私が以前からラーメン類に人間の食べ物としては最低の評価を下している理由がそっくりそのまま書いてあり、早死したいデレスケはどんどん食べろと突き放している感じすら受ける(笑)
痛みを避けるために尿をアルカリ化する食品(野菜・芋・果物・きのこ・大豆・海藻類)を積極的にたくさん食べるということは、結局、日本古来の家庭料理(煮物など)に行き着くのである。
バランスのよい食事と適量のアルコールと適度な有酸素運動が健康維持には必要不可欠だ。これらがきちんとできているのはクレバーな人だろう。一方、己の卑しい欲望すら抑制できない者は畜生並だと思う。