(写真:お目覚めの私をお迎えの上り列車 巴川駅にて)
きっちり1時間爆睡しちゃったよ(笑)。
最後。
初冬の日差しは西に傾いて、かすかに夕暮れの気配を漂わせる枯れ草の中の巴川駅を後に列車は一路石岡を目指す。
ポツリポツリと小さな駅から乗客が乗って来る。
それは手に荷物を一杯に持った友人を見送るおっちゃんであったり、娘を見送るバアさんだったり、ガキンチョだったりする訳であるが、運転席の後ろの一つのドアしか開かないワンマンカーの扉越しに、それぞれのお別れの挨拶が交わされる。
運ちゃんも心得たもので、きちっと挨拶が済んでからドアを閉める。相変わらず泣き叫ぶようなエンジン音を上げながら、ゆっくりとそれぞれの里の駅を離れて行くのであった。
昼にも増して茫洋とした感じの霞ヶ浦のほとりを、タタタン、タタタンとリズミカルな上下動と共に走る列車。噛めば噛むほど、何もない中の味わいに何となく去りがたい思いに駆られ、常陸小川駅でまたも途中下車してみた。ここからは石岡方面への本数も増えるので、先ほどのように時間をもてあます事もなさそうだ。しかし、降りたのは私一人であった。
駅前は鉾田駅同様、広場にタクシーが2台。降りてくる客を当てにもしていないように運ちゃんは昼寝の真っ最中…
鉾田の駅とは違い、駅前には1軒の小さな洋菓子屋さんがあって、地元の生活の匂いがする。ちょっと興味が湧いてガラガラと引き戸を開けると、意外にもショーケースには溢れんばかりのお菓子が並べられているのであった。「この店の名物だ」と店主のおばちゃんの言うバナナクレープを2個買ってみた。
駅の待合室で包みを広げて食べてみる。大きなバナナがドカンと入ったクレープは、クリームが少なく少々バランスが悪いなあと思ったのだけど、その分甘くなくて食べやすかった。
石岡からの折り返し列車が到着して、自転車に乗った少年が降りてくる。
何とかして鉄道を利用してもらおうと、このようなサイクル&トレイン(車内への自転車の持ち込みOK)、持ち込みはしないけど駅からサイクリングしたい人には自転車を無料貸し出しし、突然の雨には傘を貸し出し、車で駅までやって来て、そっから出掛けたい人のために無料駐車場まで用意して、鹿島鉄道としては利用の促進を図っている。はっきり言ってお金のかかっていないサービスなのだけれども、そういう細かいところなら何でもやりますよ!って感じの姿勢がかえっていじましいと言うか何と言うか…
しかし、そんな細かい努力が歯が立たないほどやはり経営は厳しいようだ。3期連続で目標の収支にも届かず赤字が続き、何とか県からの援助を受けながら運行しているのが正直なところなのだとか。
地方はいまや完全に車社会。街を迂回するバイパス沿いに新しい大型店が続々と出来て、駅周辺は古いまま取り残される事が多い。私もたまに地方へ鉄道で出かけると、駅前なのに食事に難儀した経験も何度となくある。
特に経営基盤の脆弱な地方鉄道に関しては輸送需要の落ち込みは著しく、車を使えない高齢者と沿線の通学客を主力に細々とやるしかない、というのが現状なのだろう。特に鹿島鉄道の場合は、収益に寄与していた沿線の自衛隊基地(百里基地)へのジェット燃料の貨物輸送が廃止されてしまった事も痛かったのだとか…
常陸小川の駅の構内には、在りし日にはその貨物列車の先頭に立っていたであろう機関車(DD901号)が留置されている。もう動く事はないらしいが。
上りホームの待合室に、存続を願う沿線の高校生が書いたヘタウマな「それいけ!かしてつ」の激励文を横目に、折り返しの列車で石岡へ。
列車の最後尾から「気動車でGo!」って感じで撮ってみました(動画)
沿線住民でもない私には、こうやって気まぐれで乗ってやる事くらいしか出来ないのだが…
ガンバレ、かしてつ。
結構楽しかったよ。
きっちり1時間爆睡しちゃったよ(笑)。
最後。
初冬の日差しは西に傾いて、かすかに夕暮れの気配を漂わせる枯れ草の中の巴川駅を後に列車は一路石岡を目指す。
ポツリポツリと小さな駅から乗客が乗って来る。
それは手に荷物を一杯に持った友人を見送るおっちゃんであったり、娘を見送るバアさんだったり、ガキンチョだったりする訳であるが、運転席の後ろの一つのドアしか開かないワンマンカーの扉越しに、それぞれのお別れの挨拶が交わされる。
運ちゃんも心得たもので、きちっと挨拶が済んでからドアを閉める。相変わらず泣き叫ぶようなエンジン音を上げながら、ゆっくりとそれぞれの里の駅を離れて行くのであった。
昼にも増して茫洋とした感じの霞ヶ浦のほとりを、タタタン、タタタンとリズミカルな上下動と共に走る列車。噛めば噛むほど、何もない中の味わいに何となく去りがたい思いに駆られ、常陸小川駅でまたも途中下車してみた。ここからは石岡方面への本数も増えるので、先ほどのように時間をもてあます事もなさそうだ。しかし、降りたのは私一人であった。
駅前は鉾田駅同様、広場にタクシーが2台。降りてくる客を当てにもしていないように運ちゃんは昼寝の真っ最中…
鉾田の駅とは違い、駅前には1軒の小さな洋菓子屋さんがあって、地元の生活の匂いがする。ちょっと興味が湧いてガラガラと引き戸を開けると、意外にもショーケースには溢れんばかりのお菓子が並べられているのであった。「この店の名物だ」と店主のおばちゃんの言うバナナクレープを2個買ってみた。
駅の待合室で包みを広げて食べてみる。大きなバナナがドカンと入ったクレープは、クリームが少なく少々バランスが悪いなあと思ったのだけど、その分甘くなくて食べやすかった。
石岡からの折り返し列車が到着して、自転車に乗った少年が降りてくる。
何とかして鉄道を利用してもらおうと、このようなサイクル&トレイン(車内への自転車の持ち込みOK)、持ち込みはしないけど駅からサイクリングしたい人には自転車を無料貸し出しし、突然の雨には傘を貸し出し、車で駅までやって来て、そっから出掛けたい人のために無料駐車場まで用意して、鹿島鉄道としては利用の促進を図っている。はっきり言ってお金のかかっていないサービスなのだけれども、そういう細かいところなら何でもやりますよ!って感じの姿勢がかえっていじましいと言うか何と言うか…
しかし、そんな細かい努力が歯が立たないほどやはり経営は厳しいようだ。3期連続で目標の収支にも届かず赤字が続き、何とか県からの援助を受けながら運行しているのが正直なところなのだとか。
地方はいまや完全に車社会。街を迂回するバイパス沿いに新しい大型店が続々と出来て、駅周辺は古いまま取り残される事が多い。私もたまに地方へ鉄道で出かけると、駅前なのに食事に難儀した経験も何度となくある。
特に経営基盤の脆弱な地方鉄道に関しては輸送需要の落ち込みは著しく、車を使えない高齢者と沿線の通学客を主力に細々とやるしかない、というのが現状なのだろう。特に鹿島鉄道の場合は、収益に寄与していた沿線の自衛隊基地(百里基地)へのジェット燃料の貨物輸送が廃止されてしまった事も痛かったのだとか…
常陸小川の駅の構内には、在りし日にはその貨物列車の先頭に立っていたであろう機関車(DD901号)が留置されている。もう動く事はないらしいが。
上りホームの待合室に、存続を願う沿線の高校生が書いたヘタウマな「それいけ!かしてつ」の激励文を横目に、折り返しの列車で石岡へ。
列車の最後尾から「気動車でGo!」って感じで撮ってみました(動画)
沿線住民でもない私には、こうやって気まぐれで乗ってやる事くらいしか出来ないのだが…
ガンバレ、かしてつ。
結構楽しかったよ。