(画像:掛川駅時刻表)
昨日は、
天竜浜名湖鉄道に乗って来ました。
関東近郊のローカル線もあらかた乗った感じなので、遠征してみましたw
それにしても、「天竜浜名湖鉄道」って名前長いですよね。ちなみにルー大柴だったら、
「ヘブンズドラゴンビーチネイムレイクライン」と言うのかもしれないが。余計長いわ。地元民は略して「天浜(てんはま)線」と言ってるらしい。なんだか高級天ぷら店みたいだな。築地辺りにありそう。
さて、そんな「天浜線」は、しぞーかけんの東海道本線掛川駅から浜名湖の北岸を回り、静岡県西端の新所原駅で再び東海道本線に接続する67.7kmのローカル線。元の国鉄二俣線が国鉄民営化に伴い第3セクターとして生まれ変わったものであります。
元はと言えば掛川から東濃の岐阜県恵那に向けて作られるはずだった路線ですが、次第に軍事色が濃くなる昭和15年に現在の形で開通しました。これは、浜名湖の入口を渡る東海道本線の鉄橋が爆撃された場合の輸送手段を確保するためのバイパス的役割を持たせるためだったのだとか。実際、当時の浜松市は日本楽器(ヤマハ)を始めとする工業都市であり、国鉄浜松工機部(現在のJR浜松工場)を抱える交通の要衝でありました。
朝4時に起きておにぎりを作り、4時半に出発。横浜町田IC~沼津ICまで深夜割ワープ。そっからはおなじみのR1だ(ちなみに沼津市内の
西添町交差点にて
40,000km達成)。静清BPと藤枝BPで朝の渋滞にハマってしまったが、自宅から4時間半で掛川到着。掛川城を模した市営駐車場に車をデポし、
掛川駅へ。駅前のフリーハンデ換算だと、白子駅以上近鉄四日市駅未満と言う感じ(笑)。新幹線停車駅ですが、閑散としたもんです。
天浜線の掛川駅は駅のはしっこにある。だいたい自分が好んで乗るようなローカル線は、駅のはしっこにくっついている場合が多い。春に乗った岳南鉄道とは違い、
本社併設の駅ビルでまあまあ立派。出札口で
フリーきっぷを購入。さすがに70km弱の路線なんで、1,800円とお高め。新所原まで通しで乗ると2時間掛かる(東海道線だと1時間)からねえ。
時刻表を貰い、誰も居ない
ホームに出てみる。
う~ん、これも岳南鉄道の
吉原駅ホームとかぶる。確かに同じ県内なのかもしれないけど。「いま出てったばっかだおぅ。次は…39分!」と駅員のオッサンが声を掛けて来た。しばらくホームで所在なげにタバコを吹かしていると、ほどなく折り返しの
新所原行きが到着。東海道線からの乗り換え客もちらほらと集まって来た。この
TH-2100型は平成15年製の新型ワンマン気動車で、国内気動車シェアNo.1の新潟トランシス(旧新潟鐵工所)謹製。
車内も新しくてきれいだし、快適な車両である。
時刻となり、「ピュー!」と言う甲高い汽笛を鳴らして列車は掛川を発車。
東海道線の線路から天浜線はプイっと分かれ、進路を北西に取って進み出す。まずはこの列車で遠州森駅まで行ってみよう。掛川市役所前、西掛川、桜木までは掛川の市街。車窓には量販店や車のディーラーなどが並ぶのだが、いこいの広場、細谷、原谷と進むにつれて田園風景と里山の中を走るようになる。明るい青空の下、秋の青空の下、凡庸としか言いようがない
枯れた田畑の風景の中を進む列車は、新しいせいもあってディーゼル特有の出足のかったるさもなく、揺れも騒音も少ない。いい乗り心地である。眠くなって来るな。
原谷駅で下り掛川行きと交換。かぶり付きに陣取る子供が手を振るのに、高校上がりと言った感じの気の良さそうな茶髪の兄ちゃん運転士が思いっ切り手を振り返して来るのも微笑ましい光景だ。車窓からも、手を休めている茶畑のバアさんが列車に向かって手を振る光景が見られた。地元の生活に溶け込んだ
ローカル線らしい「ゆる~い」空気が流れている。
原田と戸綿の間で低い峠をトンネルで越え、太田川を渡って
遠州森駅に到着。広角で撮ったからやたら収差が出てる画像でスマソ。ここで途中下車し、ちょろっと観光をしてみようかなと。「遠州の小京都」と言われる
静岡県周智郡森町は、あの「森の石松」のふるさと。遠州森駅は
駅前の赤ポストも懐かしい風情のある木造の駅舎。ここのみならず、天浜線では全線に渡って比較的国鉄当時の駅舎が良く残されているイメージを受けました。
駅にレンタサイクルがあると聞いて、一人しかいない初老の駅員さんに尋ねると、何故か驚いたような顔をして駅の裏の物置から自転車を持って来た(笑)。あまり借りる人いないんだろうなあ。1日300円と値段もリーズナブル。近在の名所を訪ねると、森の石松のお墓がある「大洞院」と、紅葉の有名な「小国神社」があると言う。とりあえず駅前からキコキコと漕ぎ出し、その2つを回ってみることにしましょう。
駅前から漕ぎ出して「小国神社」の看板を頼りに進むが、いきなり坂道でへこむw
自転車は6段変速の新しいものなのだが、足に容赦なく乳酸が…
高校生時代は山坂を30分掛けて通っていたんだがなあ…
この程度の坂道でも、すんげえ腿に応えるんですけどw
その当時と比べて落ちた体力と増えた体重を痛感するひととき。ツール・ド・森町すらこなせない自分には、隠岐は無理だと思う(笑)。駅から山二つ、
3.6km程度の道のりをゼイゼイ言いながら何とか漕ぎ切って、25分程度で小国神社へ着いた。
汗だくなんですけどw
「小国神社」の読みは、「おくに」と濁らない。
知名度は少ないが、由緒正しき遠江国の一の宮。
そしてこの時期は紅葉の名所。
天浜線にも「遠江一宮(とおとうみいちのみや)」と言う駅があります。
この「遠江(とおとうみ)」と言う旧国名の由来は、都(京)言葉で琵琶湖の事を「淡海(あはうみ)」と呼ぶのに対して、
浜名湖を「遠淡海(とほつあはうみ)」と呼んだ事にちなむ。遠い琵琶湖って事ですか。琵琶湖と浜名湖はちょっとどころかだいぶ違うんだけど、まあ昔の人の言語感覚だからねえ。そもそも浜名湖、淡水じゃないし。
まあ、そんな「とほつあはうみ」が
とほつあはうみ→とほたうみ→とおとうみ(遠江)となった訳でして。ちなみに
淡海(あはうみ)は、あはうみ→おうみ(近江)となって、これも現在の滋賀県の旧国名になってますね。なんかの地理の本で読んだ受け売りの知識だが。ですから、「淡水」の語源も琵琶湖です。
さて、ウンチクが長くなったが、この文も長くなったので一旦続く。