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青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。写真はおおめ、文章はこいめ、コメントはすくなめ。

茶釜、節理の雪渡り。

2023年03月06日 17時00分00秒 | 秩父鉄道

(雪の横瀬川、節理を渡る@武州原谷~和銅黒谷間)

デキ105の7204レは、定番の横瀬川橋梁で待つことにしました。この時間は逆光になってしまうのだけど、どのみち午前中の積載の鉱石を順光で撮影する場所は殆どないのでねえ。節理の渓谷を渡る上路トラスの赤鉄橋、周囲が樹木で覆われているのでデキと貨車が何両か乗っかるだけのアングルなのですが、雪晴れの横瀬川の渓谷の風景と、後ろに東秩父の山並みがバランス良く収まってくれる好撮影地です。秩父鉄道、この横瀬川以外にも浦山川橋梁とか安谷川橋梁とかイイ感じのトラス橋がいくつかあるんですけど、みんな影森より先なので鉱石貨物とは合わせられないのが惜しいところ。急行秩父路が原谷への坂を登って行った後、やおら時あってデキ105が雪晴れの谷を渡る。もう少し早い時間であったなら、谷を囲む木々にも着雪があったのだろうが文句は言えまいか。

7204レ、折角のデキ105なので追っ掛けようかと思いきや、以前より7204はスジが立っているようで野上でロスト。雪明けの一日でR140も流れが悪かった。深追いしてもしゃあないので、長瀞名物・すまんじゅうの「ふくろや」さんへ。「すまんじゅう」というのは秩父の農村に伝わる昔っからの食べ物で、米麹を使って小麦粉を膨らませた皮でつぶ餡を包んだいわゆる田舎饅頭。酒種を使った「酒まんじゅう」は山梨の上野原あたりが名物だけど、秩父は米麹を使うようです。特にこの「ふくろや」のすまんじゅうはやたらデカくて食べ応えがあり、皮がモチモチして美味しい。

これが「ふくろや」のすまんじゅう。551の肉まんよりデカい。んで、すまんじゅうの「す」の部分、私は「素」まんじゅう(シンプルなので)だと思ってたのだけど、正確には「酢」まんじゅうなのだそうで。炊いた米を発酵させ、酢になる手前の麹を使って作るので酢まんじゅう。味は別に酸っぱくないんですけどね。

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雪の武甲を仰ぐ。

2023年03月04日 08時00分00秒 | 秩父鉄道

(雪晴れの秩父へ@R299滝の枕付近)

冬の時期に一回くらいは両パンのデキが走る秩父方面に行くというのは、自分のテツ活動的にルーティーンになっている訳ですが、何となく忙しさにかまけてまだ今シーズンは両パンデキを拝んでいない事に気が付いた。折しも南岸低気圧が通過し、秩父方面にはそれなりのまとまった雪が降ったという情報を聞きつけた翌朝。時間を頂き圏央道の人となる。飯能あたりから路面はアイスバーンと積雪のコンボで、スタッドレス履いててもズルズル滑って肝を冷やす場面もしばしば。R299から正丸トンネルを抜けると雪は一層深くなり、芦ヶ久保の滝の枕の辺りではクリスマスツリーだった。目算で20cmくらいは降ったのではないかな。

横瀬の街から眺める、雪を被った武甲山が青空に映えてあまりにも美しいので、これは撮らなきゃ勿体ないでしょ!ということでハンドルを回して生川の築堤へ。私は秩父には縁もゆかりもない人間ですけど、この武甲山という山がとても好きだ。まさに秩父のシンボル。石灰石の採掘のためにベンチカットされたピラミッド型の異形の山容は、その身を削り、街の産業と国の発展に尽くしてきた気高さみたいなものを感じてしまうよね。やって来た西武秩父行きの8連。西武4000系×雪景色×武甲山。最高の冬の秩父。

雪晴れの秩父の街。雪が降った翌朝だというのに日差しは暖かく、屋根の雪も路地裏の雪もどんどんと溶けて行く。ひょっとしたら三輪(鉱山)の出荷があるか・・・と期待していたのだが、流石に前日からの雪で貨車が影森まで戻っておらず、どうやらこの日は原谷スタート。そうなると少し時間があるので、「道の駅ちちぶ」にクルマを放り込んで秩父駅の地場産業センターで買い物。切れていたヤマブの味噌やしゃくし菜漬けなどを購入。豚肉の味噌漬けはヤマブの味噌に限ります。

雪の原谷。この日の鉱石列車、積載の一番列車はデキ105が担当。クリームっぽい色をした三輪の石灰石に対して、色が白みがかっているのが群馬の叶山鉱山の石灰石。そういや去年の秋に高崎線の新町駅から叶山鉱山の麓を通って上野村まで行ったんだっけ。あの時期辺りからやたらと関東山地の東側(ようは八高線・秩父線・西武秩父線)をウロウロする事が増えたような気がする。奥多摩・奥武蔵・秩父から西上州にかけての雰囲気は自分にピタッと来るのかな。文化、風土、街、鉄道、食、温泉。全てのモノが平均レベル以上に揃っていて、それぞれに魅力がある。

この日の秩父線沿線、雪×デキを写真に収めようってんで結構な数のギャラリーが集まっていました。特にこのデキ105が充当された7204レは大人気・・・デッキに操車さんを從えて、本線への出発準備に入るその雄姿を、雪の武甲山をバックに。ぶどう色のボディが雪晴れの日差しの照り返しに輝いて、一層美しく見えました。

 

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秩父現役最古参。

2022年11月17日 17時00分00秒 | 秩父鉄道

(秩父を走って二十余年@波久礼駅)

平成初期に自社発注車であった300系・500系などが引退して以降、国鉄101系を譲り受けた1000系が主力を占めて来た秩父鉄道の車両たち。近年になってご多分に漏れず東急からの譲渡車が多数を占めるようになった中、現役で最古参となったのが都営三田線から譲渡された5000形。三田線からやって来たのが平成11年だから、もう秩父で走って20年以上になります。三田線なんか後継の6300形に既に置き換えの車両が出始めているので、時は流れましたよね。

5000形の緑のモケット。ふかふかの抹茶カステラのようなこのモケットに体を預け、暖かな車内で揺れに身を委ねていると、ついウトウトと眠くなってくる。秩父鉄道に譲渡された編成の製造自体は昭和47年(1972年)だということだから、今年で製造50年ということか。それなりに年季を重ね、その風合いも秩父路の四季に馴染み。

幾多の乗客の靴跡、足跡を刻んで。東京都心の官庁街を走っていた車両が、山と盆地とからっ風の中を走ります。床に写る午後の陽だまりに。指ハサミ表示のステッカーとか、最近はあまり見なくなりましたけど、これも都内を走っていた頃のモノか。

最近は、このような地味ながらも味わい深い車両に強く惹かれる。ちなみに都営三田線は、建設当初には高島平から先の大和町(現:和光市)までを東武鉄道が「高島平線」として建設し、東武東上線と相互乗り入れをする計画があった事はマニアには知られている事でしょうか。何でわざわざ東武が高島平まで支線を作るのかというのは、やっぱり都営地下鉄だから県境を越えて和光市の方までは伸ばせなかったって事なのかね。まあそんな事言っても今の都営新宿線は千葉県の本八幡まで繋がってますけども・・・閑話休題。東武高島平線計画は、東上線池袋口の朝の混雑緩和を目的に始まったものらしいのですが、さすがに東武側の「新線まで作って和光市~池袋間の客を他社に流すってのは収益的にどうなのよ?」というのと、高島平回りになる事で都心へのアクセスがかえって遠回りになり、思ったほどの乗客の遷移効果もなさそうという理由で立ち消えになりまして、結局現在の東京メトロ有楽町線との相互乗り入れに落ち着くこととなったそうな。

幻に終わった東武東上線への延伸計画ですが、往時の主力車両であった都営6000形は、秩父鉄道への譲渡という形で図らずも東武東上線の終着駅である寄居に辿り着いたことになります。もし、高島平線計画が機能していれば、高島平から東上線に乗り入れ、寄居から長瀞方面に向かう観光急行みたいなのも運転されていたかもしれませんね。

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副本線はかく語りき。

2022年11月15日 17時00分00秒 | 秩父鉄道

(副本線に憩う@波久礼駅)

影森~武川~三ヶ尻間を走る秩父鉄道の鉱石列車。普通の旅客列車やパレオエクスプレス、そして貨物列車同士の行き違いなどで、道中で割と長い停車時間を持ちながら走っています。波久礼駅の副本線で、上下列車の交換を待つ7304レ。秩父鉄道のスジ屋さんって、単線で旅客と貨物を上手にバランスよく退避/交換させてスジを引かなきゃいけないのは結構大変なんじゃないかなあって思ったり。まあ、昔なんて今と比べ物にならないくらい貨物の本数も多くて、それこそ影森と原谷だけじゃなく秩父に第二工場とかもあったし、寄居からの八高線への貨物継走とかねえ。旅客も寄居からの東武東上線乗り入れ、秋の行楽シーズンは熊谷からの国鉄線乗り入れと異常にバリエーションがありましたから、それに比べりゃ簡単な事なのかもしれませんが。

秩父鉄道の駅で貨物を撮影する際は、この波久礼駅のような長い副本線のある駅を狙う事が多い。ホームの外側を通るのでアングルが組みやすいし、貨物列車の長時間退避(いわゆる「バカ停」)がある場合は、お気に入りのカマが入った時はバカ停の駅ならゆっくりと撮影する事も出来ます。徒歩の駅間撮影なんかでも、続行電に乗ればバカ停で抜き返す事も出来るので追っ掛けだって可能。そういう意味では、一発勝負のJRの貨物列車なんかと比べると、ポイントを押さえておけばシャッターチャンスを増やす事も出来るのが秩父貨物の良さじゃないかなと。秩父の貨物は三ヶ尻~影森を2時間~2時間半くらいかけて走るのですが、バカ停ポイントは波久礼・野上・長瀞・和銅黒谷あたりだろうか。親鼻とか樋口もあるね。ここらへんはネットに転がってる時刻表を探していただければ(笑)。

寄居で7304レと交換して来た7105レ。波久礼は関東平野の縁というか、秩父盆地と関東平野を分かつ隘路のとば口にある駅で、平野を渡るからっ風を受けて来た秩父鉄道のレールも、ここからは山の気配が色濃くなる。小さな木造駅の雰囲気も素敵だし、駅の隣にある豚丼のお店「たてがみ」は美味しいし、いい駅なんだよな。波久礼。秩父鉄道に初めて来た時からの、お気に入りの駅です。

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増発ダイヤに沸く秩父。

2022年11月13日 10時00分00秒 | 秩父鉄道

(秩父鉄道のヤル気@寄居駅)

「ショッピングもおでかけも 秩父鉄道で行こう!」という力強い横断幕が掛かる寄居駅。この秋、沿線のふかや花園駅前に「ふかや花園プレミアム・アウトレット」という大型商業施設がオープンしまして、秩父鉄道も多客対応のためのダイヤ改正を行いました。具体的には、熊谷~寄居間を中心に折り返し列車を設定して増発の実施を行い、土日は同区間の日中に臨時電車を走らせるなど、アウトレットへのアクセスルートとして鉄道も一枚噛んでやろうという意気込みに満ち満ちたダイヤ改正。

ここんとこ、どこの鉄道会社も「コロナ禍での生活態様の変化」みたいなお題目で減量ダイヤしか提示してこなかったので、今回の秩父鉄道のダイヤ改正には久々に胸のすく思いが致しますね。4番線に入る寄居折り返しの7500系。この日は、アウトレットモールがオープンして最初の週末だったので、寄居駅から電車でふかや花園へ向かう乗客の姿も目立ちました。

寄居折り返しの列車が4番線に入っているので、通常は長瀞・三峰口方面行きが発着する3番線に入線する5000系の熊谷行き。こっち側のホームに熊谷行きとか来ないのでちょっと違和感。寄居の駅も、駅構内こそ広いものの駅南口にあったライフ(スーパーマーケット)は閉店後建物が長い間そのまんまで、商圏としての勢いがない。潰れたスーパーの跡地とかさっさと更地にしちゃって、駐車場作ってそれこそアウトレットモールへのパークアンドライドとかやったらええんやと思わずにいられない。

駅の周りは寂しくとも、寄居は東武・秩父・八高の三線が交わる交通の要衝。かつては秩父の山から産み出された大量のセメント貨物がここで八高線に引き継がれ、関東甲信越の各方面へ出荷されていました。今でも残る貨物の出発線と広いヤード。高麗川の駅の一番南側を固める東武東上線、セイジクリームに塗られた81111Fが、駅員氏の合図でゆっくりと出発して行きました。

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