今年の仕事は既に納めの方も多いかと思われます。
皆様、お疲れさんでした(笑)。
さて、年末年始を前にして、このレポはやっつけられるのかw
●鉄都・新津
新津駅は、前述の通り東から羽越本線、北と西から信越本線、南から磐越西線が交わる駅なので、ホームのベンチに座っているだけで四方八方から色々な列車がやって来る。漠然と「新潟まで行ってビジホでも泊まるか」なんて考えていたのだが、今回は思いっ切り鉄道を満喫する旅。あえて新潟まで行かず、ここ「鉄都・新津」で泊まるのも悪くないと思い、磐越西線の
ホームから見えた駅前のビジネスホテル
「ホテル美好」へ投宿する事にするw
外壁のモルタルのくすみっぷりに北国の地方都市の場末感をヒシヒシと感じるのであるが、ロマンスグレーでやたらダンディーな支配人(この人以外見なかったけどw)にお出迎えされ通された部屋の窓からは新津駅の駅舎が見える。新津駅から徒歩一分。
部屋に荷物をぶち込み、カメラと三脚を持って新津駅に戻る。これが
JR新津駅の正面口。広い構内を南北に通過する自由通路を持つ橋上駅。改築されて間がないのか結構立派だが、駅前にはヤマザキデイリーストアしかない(笑)。
駅前通りはまっすぐ旧・新津の繁華街へ続いているが、雪国らしい雁木作りのアーケード、駅前の色は灰色が目立つ見事なシャッター通り。貸し金の看板と、パチ屋のはがれかけの塗装が夕日に照らされて、まさに斜陽差すと言った感じだ。まあ、どこも地方都市はこんなもんなんだろうけど…市街で一番元気なのが
会社更生法を適用されて再建中の長崎屋と言うのがこの街の現状と昭和っぽさをより一層引き立てているような気がするな(笑)。♪サンバード~サンバード、長崎屋のサンバード。
とりあえず駅に戻って、こっそりと三脚を立てて撮り鉄w
まずは
特急北越8号金沢行き。国鉄タイプの485系。カラーリングは信越色に準じてますね。所属は新潟車両センター、旧上沼垂(かみぬったり)運転区と言えば国鉄時代は「特急とき」を担当する北陸の名門運転区。
新発田から到着したE127系は信越地区の直流型近郊電車。最近JRも近郊区間の置き換えを進めているので、こんな感じのどこでも見れるような車両が増えました。東北の701系とか。
駅の橋上通路から
新津運輸区を。新潟支社管内の気動車は、全てここ新津運輸区に所属。左側に停泊しているのがもはや風前の灯となったキハ52、羽越線の酒田までと米坂線・磐越西線を担当しています。その中でも
キハ52 122は国鉄カラーで走行中。今日は米沢→坂町→新津のサボを着けていました。運用は
キハ40+キハ52+キハ47で、混成カラーの見事な三色ダンゴ。キハ52が先頭に立ってないのが惜しまれるなあ(ヲタの言い分)。羽越本線は全線電化されてるんだけど、村上の先で直流と交流が切り替わる関係上、この区間を通る普通列車には気動車が入ってます。製造費用の掛かる交直流電車を投入してペイするほどの乗客は見込めないからかな。そんな訳で、新津の気動車は案外元気です。
駅の中を歩きながら撮り鉄を続けていると、太陽はさらに西に傾いて橋上通路を
夕日に染める、鉄都の夕焼け。
●新津のもう一つの顔
新津市は鉄道の街としてだけでなく、明治から大正にかけては新潟油田の中心地として新津油田は日本一の産出量を誇っており、1996年までその採掘を続けていた。石油王と言われた中野貫一が開発した新津油田は隆盛を極め、新津石油は後の昭和石油となり、現在の昭和シェル石油となったそーな。
新津市内には「草水」と書いて
「くそうず」と読む地名があるのだが、これは「臭い水」=「石油」が語源。日本海側では秋田から新潟にかけて「草水」「草生津」などの石油由来の地名が見られるみたいですね。市内にはボーリングを始めとする工事業者が多く、鎮守様のお名前も
「掘出神社」。そのまんまやな(笑)。日本書紀にすら「越の国より燃える水が送られた」と言う記述があるくらいの歴史を持つ「石油」が、新津のもう一つの顔でもあります。
で、何でそんな長々と話をしたかと言うと、一旦三脚を畳んで向かったのが長崎屋の裏にある
新津温泉。ここは石油のさく井を行おうとボーリングをかけたら出て来たのは天然ガスと温泉だったと言う、油田開発の副産物(近辺の瀬波とか月岡とかもそうなんだけど)とも言えるシロモノであります。と言う訳でここのお湯は異常にガソリンくさい、と言うかガソリンそのものwセルフのスタンドでうっかりこぼして手についちゃったガソリンの匂いを嗅ぐのがわりかし嫌いではない私には麻薬のような匂いである(笑)。肌触りはとにかくぬるぬるして入るとテカテカ&オイリーと一発で誰でも松崎しげる。このオイリーな感じがお肌にいいようで、アトピーなどの皮膚疾患にはかなりの効能があるらしい。
施設のボロっちさと相俟って非常にマニアには面白い施設なので、新津に行った際には訪れてみてはいかがでしょうか。ヤンキーもシンナー吸うくらいなら、ここでガソリンの匂いでも嗅いどけ。揮発油なら合法だし(違)。
ちなみに小判型の小さい湯船はいつも常連のジジイに占拠されているが、私のような「若けえの」は大モテで、湯船の中でオイリーさに磨きをかける越後オヤジに尋問されまくるのでありました(笑)。
●バルブしてみよ~
ガソリン臭を振りまきながら、駅に戻るとすっかり夜。こっからは夜間なのでバルブ撮影行ってみよ~。タイミング的にも下りのSL「ばんえつクリスマストレイン」が到着する頃だ。日本の交直両用機関車として今でも日本海縦貫線を席巻する言わばエース的存在の
EF81 151が側線で休んでいる。この機関車は新潟まで走るC57を、ねぐらであるこの新津まで回送する補機として待機中の様子。放送が入り、SLは途中の津川駅で12分遅れと言う事で
磐越西線のキハ47馬下行きなどをバルブで撮っていると、ニワカに三脚を持ってヲタ同士がホームを走り始めた(笑)。どうやらSLの到着のようです。
集まったヲタは自分を含めて10名程度で、怒号こそ飛び交う事はないが連中の各自アングルを決める慌しくも素早い動きと、画角を確保するために前方の人を排除するその傍若無人さと、何だか興奮してるのかデカい声でヲタ用語を連発する様はさすがとしか言いようがないwつか、何でヲタってヲタ話をする時あんな無駄に声でかいんだろ。み~んな高そうな機材を持ってて熱の入れようも違うのだろうが、さすが撮り鉄の中でも高みに上り詰めたヲタの醸し出す独特なオーラに私はドン引きしてしまいましたwそれでも隅っこのほうでち~いさくなりながらやっこらしょうと三脚を立てさせてもらって、撮影はさしてもらいましたけどね。
ばんえつクリスマストレイン ナイトバージョンその1
ばんえつクリスマストレイン ナイトバージョンその2
出発と同時に大きく蒸気を溜め込んで、C57が吼える。
リアルに鼓膜をビリビリと震わせるような大きな大きな大きな長い汽笛が鉄都の夜にこだまして、白いブロワーを線路に吐き付けながらガッシュン、ガッシュンとシリンダと動輪を回し始める。切なくなるような音色だ。哀愁を帯びていると言うか、人間の琴線に触れて来るような音だと思います。感情移入する人が多いのも分かるような気が…
C57は遅れを出しているせいか停車時間が予定時刻より少なく、彼らにはそれが不満だったみたいですが。
てか、このシーンを見た人間の脳内には絶対ささきいさおが降臨して、絶対BGMとして
「銀河鉄道999」を絶唱すると思われw
続く。