(鎮守の桜@下条~越後岩沢間)
下条駅と岩沢の駅の間、新光寺という集落にあるお社様の桜。津南周辺の中山間地で桜が散っていたので、十日町方面は既に期待出来ないだろうと思っていたのですが…確かに緯度で言えば津南より十日町はだいぶ北なのだけど、標高が100m以上違うので桜の開花は津南より十日町のほうが早いと思ってたよ。午後の日差しを浴びて透ける桜の花色がきれい。この日は暑かったけど、夕方まで本当にいい天気でした。
楢山トンネルに吸い込まれて行く131D。この列車は、森宮野原での20分停車の後、今度は十日町で186Dとの交換待ちで30分弱の停車時間があります。長野を10:29に発車して、終点の越後川口に到着するのは14:05。道中は戸狩・森宮・十日町での停車を挟んで3時間36分のロングランは、それこそ18きっぷユーザーのまったりした汽車旅にはうってつけなのではないでしょうか。
鎮守様の森と鳥居を入れ込んで、131D返しの188Dを同じ場所からやや開き気味に。越後川口の飯山線ホームは単式のため、実質十日町→越後川口→十日町の延べ42.8kmが1閉塞となっています。そのためダイヤにはあまり余裕がなく、終点の越後川口での折り返し時間がかなり短くなっているのが飯山線の特徴。
はさ掛けの組み木、開墾を記す碑、魚沼丘陵のなだらかな山並みを横目に188Dは十日町へ。131Dで川口まで流れた後の午後の飯山色運用は、十日町~川口間を2往復の機織り運用になります。
187D。新光寺の集落は十日町盆地の北端にあたり、ここから信濃川は魚沼丘陵と東頸城丘陵に挟まれた谷筋を抜け、川口で魚野川と合流し、長岡の手前で越後平野に出て行きます。防雪林に囲まれた魚沼の家並み。日本一のお米だと評判のブランド米である「魚沼コシヒカリ」は、雪融けの豊かな水と耕土に恵まれたこの地域で育ちます。帰りにお土産にでも買って行こうかなと思ったんですが、さすがにお高かった(笑)。
列車待ちは、春の日差しに目覚めたカエルの声がBGM。
上を見れば桜、下を見ればフキノトウとカタクリ咲き乱れる麗しき魚沼春景。
飯山線の旅路は、千曲信濃の流れと、長野・飯山・十日町の盆地に暮らす人々を紡ぐ旅でもあります。