青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

稲村逍遥

2020年07月31日 23時00分00秒 | 江ノ電

(村の鎮守の・・・@稲村ヶ崎駅界隈)

稲村ヶ崎駅の近く、線路を眺める村の鎮守様。小さいながらも由緒のありそうな赤い鳥居が、静かに江ノ電を見守っています。稲村ヶ崎の駅周辺は、七里ヶ浜の海岸の喧騒からは少し離れた古くからの住宅街。駅の周りには小さいながら商店街が形成されていて、それこそ古くからの鎌倉の住民が普段使いに買い物をするような、そんな街並みが続いていました。しかしながら、商売をする人の高齢化も進んでいるのか、前に開いていた店もシャッターを閉じていたり、ぽつりぽつりと街の縮小が始まっているような印象を受けたりもします。さしたる商店もなく繁華街からも遠く、斜面地ばかりの入り組んだ坂道の路地の奥に、階段で登って行く家が多い稲村ガ崎周辺の住環境というものは、歳を取るまで住んでいくにはなかなか厳しいものがあるのかも。

そんな稲村ヶ崎の駅周辺ですが、古民家を活用した新しい商売もちらほら。稲村ヶ崎に限らず、江ノ電の沿線は観光客を相手にしたランチ中心の古民家カフェ、みたいな商売は結構目立ちますね。その中でも、極楽寺へ続く路地の踏切沿いにあるこのお店は、いつもお客さんで賑わいを見せています。やっぱり、江ノ電がお店のカウンターやテラスのまん前を通過するロケーションというものは、それだけで非日常的な空間という事でアピール度合いが高いのでしょうね。和定食を中心としたお店という事で、道から眺めるお品書き。お値段を見れば、それはそれはの鎌倉値段、普段使いするにはちょいとお高いのかな(笑)。魚を焼く香ばしい香りが、路地に流れます。

 

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夏を諦め・・・たくはないが

2020年07月29日 23時00分00秒 | 江ノ電

(極楽寺坂越え行けば@稲村ケ崎~極楽寺間)

登山電車も無事に運転再開されて、ちょっと一息。相変わらず県外へ遠征・・・みたいな事がやりにくい今日この頃ですが、ちょっと被写体替えという事で江ノ電を撮影して来ました。古都・鎌倉は、前を相模湾、他の三方を山に囲まれた天然の要塞。稲村ケ崎から極楽寺にかけては、海のイメージが強い江ノ電の中ではひときわ山深い雰囲気。江ノ電は稲村ケ崎から極楽寺に向かって山を詰め、極楽寺の駅の先で「極楽洞」というトンネルを穿ち、長谷へ抜けて行きます。

江ノ電のスターと言えば、何と言っても305-355のコンビ。江ノ電界隈に繰り出すと、まずこの編成がどこにいるか、鎌倉側にくっついてるか藤沢側にくっついてるかを探すのですけど、来ないなあなんて思ってたらこの日は極楽寺の車庫で寝てた(笑)。まあ、江ノ電の撮影ってのはどうしても300形に引きずられるから、いなきゃいないでいつも撮らないようなアングルにチャレンジ出来る気楽さがあっていいのかもしれない。

それにしてもの長梅雨。この極楽寺の高台アングルも、日差しが入って海が青く輝けばまた違った見え方になったはずなのだが。梅雨に入ってはや45日、今度は東北地方でも被害が出てしまいましたね。食卓を飾る野菜も日照不足と長雨が祟って、特に根菜類の高さにはヨメさんが悲鳴を上げていた。コロナ、長梅雨、日照不足。夏は諦めろ、と地球が言っているように思えてくる。それは自らの行動のツケなのかもしれないが。

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函嶺走駆

2020年07月27日 17時00分00秒 | 箱根登山鉄道

(風を感じて@出山信号場~大平台駅間)

雨に彩られた四連休、瑞々しく水分を吸い込んだ山霧むせぶ函嶺の森を縫うように走る登山電車。伝統のオレンジバーミリオンの車体が雨に濡れて、山の翠と見事なまでのマリアージュを見せてくれました。ツリカケの音は消えてしまいましたが、あのフルートのような独特の高いフランジの音とモーター音のアンサンブルに酔いしれるのも、窓の開くモハ1モハ2の醍醐味。

それにしてもよく降る雨である。気象の専門家の話では、関東の梅雨明けは8月4日以降になるらしい。7日の立秋を過ぎてしまえば、「梅雨明け」としては公式に記録されないそうで。本当ならば開け放した窓から入って来る山の嵐気を大きく吸い込みたいところでありますが、マスクをせずに箱根の空気を吸える日が、早く来ることを願ってやみません。

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この世の処方箋

2020年07月25日 17時00分00秒 | 小湊鐡道

(カンナも乾く旱天に@上総中野駅)

さて、しつこいのは新型コロナばかりでなく、今年の梅雨もなかなかしつこく明けてくれません。7月上旬の九州豪雨が梅雨末期の典型的な豪雨かと思いきや、早くも7月も終わろうとしているのに毎日毎日曇天か雨ばかり。例年の猛暑と比べれば気温も上がらず 過ごしやすいですが、こうも雨続きだと朝っぱらからセミが喧しく鳴き、油照りするような日差しが焚き付けるように注ぐ日が恋しくなったりする。まあ暑くなったらなったで「暑いんだよッ!」って叫んでブチ切れるのでしょうが・・・という事で、去年の夏にお盆休みのおヒマ時にぶらりと訪れた小湊鐡道での一枚を。植込みのカンナも、強い晩夏の日差しに照らされて乾き気味。そーいやコロナ禍の中で小湊は只見線のキハ40を買ったなんてネタもありましたね。整備や諸条件あって本格稼働はまだ先のようですけど、仙台色そのまんまで動かしたらそれはそれでまた盛り上がるのだろうなあ。

さて、四連休ですが皆さんどこかにお出かけはされましたでしょうか。一人で暮らしていればどこへ行こうと一人の判断になりますけども、家族がいると旅行するにも外食するにも感染に対する家族内のリスク評価が一致せず、結局「じゃあ何もしない方がいいね」という結論になってしまう傾向はありますよね。そうなると、自己判断が基本線になるソーシャルディスタンスの取れてる生き方(家族を持たない、他人に干渉しない、モノに執着しない)はこの時代単純明快で強いような気がします。それじゃあ寂しいじゃないか、という人間は、人間の和と連帯と繋がりに乗っかって蔓延するウイルスに絡め取られるか、ウイルスの恐怖に猜疑心満載となってしまった人間に後ろ指を差されて社会的に死ぬか。なんにせよこの時代は極めて生きにくい。

生きていく中での持ち物が多ければ多いほど、失うリスクに晒されるのがこの時代。「持たざるが勝ち」と言うのが、異常気象と災害と疫病が蔓延し、人心が疲弊して攻撃的となる令和の御世の新たな処方箋なのかもしれません。何分にも身軽が一番という事なのでしょう。

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その先へ、光の方へ

2020年07月23日 22時00分00秒 | 箱根登山鉄道

(お待たせしました@彫刻の森駅)

箱根登山鉄道が再開、9カ月ぶり昨年の台風19号で被災(gooニュース)

本日7月23日の始発から、箱根登山鉄道が全線で運転を再開しました。台風19号被害から約9ヶ月、懸命の復旧が結実した瞬間でもあります。平成23年以降の箱根は、大涌谷付近の群発地震や平成25年の大涌谷の小噴火による火山警戒レベルの度重なる引き上げ、そして台風19号による大雨災害と今までなかったレベルの未曽有の災難が続いていました。そして追い打ちをかけるように襲い掛かった世界的なコロナ禍。全国的な観光需要の喪失と、インバウンド需要の途絶によって、観光産業の景況感は最悪を超えた状況となっていますが、登山電車の復旧は、そんな箱根に久々に届いた明るい話題と言えます。

5月の試運転からその動向を追い掛けていた登山電車の晴れの舞台ですし、今朝の全線運転再開の場に立ち会いたい、という気がない訳でもなかったんですが、どうにも新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されるこの状況で、やれGoToキャンペーンだ四連休だと浮かれ気分で箱根に行く気にはなり切れませんでした。まあぼちぼち行こうと思うけど、わざわざ密になりやすい初日に行く事もあるまい・・・と朝寝を決め込んで、昼のニュースで運転再開の映像を眺めていました。つか、最近平日の仕事が激務過ぎて朝早く起きる気力がなかったというのもある(笑)。

ともあれ、止まっていた時を動かす箱根登山鉄道の新たな船出の日。
復旧に関わった全ての方々の奮闘努力に敬意を表すとともに、その指差す先に光のあらんことを。

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