青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

歴史は紡ぎ、紡がれて

2017年11月27日 18時00分34秒 | 中央東線

(国鉄色の愉悦@かいじ186号)

M50編成の引退決定でついに風前の灯火となった豊田の189系。この日は国鉄特急色塗装でお馴染みのM51編成が臨時のかいじ186号に入っておりました。インカーブ側でホリ快富士山を仕留めてから30分弱で、今度はアウトカーブ側で国鉄特急色を撮れるのだから中央東線ってーのは関東鉄がささやかなノスタルジーを満たせる最後の楽園ですよねえ。ちょっとセッティングにもたついて架線柱のワイヤが交わしきれなかったんですが、小仏峠に連なる山並みの紅葉の鮮やかさを大きく取り入れてのカットにしてみました。この30分でサクサクっと189系を仕留めて帰る同業者の方が結構多かったですね。


10時のスーパーあずさ6号はアウト側でインのケツ残しという定番構図。こーいう風にカーブで圧縮して撮りたくなるのがE351系ですわなあ。あとE351系って前面の表示に何が出ているかと言うのが全く運任せで、下手すると一番いい切り位置が表示の切り替えの瞬間だったりして何も映らないという事も珍しくなかったですね。ちなみにこのアルファベットと携帯の電波何本立ってんですか的なマークはあまり好きではありません(笑)。


改めてイン側に戻ってE257系かいじ101号。さっきよりちょっと線路際まで頑張って降りてかぶりついてみたよ。柵に絡む枯れ草が鬱陶しいですが、バックに見上げる山の色合いを重視してみました。ちなみに昔はもっと築堤に寄ってベタっとしたアングルで撮れたらしいけど、このご時世あんまり線路に近付くのはリスクが高いし、おそらく足場も相当危なっかしいと思われますので自重がよろしいかと。将来的には東線の特急はみんなE353系で統一する事が決まっていて、いずれE257系も転属して踊り子の185系の置き換えを行うんだそうだ。


10時半過ぎのスーパーあずさ11号。若干早切り感あるけどこの日初めて「スーパーあずさ」の文字表示バージョンで撮れたよ(笑)。ここの小下沢のインカだとスパあずのフル編成12両は乗らないで若干ケツが欠けますが、バックの紅葉の色付きが良いのでそこは勘弁して欲しい(笑)。雪とか降ったらもう一回この構図にチャレンジしてみたいけど、足元滑らせて下に落っこちる可能性も50%以上ありそうw


さて、この日は最後に11時に通過する貨物の83レを撮っておしまいにするつもりでした。が、その貨物のスジで四季島がやって来てビックリしたよね。確かにクルーズトレイン系は貨物のスジに乗っける事多いけどさ。個人的には普通に83レが来てくれた方が良かったんだけどねえ。コキタキ混合の編成で特徴あるしね(笑)。まあ珍しいもんが見れたので良しとしましょうか。それにしても車齢で言えば40年を超える189系から、本年ロールアウトした最新形式の四季島までが走る中央東線の懐の深さには改めて感服させられます(笑)。どうしても最近「撮るものねえよ!」って喚いて終わりにしちゃいがちだけど、レールの上を走る車両の多彩さに間違いなく鉄道の歴史が紡ぎ紡がれている事を感じてしまうよね。

裏高尾にお寄りの際は、「するさしの豆腐」こと峯尾豆腐店のおぼろ豆腐が美味しいのでお試しを。
小仏から降りて行って、圏央道の高架をくぐる手前の左側にあります。
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最後の秋の小仏路

2017年11月26日 07時25分46秒 | 中央東線

(小仏峠を仰ぎ見て@八王子市裏高尾町)

撮影地の小山はリバーシブルな使い方の出来る便利な場所なので、金刀比羅宮の反対側の斜面からは新宿方面の上り列車を迎え撃つアウトカーブの構図が取れます。青空に浮かぶ小仏峠の稜線。高尾山口の駅から高尾山~小仏城山~小仏峠を通って麓の小仏のバス停から高尾まで戻るというのがお手軽なハイキングコースらしい。高尾山絡みでは裏高尾の蛇滝口から昇る登山道にも俯瞰ポイントがあるらしいのだが、行った事はありません。


一反インカーブ側から離れ、サブカメラを持ってアウト側へ。8時半過ぎのスーパーあずさ5号。ここから800mくらい先が東京都と神奈川県の県境を貫く小仏トンネルの坑口。当初は単線として作られた小仏トンネルが開通したのは明治34年、長さ2,574mというのは明治の時代のトンネルとしてはかなり長大なものではなかったろうか。颯爽と振り子車体を傾かせて小仏トンネルへ向かうE351系、最後の秋の小仏路。E351って増結車との連結面をどう表現するかってトコあるよね。


5号とはおそらく小仏トンネル内ですれ違ったであろうスーパーあずさ4号が矢継ぎ早に。平成も30年になるとJR世代のクルマでも鬼籍に入るものも出て来るワケですが、同業者の方があまりカメラを向けてないのが気になる(笑)。国鉄型の葬式とはまた違った感覚なのだろうか。まあベテランの撮り鉄さんにしてみりゃE351系なんてまだまだ新しい車両なのだろうし、そんなに感慨も湧かないのかもしれませんねえ。


気を取り直してインカ側に復帰。9時前の貨物はブルサン牽引のコンテナ列車2083レ。タキ中心の東線貨物では貴重なコンテナオンリーの編成です。東線のコンテナ便で言えば、夕方の89レとかロクヨンの重連時代は豊田の電車区裏のSカで西日に面ギラリの構図とか定番でしたけどねえ。ってマニア以外にはちょっと何言ってるか良く分かんないですね。とサンドイッチマン富澤さん的なセルフ突っ込み。


今日のお目当てでもあるM50編成のホリデー快速河口湖…じゃねえやホリデー快速富士山。勝田や上沼垂や仙セの485が消え、秋田の583が去り、いわゆる「国鉄時代の特急型車両」として普遍的なデザインとフォルムを持つのはいまやJR東日本管内では現在豊田(3編成)と長野(1編成)にいる189系車両の4編成のみとなっている訳なんですが、今回残った4編成の中からこのM50編成が正式に引退(平成30年1月)する事が発表されました。居並ぶ撮り鉄のシャッター音の雨の中、こちらも最後の秋の小仏路を行く。


「あずさ色」と言われる水色と白の爽やかなカラーリングのM50編成。個人的にですがホリ快河口湖はこの編成のイメージが強くって、それこそ富士急沿線に写真を撮りに行くとよく見かける馴染みの顔でもありました。同じあずさ色では幕張にいたM31・32とかね。まああまり細かく話しても189系のジャンルはお詳しい先達の方がたくさんいらっしゃいますので割愛(笑)。ちょっと前はJR東日本の山梨キャンペーンキャラクター「モモずきん」をオデコに貼り付けていたのが印象深いですね。富士急の月江寺駅にて。
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晩秋紅葉裏高尾

2017年11月25日 22時49分20秒 | 中央東線

(山の中の金刀比羅宮@裏高尾町)

いよいよ来週からは12月、秋の行楽列車なんかも今週末を持ってひとまず終了という季節になって参りましたね。ここんとこ思いっ切り冬っぽい寒さになって来て会社行く時もコートなんて着てますけど、気温が下がって来ると安定して晴れるのが関東のいいところ。今週末も晴天が望めそうなので、ちょっと早起きして裏高尾まで。高速乗らないでも1時間弱で着いてしまう安近短のお手軽撮影地ですが、今日は裏高尾の一番奥になる小下沢カーブのイン側へ。撮影地は沢と南浅川の出合にある小山になりますが、この小山には小さな小さな金刀比羅宮があって、行き交う中央本線の列車を見守っています。


思った以上にあっさり到着してしまった小下沢のインカーブ。まだ6時半前ですから、この日の短い時期では夜が明けてないですね。ちなみに日の出時刻は6:25頃でしたが、付近の畑や原っぱには霜が降りて真っ白。裏高尾も相当冷え込んだようです。E233で運転される早朝の大月行きが払暁の空を東に見ながら小仏の峠を目指します。


7時前の貨物列車は、ブルサンがタキ車を引き連れて竜王へ向かう81レ。根岸を朝5時に出て、武蔵野貨物から南武線立川経由で走って来ます。これから冬本番を迎えて燃料需要も旺盛になる時期ですが、積載のタキは10両とやや少なめ。中央道のバックの山にやや日が当たって来ました。


まだ日が当たらない7時半過ぎのスーパーあずさ1号はお馴染みのE351系で。プレスリリースが出てしまいましたが、E351系は来年の3月で後継のE353系に置き換えられ、一気に廃車になってしまうそうです。スマートな卵型の車体、PCによる制御式振り子装置を備え中央東線の高速化を押し進めた功労者。車体故障が多かったり大月駅で回送列車に突っ込まれたり色々ありましたが、一足お先に常磐線から去ったスーパーひたち(E651系)同様「JREにおけるバブル時代の傑作」と言って差し支えない東線のクイーンでありました。


8時過ぎのあずさ3号。E257系。編成後部にはだいぶ日が当たるようになって来た。東側に向かって開けている裏高尾の谷ですからそこそこ日が差すのも早いかなと思ってたんだけど、いかんせん太陽の高度が低いのでなかなか太陽が高尾山の稜線を超えて来ません。谷筋に沿って走る旧甲州街道は、小仏峠や景信山に向かうハイカーを乗せたバスが2台続行でピストン運行してますね。


8時半の523M小淵沢行き。アルプスカラーの211系。ようやっとこ線路まで日が伸びて来ました。裏高尾の見事な紅葉が晩秋の光に輝いています。線路に日が当たったのを見計らってか、自分だけが陣を張っていた小山に続々と登山してくる同業者の皆々様。撮影地は小山の伐採地の結構急な斜面で、しかも霜が降りているものだから足元がかなり滑りやすいですね。出来れば登山靴系のソールのギザギザがしっかりした靴がよろしいのではないでしょうか。


私の隣で陣を張った同業者の方は、はるばる三重から夜な夜な新東名をかっ飛ばして裏高尾までやって来たのだとか。まあ私もDDの煙のニオイを嗅ぎに夜な夜な新東名をかっ飛ばして四日市まで行くので同じようなもんですわな(笑)。線路に日が当たったと思いきや、高尾山の稜線の向こうからあっという間に太陽が顔を出し、露出は全開バリバリ。各自入念に調整しての臨戦態勢は万全なのであります。
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秩父良日

2017年11月23日 21時51分37秒 | 秩父鉄道

(緩やかな光の中で@7006レ)

寄居のオーバークロスの後は、どこへ行こうかと子供と思案投げ首したのですが、とりあえずデキの追っ掛けで何も食っていなかったので遅い昼メシ。どっか店に入るという時間でもなかったもので、結局コンビニに寄って再び金尾山の頂上へ。山の上の展望台で子供とコンビニメシを食いながら下界を見やれば、午後の緩やかな斜光を浴びて7006レが川面のカーブを回って下って来ました。


オトーサンのアングルはニーニッパで接近戦。面には来ませんが、サイドにはきれいに光が当たっていい感じ。最近カメラもレンズも設備投資をしていないんですけど、このニーニッパのAFがかなーりかったるいのが気になります。手持ちだとAFが来ないので使いもんにならないのですが、今日みたいに三脚に据えてなら手動でピントを調整出来るので何とか使えない事もないのかな…。個人的には結婚したら絶対こんなカネの使い方させてもらえないからと独身時代最後に意気込んで買った6ケタの値段のレンズなので、思い入れはあります(笑)。


コンビニメシを食べた後は、持って来たお菓子とお茶で一服。空高く飛ぶトンビが、明らかに子供のお菓子を狙っているで注意しなければいけません。コイツらは七里ヶ浜とかでも観光客が食ってるハンバーガー目掛けて急降下爆撃を仕掛けて来るから油断がならない。しかしこの日は朝から夕方までしみじみと染み渡るような秋晴れでありましたな。山の端の影が線路に向かって伸びて来る頃合い、黄金色に車体を輝かせてパレオが通過して行きました。
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追撃7404レ

2017年11月20日 21時03分31秒 | 秩父鉄道

(なんちゃって複線区間@寄居~桜沢間)

チョコバナナの7404レをもう一発押さえたく、和銅大橋から寄居のオーバークロスに転戦して来ました。秩父鉄道の貨物列車は、普通列車や急行列車やパレオの運行の支障にならないよう途中駅で結構な時間退避する事が多いのですが、この7404レは途中退避がほとんどないため皆野寄居道路を使って先回り。チョコバナナ1本で400円の出費です(笑)。ここからのアングル、寄居から桜沢にかけてのしばらくの区間では秩父鉄道はJR八高線と並走するので疑似複線区間みたいな感じですが、チョコバナナを待つ間に239Dの高崎行きが白煙を上げて通過して行きました。


秩父の白いダイヤを積んで、東秩父の山塊をバックに一路三ヶ尻を目指すチョコバナナ。JRに架線がなくて私鉄に架線があるというのも関東では珍しいよな。寄居の街は秩父鉄道に八高線と東武東上線が集まる鉄道の要衝ですが、並走する八高線もかつては寄居から継走する秩父セメントや高麗川に大工場を持つ日本セメントからの出荷で貨物営業は極めて盛業でありまして、1998年の貨物取扱廃止まで高機所属のDD51による重連セメント貨物がバンバン走っていたという今思えば夢のような場所でもありました。


子供の広角レンズは少し開いたアングルで。構図的にバランス悪くなるので排除できないのですが、線路沿いのソーラーパネルが極めて無粋ですねえ。八高線に架線がないもんで妙に開けように見える区間だけど、無骨な鉱石貨車が20両も連なって複線のストレートを走って行く風景に、何となく子供の頃にモノクロームの写真で見た昭和40年代末期あたりの室蘭本線のSL石炭列車がイメージされますよ。場所でいうと沼ノ端あたりの写真だったと思うけど。マニアの軽口ですが、高崎のD51とか入線させて秩父の石灰貨物牽かせるイベントとかやったら死ぬほどカッコいいだろうねえ。そんな事したらSLマニアと機材の重みでここのオーバークロスの橋桁が折れちゃうだろうけどね(笑)。
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