本棚から古い本を取り出して頁をめくっていたら重金敦之さんのエッセイ「おいしい本のフルコース」が載っていた。食の世界の真髄が綴られた秀逸な本を紹介する内容だった。
掲載された本の三分の一は読んだことがあった。東海林さだおさんの「あれも食いたいこれも食いたい」の解説が特に面白い。
東海林の人気の理由を考えてみると、まず第一に食べることが好きで、第二に知識やうんちくを自分からはあまりひけらかすことはない。また戦争による飢えの時代を経験しているから食べ物を粗末に扱わない。迷惑にならない程度に、料理人や食べる人を鋭く観察してわが身を省みるのだが、他人を傷つけることはまったくない。また自分の好みを押しつけることもない。食べ物に関して文章を書くとき、心しなければならないことが、すべて東海林の文章には備わっている。えがたい才能と思う。(P.72)
東海林さんが「卑しい顔つきのちょび髭オヤジ」と思われる人物を遠回しにたしなめる文章を書いておられるのを目にして、笑いすぎて涙が出たことが以前にあった。同じ人間でこうも違うのかと思ったのである。
実名晒し上げという愚行に走るのは「代々受け継がれた劣悪DNA」の働きだろうが、「髭」には「反面教師」としての存在価値くらいしかない(笑)
掲載された本の三分の一は読んだことがあった。東海林さだおさんの「あれも食いたいこれも食いたい」の解説が特に面白い。
東海林の人気の理由を考えてみると、まず第一に食べることが好きで、第二に知識やうんちくを自分からはあまりひけらかすことはない。また戦争による飢えの時代を経験しているから食べ物を粗末に扱わない。迷惑にならない程度に、料理人や食べる人を鋭く観察してわが身を省みるのだが、他人を傷つけることはまったくない。また自分の好みを押しつけることもない。食べ物に関して文章を書くとき、心しなければならないことが、すべて東海林の文章には備わっている。えがたい才能と思う。(P.72)
東海林さんが「卑しい顔つきのちょび髭オヤジ」と思われる人物を遠回しにたしなめる文章を書いておられるのを目にして、笑いすぎて涙が出たことが以前にあった。同じ人間でこうも違うのかと思ったのである。
実名晒し上げという愚行に走るのは「代々受け継がれた劣悪DNA」の働きだろうが、「髭」には「反面教師」としての存在価値くらいしかない(笑)