(意外と不慣れ?な大阪市営地下鉄@東梅田駅)
さて、阪急の梅田駅でコーヒーブレイクを済ませ、改札を出て梅田の地下街(通称ウメチカ)に入りました。今日はここから大阪のいわゆる「ミナミ」の方へ行く予定でおるのですが、そもそもミナミの方に行くのって地下鉄の何線に乗ればいいんだっけ?とりあえず住之江競艇に通った過去から、御堂筋線と四つ橋線はミナミの方に行くのは知ってましたが…意外に大阪市営地下鉄の知識がない事に気づかされる(笑)。
えー、行きたかったのは天王寺なんですけど、御堂筋線ってなんばへ行く地下鉄だと思ってたので迷いながら東梅田の駅まで歩いて行ってしまいました。が、駅の料金表を見たら御堂筋線、天王寺通りますやん…まあここまで来て引き返すのも何なんで谷町線に乗ってしまいましたが、とかく東・西・梅田と地下鉄3駅が分離し、阪急阪神のターミナルがあって、JRの大阪駅がある梅田界隈を読み解くのはなかなか難しいものがあります。
谷町線だからって別に太っ腹な乗客が乗っている訳でもなく、大阪のおっちゃんおばちゃんを乗せて割とギュウギュウ気味で天王寺に到着。大阪の地下鉄って御堂筋線以外のイメージがないので驚いたのだが、結構な乗車率である。天王寺と言えば最近は再開発が進みまして、そのシンボルってーのが高さ300mの「あべのハルカス」。現在日本一の高さを誇る高層ビルですが、その下に駅が。
日本一のノッポビルの真下に、大阪ミナミから泉州堺を結ぶチンチン電車、阪堺電気軌道・天王寺駅前電停があります。関西遠征2日目は、阪堺電気をメインにして乗り鉄を楽しもうと言う趣向。阪堺電気の全線1日乗車券「てくてくキップ」は600円で販売しておりますが、全線200円均一なんで4回乗ればお釣りがくる仕様。あべの筋の2車線道路に挟まれて狭苦しいことこの上ない天王寺駅前電停、待っていたのはパンダ顔のモ700型710。
神ノ木駅付近で南海をオーバークロスする阪堺電車。天王寺から南海本線の住吉公園を結ぶのが上町線ですが、天王寺を出てあべの筋を阿倍野まで走った後、松虫から専用軌道へ。東天下茶屋を過ぎ、併用軌道に入って北畠、姫松、帝塚山三丁目・四丁目と大阪市の住吉区の住宅街を南に向けて走って行きます。帝塚山四丁目から専用軌道に入り、築堤に登って大きく右カーブ。南海本線の上を跨ぎ越すところに神ノ木電停があり、築堤を降りると住吉。ここで恵美須町から来た阪堺線と合流します。
住吉電停にて合流する上町線と阪堺線。上町線は天王寺駅前~住吉公園、阪堺線が恵美須町~浜寺公園を結んでおりますが、現在は天王寺駅前から来た上町線の電車は阪堺線に乗り入れて我孫子道か堺市内方面・浜寺公園まで直行する運行形態になっており、これがメインルート。阪堺線の電車は恵美須町から新今宮を通り、ここ住吉を経て車庫のある我孫子道までを結びます(堺市内方面は我孫子道で後続の天王寺駅前発に乗り換え)。天王寺から来る電車も、恵美須町から来る電車も、走って行くのは我孫子道・堺市内・浜寺公園方面。じゃあ、写真で言うところの左下、住吉公園方面はどうなっておるのか、と言うと…
これは、上記の写真の立ち位置から住吉公園方面を向いて撮った写真なのだが、複線の線路こそ確保されているものの架線柱は傾き、そもそも路盤も草ぼうぼうでとても管理されているようには見えない。ちなみに左右の足場みたいなものが住吉公園から来た電車が止まる住吉電停なのだが、パッと見で何かの作業スペースには見えても、電車に乗る場所には思えないw
南海電車の住吉公園駅の高架下にある、阪堺電車の住吉公園駅。いや、表記通り「驛」とした方が趣がありますかね。そもそもこの時代に右からの横書き文字と言うのが何とも時代を感じる。母屋の庇を支える鎖の重みが重厚さに拍車をかけているようですな。宝くじ売り場がちょっと無粋ではありますけど…
そして、その阪堺電車の住吉公園駅は、平日は朝の7時台に2本、8時台に3本(計5本)、土休日は7時台に1本、8時台に3本(計4本)が発着するのみの、極端な変則ダイヤとなっております。平日で言えば始発が7:48、最終が8:24。正味の営業時間は約40分の都会の秘境駅。以前は天王寺駅前~住吉公園、恵美須町~堺市内・浜寺公園方面とお互いの線区ごと運行は分かれていたそうなのだが、利用客の多い上町線を住吉から堺市内~浜寺公園方面へ直通させる事によって利便性を向上させた結果、上町線の終点である住吉公園の電停はいらない子になってしまいました。
上町線が手前の住吉で堺方面へ向かってしまえば、住吉公園は水の流れを止められて干上がった川のようになってしまうのは自明の理。そんな極端なダイヤにして、乗客の利便性は…とも思うのですが、何のこたあない。歩いて70m、急げば1分もかからない位置に阪堺線の住吉鳥居前電停があり、阪堺的にはこちらから乗ってくださいと言う事になっている。住吉公園駅の利用者的には、始発でないので着席確率が下がってしまった事に若干の不満はあるらしいですが。
阪堺線住吉鳥居前電停。名前の通り、正月には関西屈指の参拝客を誇る「すみよっさん」こと住吉大社の鳥居の前にありまして、阪堺電車は鳥居と参道を横目に見ながら走って行きます。住吉大社ってのは関西では京都の伏見稲荷としのぎを削る参拝客の多さを誇る神社ですから、正月の阪堺電車はあふれる参拝客を捌くために車庫に残っている車両を全部叩き出して特別ダイヤで運行するのだそうな。
運行形態の変化によりいらない子となってしまった住吉公園の駅も、正月輸送の際は天王寺方面からの折り返し電車を2両留置出来る事から多客を捌くに重宝がられる存在ではあるようです。が、普段の状態はこんな感じで、とても生きている駅のようには見えず…一年に忙しいのが正月だけというこんな変則ダイヤの駅を残している余裕はないのでしょう。私が訪れた2週間後に、下記のプレスリリースが発表されることになります。
うーむ…現状を見て来たばっかりですので、これは仕方がないと言うしか。廃止の時期を1月31日にしているのは、住吉大社の初詣輸送を考慮しての事でしょう。思えばこの日の朝に阪急とか撮らないでそのままこっち来てれば、ひょっとしたら住吉公園発の電車に乗れたかもしれないなあと思うと少し惜しい。たった200mの区間ではありますが、上町線の末端区間は未来永劫に未乗のまま終わる事になりそうです。