(終列車@川根両国駅)
川根小山の駅で撮影した最終列車が、両国の駅へゆっくりと滑り込んできました。朝方に比べれば、駅舎脇の桜もだいぶ咲き進んだような気がしますね。すっかり夕暮れ模様の両国の駅、208レが業務用の作業袋を両国駅の職員に渡します。後部車両からは、途中駅の勤務に従事していた駅員さんと思われる方々が下車して、両国乗務区に戻って行きました。最終の208レは、井川線各駅の退勤用の列車としても機能しているようです。
所定の引継ぎを終えて、両国の駅を出発する208レ。機関士氏は、後は千頭まで約5分の旅路。千頭まで走ったら、編成を両国まで回送するのかな?翌日の始発列車に備えて、面倒だからそのまま留置になるのだろうか。鉄道マン同士のあいさつというシーン、いつものいつも通りの所作でしかないのだろうけど、長年に亘って染み込んだ身のこなしにはこちらも背筋が整うような、鉄道従事者に共通する規律の重みのようなものが感じられて好きです。
春の大井川の桜旅のフィナーレを飾るように、さくらカンのDDが両国の駅を出発して行きます。春の両国は桜、夏の両国は緑とサルスベリ、秋の両国は桜の紅葉、そして冬の両国は・・・何だろう?(笑)。そう言えば私が大井川を訪問した一週間後、4月の半ばで井川付近では大雪に見舞われたらしい。井川はあれで静岡市内なのだから恐れ入るよな。まあ静岡市の面積が広すぎるだけなんだけどさ。南アルプスの北の方で長野県の飯田市とか伊那市とかとも繋がっているのが静岡市。デカすぎる。雪の井川線も撮影してみたいけど、追っ掛けやるにも周辺道路が大変かもしれない。
桜の時期の大井川。初めての訪問となりましたが、電車・SL・EL・DLとさまざまなバリエーションの鉄道車両と絡めて春爛漫の景色を切り取れることの何と贅沢な事よ。という事でしょうかね。これは大井川鐵道じゃないと出来ないよね。あとは気動車がないくらいでさ。個人的には、家山の周りの桜も良かったけど、川根小山の桜ですかね~。桜並木というよりは、一本桜の孤高な感じに惹かれてしまいました。最初は、本線の桜(家山とか駿河徳山とか)を撮影する気分で来たはずの大井川でしたが、思った以上に井川線の比重が高くなってしまったのは、潜在的に井川線が好きな自分の気持ちを抑え切れなかったのかもしれません(笑)。
最後に、家山の街から山へ2~3km程度入って行ったところにある「牛代(うしんしろ)の水目桜」をご紹介して、この旅のフィナーレといたしましょうか。樹齢300~400年、江戸時代からこの地に佇んでいるエドヒガンの古木で、茶畑と山々に囲まれた小高い丘に、この時期ひときわ大きな花を結びます。大井川鐵道の撮影の合間に足を伸ばしてみたんだけど、たまにはこういうネイチャー系の写真もいいもんだ。