青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

憂春の桜

2020年04月14日 09時00分00秒 | 京浜急行

(春色浮かべて@大岡川)

緊急事態宣言が出ても休業しない業種なので、テレワークもせずに毎日会社に通っています。ここまでウイルスが世界に蔓延すると、半年くらいでは簡単には収束しないなと思うと同時に、このウイルスの先にある人間社会にどのようなパラダイムシフトが現れるのか想像も付かないですね。この目に見えぬ戦争の結末を見守るしかないのでしょうか。

春色の名残りを浮かべながら流れる大岡川。今年の桜はここだけで終わってしまいましたな。

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幸せの黄色い電車

2020年04月11日 17時00分00秒 | 京浜急行

(こんな時代に、春をお届け@黄金町~日ノ出町間)

今年の桜は、歴史的な暖冬という事もあり3月20日頃に開花しました。あまりにも開花が早かったもんだから、「こりゃあ長いことは持たねえなあ・・・」なんて思っていたのですが、東京に満開宣言が出た後の週末に首都圏を襲った時ならぬ雪。そして、その前後に気温が上がらない花冷えの日が続いたせいで、桜の花びらは比較的長持ちしたような気がしますね。なんだかんだ見頃は2週間くらいあったのかなと。今年の桜は自粛の桜ではありますが、人間の世界の混沌をどこ吹く風と咲く満開の桜に、ひと時の心の安寧を貰ったような気がしました。

大っぴらには愛でる事も出来ず、花見の宴もなく、例年であれば無数の屋台が並んでいたはずの大岡川の春。真っ赤な電車が行き交うハマの街中の高架線に、見てくれはちょっと変わった形をしているけど、なんだか懐かしい顔つきの車両がやって来ました。事業用電動無蓋貨車・デト11。新幹線がドクターイエローなら、京急はこれが幸せの黄色い電車。混沌の春に、心ばかりの小さな幸せを配給します。

コメント (2)
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高輪金屏風2019

2019年12月08日 23時00分00秒 | 京浜急行

(黄華乱舞@京急品川駅)

山を染める赤い紅葉も素晴らしいと思いますが、街を染めるのはイチョウ並木の黄葉。品川駅前を通る第一京浜の見事なイチョウ並木は、駅から札ノ辻橋の方までずーっと続いていますが、これをホームから美しく眺められるのは京急の品川駅。東京都の木でもあるイチョウが、初冬の陽射しにキラキラと輝くその姿。暦を見ればもうあと一ヶ月もしないうちに令和元年が終わってしまいますが、明けて令和二年の正月早々には、この品川駅前の第一京浜を箱根に向かうランナーたちが走り抜けるのかと思うと、季節の移ろいの早さをヒシヒシと感じてしまいますな。

八ツ山の橋ですれ違って行く1000と2100。そう言えば、カメラを持って構えて撮るのは何だか久しぶりの京急である。今年の京急を振り返ると、車両設備の面では、2018年の2100形に続いて、2019年は800形が消えました。4ドア車が淘汰されて2ドア3ドアで固まりましたので、駅にもホームドアが積極的に導入されています。品川の駅も、ホームドア代わりの柵が設置されて、駅撮りは非常にしにくくなりました。そうそう今年の京急で忘れちゃいけないのが秋口の神奈川新町での衝突事故なんですけど、色々と当時の事象が明らかになるにつれ、随分と京急には旗色の悪い話になってしまっているようです。

黄金の輝きに頬染めて入線してくる600形の青砥行き。事故以降、現場付近では徐行運転(主に下り列車)を入れているようですが、乗ってる限りでは相変わらず吊革に掴まってないと吹っ飛ばされそうな、反省のない走りを見せてくれていた(笑)。品川~横浜間の爆速走行って京急のアイデンティティみたいなところがありますからねえ・・・特に新町~子安で普通をブチ抜いてからの京急川崎までのスピード感と言ったら(驚)。障検が感知して非常発光してもEB使わないで常用で様子見ちゃうの、そりゃダメなんだけどあの走りを見てたら納得しかない。安全とスピードの両立という二律背反な課題を持った京急の年の瀬です。

1編成しかない整備公団線所有の9200系。レア編成が印旛日本医大行きで登場です。ところで京急品川のイチョウ並木の黄葉ですが、年ごとに出来の良し悪しがあって、去年と一昨年は台風に巻き上げられた海水による塩害で葉がしおれちゃって、パサパサと色付く間もなく散ってしまってまーったくダメだった。今年は猛暑にも台風にも当たったけど、とりあえず結構よさげ。季節の移ろいは毎年の事ではありますが、それでも当たり外れが出るのが自然の摂理。

明日からも、平日の朝は通勤客でごった返すであろう品川駅のホーム。目の前にこんな素晴らしい景色が広がっているとも知らずに、みんなスマホを見ながらJRへの乗り換え改札に消えてしまうのであろうか。師走ご多忙のところ誠に恐れ入りますが、何とも美しく色付いた高輪の金屏風、一寸くらいは眺めて行ってもよろしかろうかと存じます。

 

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別れに最後の桜を添えて

2019年04月03日 22時00分00秒 | 京浜急行

(最後の春の大岡川を行く@京急800形)

春はお別れの季節です、みんな旅立って行くんです。あれほど京浜地区を跋扈していた短距離スプリンター・京急800形。ホームドアの導入のため、3扉車の前にドア間隔の合わない4扉車が駆逐されてしまうという悲哀。昨秋あたりからあっという間に久里浜工場送りになった同僚たち。3月末までに全車引退か、と思いましたけど、昨年の2000系引退時と同様、リバイバルカラーに塗装された823編成が最後の1本として残りました。淡いピンクの桜も、5分から7分くらいは咲き始めましたでしょうか、大岡川の桜と最後のコラボレーション。


しかし今年の桜は咲き始めてから満開になるのが遅い遅い。未だにコートを手放せない朝の寒さと、日中になればなったで寒気に伴う雲が広がってあまり日照が続かないのが影響しているのだろう。長野や新潟で未だにガッツリと雪が降っている光景を見るにつけ、今年は北国の桜の開花も当初目論見よりは一週間は遅れそうである。


大岡川の桜も、水が冷たいせいか今年はなかなか花が開いてきません。おそらく今週末くらいが一番いいのではなかろうか。たった一本となった800形を、朝方のいい光線に乗っかって浦賀方面から上って来る運用とピタリ合うかは非常にビミョーなのでありますが、願わくばもう一回くらい満開の桜を添えて、赤いダルマのお別れ写真を収めてみたいなあと思う訳であります。

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ハマの桜は大岡川

2018年04月01日 19時00分25秒 | 京浜急行

(色街も今は昔@黄金町~日ノ出町間)

朝の光を浴びて黄金町の高架を行く800形。ハマの桜は大岡川。桜木町から野毛を通り、日ノ出町から黄金町、花之木町から通町を抜けて弘明寺・上大岡方面まで続く長い長い桜回廊です。黄金町の高架下は、横浜大空襲の後に戦後間もなくからいわゆる青線街が広がっていたのですが、行政による浄化作戦に伴ってその辺りの色街っぽい雰囲気は既に過去のもの。今は若手のアーティストを中心にしたギャラリーや工房が連なる、実に平和な空間が広がっています。


川面に浮かぶパドルボート。川から見上げる満開の桜と言うのも乙なものでしょうね。2000形が引退しても、6連普通運用限定と言うポジションでまだまだ勢力を残していた800形ですが、最近6連の新1000形も登場しておりますのでその去就は当然予断を許さない状況にあります。久里浜工場の裏っかたの解体線で切り刻まれている編成を見たのも一度や二度ではないのですが、最古参形式となってもなおノッチ入れれば猛ダッシュの出足の良さと、ゴロゴロと重々しく開く片開きの4ドアの魅力は抗いがたいものがありますよね。

満開の桜が連なる大岡川。さすがのダルマも、この圧倒的な美しさには手も足も出ずといったところで。
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