青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

円高で馬は走るのか

2009年11月29日 21時47分11秒 | 日常

(画像:黄葉の上総鶴舞)

11月はほーんとあちらこちらに出掛けては色々撮りましたねえ。
手元の記録を見ると、毎週出かけていた事が判明w
10月の最終週から5週連続でどっか行っては写真を撮っていた事になる。
秩父→八ヶ岳→富士→西伊豆→上毛と撮り歩いたそんな秋の最後の週末は、小湊鉄道で締め。
久し振りに曇天模様になっちまいましたが、小湊のキハ200はビビッドなんで天候負けしないのが良いところ。
佇まいゆかしい上総鶴舞駅、大カーブを正面から。

えーと、タイトルと本文が一致してないって?
いや、土曜日の東スポ一面に「成駿コンデュ円高激走」って書いてあったのがなんかツボにハマっちゃってw
一瞬成駿さんついにヤキが回ってFXにでも走ったのかと思ったけど(笑)。
まあ長い読者の方は「JC=成駿は基本的に海外勢本命」と言うシナリオは「基本だよね」ってトコでしょうが(笑)。

人気の読める馬と言うのは聞いた事があるが、為替の読める馬と言うのは聞いた事がないw

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黄金、千秋、茜空

2009年11月27日 22時30分21秒 | 日常

(吊り掛けの音高く@粕川橋梁)

生まれは昭和3年、御歳数えて81歳。
移りゆく上毛の歴史を、開業当時から見守り続けて来た存在がいます。
上毛電鉄の生き証人、古豪デハ101号。
実働する車両としては、日本最古の電車。
まだまだ、現役。

この日上毛電鉄を訪れたのは、この車輛が動くと言う話を聞いたからでもあります。
定期運用からはとうに外れて、たまの線路の保守管理に駆り出される程度。
すっかり御隠居さんの身ではありますが、ファンのオーダーがあれば出動してくれます。
大胡~西桐生~中央前橋~大胡の全線一往復で9万円だそうです。
(デハ101 貸切運転のご案内@上電HP)
実際は割にあってないのでは?と思われるが…

何年か前に、この車両の維持に関しては社内でもその処遇が取り沙汰されたそうだ。
そりゃあここまで高齢の車両になると、ただ補修をすると言っても部品ひとつが調達出来ない。
そのためだけの部品をオーダーするには、地方鉄道にとっては重い負担である。
それでも上毛電鉄はこの車両の存続と維持の道を選んだ。
駅だけでなく、この車両も群馬県の近代化遺産として登録済。
「文化財として守る」と言う立場を鮮明にしているのだ。
素晴らしい事ですね。

この日は昼過ぎから夕方までの全線一往復の運用に付いていた事もあって、
帰りはちょうど秋の夕陽が斜光となって射し込む時間である。
デハ101が夕陽に映える、印象的なカットを撮ってみたいなあと思いつつロケハン。
上泉駅の近くで、ちょうど西の空からの光が感じ良く届く場所があった。
とりあえずデハ700でワンカット、サイドの光は申し分なし。
あとは獲物を待つばかり。

ここまでサイドに陽が回ると言う事は、そろそろ太陽も沈む時間。
日没まで僅かの時間を、三脚立てながらヤキモキしつつ待つ。
前橋方面から、軽いホイッスルの音が聞こえた!
吊り掛けモーターのカーン!という甲高い金属音が響くと、古豪が姿を現した。

(秋の日に黄金輝く@上泉~赤坂間)

金の延べ棒のように光り輝いて、デハ101が走って行きます。
側面の外板の質感艶めかしく、日没まであと僅かの夕陽が足回りまで染め上げる。
染め上げられた車体の放つオーラは、若いもんには出せない色気。

茜差す赤城の山に吊り掛けの音が響く。
それは「今宵限り」とは言わせぬ、古豪の咆哮のようです。
広い空と、遠くの山々。
群馬県は、上毛電気鉄道の旅でした。

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虹色の夢・プラスワン

2009年11月24日 06時00分00秒 | 日常

(なんてん実る渡良瀬川を往く@丸山下~富士山下間)

上毛電鉄の主力車両デハ700型。
元は京王井の頭線で活躍した3000系です。
上電入りに関して2両編成への編成替え、ワンマン化などの改造を受け、1998年から入線しています。
京王電鉄グループには、「京王重機整備」と言うグループ会社がありますが、
自社車両の再整備と売却に関して凄く積極的な会社なんですね。
そんな訳で地方私鉄では、元京王系車両と言うのはかなりのシェアを持っています。
特に本線を走っていた5000系と井の頭線の3000系は、全国で今も活躍していますね。

井の頭線では平成8年以降新型車両の増備が進められた関係で、玉突き的に3000系の廃車が進みました。
井の頭線ではいらない子でも、地方私鉄にしてみたら垂涎の新型車両。
ステンレス製で外板はメンテナンスフリーだし、18.5mの3ドア車と言うのも使い勝手としてはいいんでしょうね。
大手私鉄の標準である20m4ドア車では、輸送力過剰だしワンマン化しづらいでしょう。

(快走ゴールデンオレンジ@北原~樋越間)

井の頭線と言えば、前面のカラーリングのバラエティ。
編成ごとに七色に分かれていて、「レインボーカラー」なんて言われていましたね。
よく下北沢の駅で電車を待ちながら、「次は何色か?」なんて当てっこしたものです。
上毛電鉄への入線時、前面の色は全てミントグリーンにして入線したそうですが、
8編成あるデハ700型は、近年8色に塗り分けられています。
これも一つの「リバイバルカラー」なんでしょうねえ。
井の頭線時代にはなかったオリジナルカラーもありますが…
やっぱり色鉛筆の箱のようなカラフルさが、元井の頭線の車両としての「らしさ」だと思う。
遊び心は大事です。

  

遊び心と言えば、車内の装飾もなかなか。
ロイヤルブルーの712編成は、「クリスマストレイン」と銘打って車内をデコレーション。
ラインデリアにぶら下がるサンタクロースの人形!
都会の電車なら、中吊り広告でぎっしり埋まる天井も、地方私鉄ではそんな需要はありません。
ともすれば寂しくなる車内の雰囲気を、クリスマスの装飾が埋め尽くす。

 

サンライトイエローの714編成は、「走る水族館号」。
海なし県の群馬県、海への憧れが強い県民性なのでしょうか(笑)。
車内の天井は青に塗られ、窓には海のキャラクターをラッピング。
車内に入った時、一瞬「パ○ンコ海○語」の全面広告車輛かとw
窓に張っちゃったら車窓の景色が見えねえじゃねえかあ!と思ったのだが、
走りだしたらまるで影絵のように、窓の魚が車内の床を泳ぎだした!
これはこれで、なかなか凝った演出だなあ。

大胡駅の側線では、フェニックスレッドの713編成が休憩中。
赤城と言えば赤城乳業、「赤城しぐれ」のイチゴ味の色ですねわかりますw
沿線には高校が多く、通学利用のとても多い路線です。
「サイクルトレイン」による利用活性化を進めている上毛電鉄。
家から駅まで自転車で来て車内に自転車を持ち込み、学校の最寄り駅から高校まで自転車で通ってる子も見ました。
でも、車内に自転車ってすっごい違和感あるけどねw
「パークアンドライド」も充実してます。

上毛電車の初老の運転士。
主な仕事は電車の運転と、悪ガキのお相手らしいw
電車に自転車の子供が乗り込めば、運転台から振り向いて
「自転車の子は後ろの車両だァ~!」と叫び、
降りる際に運賃をちょろまかそうとした高校生のキセルをとっ捕まえてプチ説教し、
「100円ばっかちょろまかしてどーすんだべなあ?」って私に向かって怒ってましたw
思わず私も苦笑い。

運転台の後ろに座ってたのが悪いんですが、この運ちゃんよくしゃべりかけて来るんですよw
乗客から話しかけるのはNGでも、話しかけられるんだからしょうがない。
赤城駅では、接続の東武特急が遅れてたのにまたブチ切れですよw
「いいよいいよ、どうせ桐生行に乗り換えて来る客なんかいやしないよ!」
とか言ってまた同意を求めて来るw
そうですよね、って言ったら待たないのかよ(笑)。

(遠くに榛名を望んで@樋越~北原間)

そんなこんなで今日も上毛電鉄は走ります。
七色から一つ足して八色の夢と、悪ガキとオッサンのバトルを乗せて走りますw
後ろに榛名山を背負って走る、ミントグリーンの717編成。
銀杏の黄色を添えて。

コメント (3)
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桐生の町と渡良瀬と

2009年11月23日 00時25分11秒 | 日常

(画像:西桐生駅)

昨日は中央前橋駅を紹介しましたので、今日は上電東のターミナル・西桐生駅のご紹介。
中央前橋駅が近代的な機能美一本、と言うガラス張り吹き抜け造りなのに対して、
こちらは1928年(昭和3年)の開業当時の姿を今に残す、レトロ感いっぱいの駅。
壁のベージュの漆喰が落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
ポイントは二段に折られた屋根の造り。
一軒山小屋風のこの形は「マンサード型」と言われておりますが、
昭和の初期に建てられた鉄道の駅には多く取り入れられたデザインなんですね。
私の実家に近い小田急線の向ケ丘遊園駅の北口も未だにこの形ですが、
確かあの北口の駅舎も昭和2年の開通当初からの建物だったと記憶しております。

  

国の登録有形文化財に指定され、関東の駅100選にも選ばれた西桐生駅。
建物の中は改札口と広めの待合室になっていますが、格子窓の木組みの細かさなどに美意識を感じます。
改札周りはそのレトロなイメージを壊さないように、表示板も木製。
ホームは島式一本のシンプルなものに、シンメトリーな上屋が掛けられている。
こちらの木組みも見事な細かさですね。
駅見学をしつつ待合室でオニギリ食ってたら、一人旅のおばはんに「わたらせ渓谷鉄道はどこですか?」とか聞かれてしまった。
ジモじゃないんですけど…丁寧に教えて差し上げました(笑)。

上電の主要駅(中央前橋、大胡、赤城、西桐生)にはレンタサイクルが用意されております。
無料との事なので、せっかくだから借りてみました。
意外と古い家並みが続く桐生の街を、上電の線路沿いに。
秋の青空の下を漕ぎ出したのだが、500mくらいでモモに来たのには我ながら閉口w
運動不足ですなあ。

渡良瀬川にかかる赤岩橋より。
手前のガーター橋が上毛電鉄の渡良瀬川橋梁。
奥のトラスはJR両毛線の渡良瀬川橋梁。

♪渡良瀬橋で見る夕日を 貴方はとても好きだったわ
きれいなとこで育ったね ここに住みたいと言った
電車に揺られこの街まで 貴方は会いに来てくれたわ
私は今もあの頃を 忘れられず生きてます 
(森高千里/渡良瀬橋)

森高千里の名曲「渡良瀬橋」の舞台はもう少し下流の栃木県足利市ですが、
まあ渡良瀬川を見ると、この曲を口ずさんだりしてしまいます。
森高って「私がオバサンになっても」とか「ハエ男」とか刺激的な歌詞の曲の方が目立ってしまうのだけど、
「雨」と「渡良瀬橋」は卑怯(笑)。
最近涙腺が緩くなっているオッサンは、聞くだけで泣けるw

森高千里 [PV]渡良瀬橋

森高若けぇぇぇぇぇぇ!!!(笑)。
1993年の曲でしたか。
そら宅八郎も森高人形を冷蔵庫に入れるわな(古)。
「渡良瀬橋」のせいで森高が栃木県出身だと思っている人間は結構いるかもしれんが、熊本でしたっけね。

(渡良瀬川の河原にて@富士山下~丸山下間)

「渡良瀬橋」の主人公は、渡良瀬川をずっと見ていて風邪をひいてしまうのだが、
この日の午前中はそれなりに暖かく、自転車を漕いでいたら軽く汗ばむほどでした。
渡良瀬川に突き出す後ろの山は富士山(ふじやま)と言い、桐生市内のツツジの名所らしい。
その山の下には、上電の富士山下(ふじやました)駅がある。

自転車を止めて一休み、中央前橋行きが川を渡って行きます。

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リバーサイド・ステーション

2009年11月22日 21時30分09秒 | 日常

(画像:中央前橋駅駅舎)

上毛電鉄の起点・中央前橋駅。
地方鉄道のターミナル駅としては、結構立派な駅舎です。
上毛電鉄は前橋と桐生を結んでいますが、その西のターミナル。
でも、西の中央前橋も東の西桐生もJRの駅と繋がってないんですよねえ。
どこも苦しい地方私鉄ですが、ここが上毛電鉄の泣き所かと。
歩けない距離ではないんですけど、やっぱちょっとでも利便性が悪いと車に流れて行ってしまうのは自明の理な訳ですよ。
ただでさえ車の台数÷人口の値が一番大きい群馬県ですからなあ。
一応電車の到着に接続するコミュニティバスが、中央前橋駅~JR前橋駅を連絡してはいるみたいですが。
ちなみに駅前交差点に面した一番目立つ場所におっぱいパブがある。
これはターミナル駅の駅前の光景としていかがなものかと問い詰めたいw
思わず「毎日半額!」と言う看板の売り文句に、「素直に値下げしろ!」と突っ込んでみたり。
つーか、割と群馬ってそういうトコあけすけに思うのだがいかに(笑)。
伊勢崎とかも町の中にデカデカと風俗あったりするしなあ。
ちょっと前までは三競オート揃ってた県だからしょうがないのかなw

あ、中央前橋駅の話でしたっけねw
中央前橋駅自体は、市内を流れる広瀬川と言う川のほとりにあります。
さとう宗幸カモーンってな感じですが。
流量たっぷりとした川沿いに、くし型のホームと言うのが好ましい佇まいです。
いかにも「郊外電車の始発駅」って感じでしょう。
ちなみに右側の古いモルタルの建物が上毛電気鉄道の本社ビル。
このビルも一階に「黒い部屋」と言う凄い名前の飲み屋が入っていたりするw
今はうらぶれてはいますが、昔は華のある町だったのでしょうね。中央前橋駅界隈。



あ、接頭語として「夜の」とか「黒い」とか付けたりすると一気に胡散臭くなるのは何故なんだろう(笑)。
例えば、「チョコレート」から連想されるのは「甘さ」かもしれませんが、
「夜のチョコレート」と言われたら私は「東尾?」と連想してしまうw
いや、「黒いチョコレート」と言われても「東尾?」なんだけどw
ちなみにこれは学会では山口百恵効果と言われているそうです。
民明書房に書いてありました。

まあそんなくだらない話をよそに、西桐生行きが発車していきます。
渋谷と吉祥寺を結んでいた、オシャレな町のリレーランナー。
元・京王井の頭線の1000系が、デハ700型として上州の地で第二の舞台。
七色カラフルな配色も健在ですよ。

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