青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

週末の切り替え力

2009年09月28日 22時22分46秒 | 日常

(画像:光矢が時)

特にネタはありませんので、先日の茨城訪問時の帰りがけで撮影した一枚を。
以前撮影した鹿島線の北浦橋梁。
気まぐれで立ち寄ったんだけど、日没後だったんで「どーせなんも映らんでしょ」と広角付けてちょいバルブ気味に切ってみたら、なんとも不思議な色を結んでくれました。

さて、シルバーウィーク終わって若干目標を見失った感もありますが、また10月に三連休あるんだよなあ。そろそろ撮りものは紅葉をどこで狙うか?と言うシーズンに移って来ておりまして、いそいそと次なる獲物をどうするか考えたりしている。結局、長生きの秘訣は週末のロマンを月曜日に始めてしまう事のようです(笑)。
このブログを見ている某氏に言わせると、私は本当に「週末の切り替え力」がある人らしい。何だ切り替え力って(笑)。まあ自慢じゃないが休みの日に仕事の事なんか全く考えないのは事実なんだけど。だって考えたってしょうがないじゃんw

休みの日にどっぷりやりたい事をやれるのは幸せな事のようです。
金曜日の夜、会社の通用口のドアを閉めた瞬間、スイッチは切り替わる。
みんな、切り替え力持ってる?

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神道滅却すれば人混みもまた涼し ~伊勢志摩の旅三日目~

2009年09月25日 23時26分14秒 | 日常

(画像:プラントタイヨオー)

二日間に亘ってお送りした三重のいいとこキレイどこ。
打って変って、今日の朝日は工業地帯の片隅から。
モグタンここはどこ?四日市市は塩浜駅前の路地だよ!ってなもんでして。
何でそんなとこから撮ってんだって感じも致しますが…
化学プラントの工場の向こうから昇る太陽。
まあ、これも三重って事で。
ほんのりと工場のケミカル臭が漂う朝です。

塩浜駅に隣接するヤード。
工業地帯の石油コンビナートから、ガソリン燃料を運搬するタンク車が並んでいる。
通称「タキ車」と呼ばれる緑色の貨車。
トラック輸送に押される鉄道貨物事業も、ガソリンなどの大量輸送には未だ優位性を発揮しております。
特にコンビナートから離れた長野県や群馬県には、大事な生命線なんですよね。
四日市のコンビナートでガソリンを満載した貨車はここ塩浜駅に集められ、
長野県の南松本駅まで運ばれて行きます。
平日は何本もの陸のタンカーが燃料を運んでいるのですね。
牽引するは、国鉄が誇るディーゼル機関車DD51。
一台くらいいるかな?と思ったのだが、いませんでしたねえ。

あさめし。
ホテルのレストランでバイキングでした。
伊勢うどんとうなぎのまむし丼。
ふやふやのコシのないうどんにドロッとした甘いたまり醤油。
うどんという食い物のキモである「コシ」と言う概念を全く無視した食い物だ(笑)。
讃岐の人が食ったら茶碗ひっくり返して三重県人を公開説教しかねないと思うw
まむし丼は、うなぎのかば焼きを切り込んでご飯に混ぜたもの。
名古屋の「ひつまぶし」に近い、関西ではよく見られる食い方です。

最終日のドライブのスタートは青山高原。
「久居榊原風力発電施設」と言う大規模風車群が、高原の上に建つ。
帰りも鳥羽から伊良湖までフェリーなんですが、
それを考えると津と言う場所は宿泊地の選択として若干ルート外。
本当は伊勢とか松阪辺りが良かったんだけど、空いてなかったのよね。
と言う訳で津から再び伊勢方面へ戻る事になります。

津から30分くらいで行ける高原ワインディング。
お手軽なせいか、結構ツーリングの人なんかもおりましたね。
風車の発電力ってのはどんなもんでしょうか。

青山高原を降り、R165~r15~r58~r24経由で松阪市へ。
せっかく名松線沿いに走ってやったのに、一本も列車来なかったぞゴルァ!
松阪は、和田金祭の時以来ですなあ…
あの時はホント肉一本で集中してましたけど、街並みを歩いてみれば武家屋敷風で情緒がありますね。
本居宣長とかが生まれたんでしたっけ。

で、やっぱ松阪に来たとなれば牛食って帰らないと話にならない訳でw
松阪牛の名店と言えば、やっぱ最高峰は和田金なんでしょうが、
人気実力を二分するのがこの「牛銀」。
松阪牛の両巨頭として君臨する「金と銀」を制覇してみようという訳で。
シルバーウィークですから(笑)。



松坂牛の有名店ですから、御座敷に上がって仲居さんが付いたら「御一人様壱萬円」は確定w
旅費的にここでさらに牛ヘ向かってキジ二羽飛ばすのも厳しいものが(笑)。
ただし、御座敷の隣にある別棟ならリーズナブルに松坂牛を食べる事が出来る。
お昼の松坂牛すき焼きランチメニュー参千円也。

「松坂牛」と一口に言っても、等級によりその味も価格も違います。
もちろんここの肉も、普段食ってる牛肉なんかよりはるかに美味しいA1級の肉。
脂身の美味いのはさすがだなあなんて思うのだけど、
比べるのは申し訳ないが、改めて和田金で食った肉はSG級でしたなあw
松井繁と岩井繁くらい違う(笑)。
罪な味よのう。和田金。

 

牛に曳かれて…ではないが、最後はお伊勢さん。
松阪ICから伊勢西ICまでスイーッとアクセスしようとしたのだが、
伊勢西ICから伊勢道10km渋滞w
伊勢神宮ってそんなに人気のスポットだったのか???
素早く玉城ICで伊勢道を捨て、r169~r22~伊勢道に並行する市道を駆使しr32へ。
だいぶショートカット出来たのだが、それでも駐車場まで30分、止めるのに30分とあまりの混雑ぶりに閉口。

伊勢神宮の門前町である「おはらい町」。
風情ある街並みが再現されており、郵便局ですらこの有様w
土産物屋、飲食店などが立ち並ぶメインストリート。
「伊勢のお蔭参り」として大衆が集うようになったのは江戸時代くらいかららしいですが、
結局神社仏閣への漠然とした信仰を隠れ蓑に、昔から大衆は遊興を行っているのですね。

まあそれにしてもすごい人だ。
聞けば、シルバーウィーク@東海地区最高の人出は伊勢神宮だったらしい(笑)。
ナガシマスパーランドとか犬山モンキーパークとかもっと頑張れよ!!

  

ほうほうの体でおはらい町を抜け出し、ようやく内宮の入り口。
五十鈴川に架かる宇治橋は、20年に一度の式年遷宮のため掛け替え中。
11月に渡り初めの儀式が行われるらしい。
架橋中の宇治橋、工事に関する注意が掲示してあったのだが、工事関係者は土足厳禁らしい。
さすが神橋だ(笑)。

 

伊勢神宮、以前一回初詣に来た事あったんですが、
他の神社仏閣と違って、本殿と言う感じの本殿がないんですね。
一応「皇大神宮」と言うものが本殿に当たるのですが、
その規模と言えば、出雲大社とか日光東照宮とか、その他の有名どころと比べると、極めて質素で慎ましい。
この場所を伊勢神宮、伊勢神宮と人は言いますが、正式名称は「神宮」。
日本の神道の総本山ですから、比類なき位置にある事は疑いないのだが、
豪華絢爛、と言う訳ではなく、邪馬台国の「ムラ」のような佇まいが印象的。
本当に太古の時代から、政治が祀り事であった時代からの綿々たる歴史を感じさせます。

本殿の前まで並ばされて30分。
無事に参拝終了。
ちょっとさすがに人混みに負けそうになったw
赤福買って、とっとと帰るべ。

伊勢市内方面は混雑しているので、r37を利用して鳥羽へショートカット。
あ、r37のR23朝熊入口からしばらくは鬼のように狭いんで、ハギーさん気を付けて下さいw
夕暮れの鳥羽港、空にきれいなイワシ雲。
本当に天気に恵まれた三日間だった。

シルバーウィークも三日目、そろそろUターン組も出る頃合いか。
夕方の混雑時間帯であった事もあり、さすがに一便待たされる。
フェリー乗り場の待合室で一服しながら夕風に当たっていると、17:40発の伊良湖港行き鳥羽丸が接岸。

さあ、帰ろう。

夕暮れ迫る鳥羽港に、係員の出発を告げるアナウンスが流れる。
もやいを解いて船がゆっくりと岸壁を離れると、
鳥羽の街の上はすっかり茜の空だった。

流れ雲 染まり潮の香 漂いて
さらば伊勢志摩 美し海よ

伊勢志摩の海のきれいな事、これが一番印象に残ったかなあ。
自分は未だに沖縄には行った事ないですが、
伊勢志摩の「美ら海」も素晴らしいものがありましたよ。

出来立ての柔らかい赤福を鳥羽丸のデッキで食べながら思いました。
ハギーさん、いいとこ住んでるねw

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陸の孤島に穿つ道 ~伊勢志摩の旅二日目②~

2009年09月24日 08時00分00秒 | 日常

(画像:トンカツ定食)

道の駅「紀伊長島マンボウ」にて。
中の食堂に入ったんだけど、海鮮系には全く食指が動きませんでねえ…
尾鷲のさんま寿司とか、普通だったら食ってたんだろうけどねえ…
結局トンカツ定食なんかを頼んでしまった(笑)。
あ、ヨメさんは唐揚げ定食w
一応、ご飯のコメは三重県は阿山町の「阿山米」らしいので、ご当地グルメです(笑)。
中濃ソースじゃぶじゃぶのトンカツウマー。

 

寄り道を続けていたら時間が押してしまった。
腹も減っていたので先を急ぐ。
本来であればR260最高の見どころであった旧道棚橋隧道に行きたかったのだが、
新道から2kmくらい進んだ地点から落石と落葉枝がひどく、路面が荒れ放題だったため撤退。
このまま自然に還ってしまうのでしょうかねえ。
大人しく紀勢南島トンネルで錦に出て、大人しく旧紀伊長島町(現紀北町)へ。
R42との交点でR260めでたく完走。道の駅「紀伊長島マンボウ」で昼食&お土産。

紀伊長島は、熊野灘に面した東紀州の港町。
漁業が盛んですが、造船所なんかもありました。
写真は長島港の入り口にある江の浦橋。
奥の造船所から出て来る船を通すために、可動橋になっています。

道の駅から眺める荷坂峠。
紀州と伊勢を隔てる、交通の難所でした。
この山にある荷坂峠とツヅラト峠は、熊野古道の一部となってもいます。

 

R42荷坂峠にある「マンボウの丘」。
古くは熊野詣での旅人が、初めて見る紀州の海がここからの風景だったと言います。
海から僅かの距離で、これだけの深い山に囲まれてしまう東紀州路。
交通の隔絶した、陸の孤島だったのも頷ける話ですね。
R42荷坂峠は、今でもちょっと雨が強くなると通行止めになったりするそうなので…
そんな紀伊長島にも、平成24年には隣の紀勢大内山ICから東紀州道が伸びて来るらしい。
東紀州の新たな夜明けである。

紀伊長島の街に、鉄道が通ったのは昭和5年の話。
多気からは紀勢東線として、和歌山からは紀勢西線として建設された鉄道は、
東紀州の峻嶮な山々に行く手を阻まれ、ようやく昭和33年に九鬼~三木里間の開通により全通します。

そんな紀勢本線の全通から今年はちょうど50年の節目の年。
そして、50周年を記念したイベント列車が、この日新宮~亀山間を走りました。
「急行紀勢本線全通50周年フィナーレ号」は、キハ181系の6両編成。
僚系キハ80系が「特急南紀」として闊歩した東紀州路を走ったそうな。
沿線は、その姿を収めようとする撮り鉄多数w
まあ、こっちはソレ系は今回控えめにせざるを得ない事情もあり(笑)、
荷坂峠を駆けるキハ85系「ワイドビュー南紀」を収めて終了。
碧い熊野灘をバックに、緑濃き深山の荷坂を登る列車。
最高の鉄道風景写真撮影地だな、ここは。

 

食後のスイーツ(笑)は、R42沿いにある「大内山ミルクランド」のソフトクリーム。
東海~関西にかけては、乳製品のブランドみたいですね。大内山牛乳。
関東では見ませんけど…
道行く観光客が、次々にやって来てはお土産を買い求めて行く。
ソフトクリームはいかにもウシのチチ製品!って感じ満載の濃厚なもの。
後味のチチ臭さ(笑)みたいなものがちょっと気になるが、それだけ濃いって事でしょうな。

 

ソフトクリームを舐めながら、東紀州を後に伊勢へ戻る。
高速使っても良かったんだけど、まったり風景を楽しみたかったので下道で。
R42からR23へトラバースする際に、適当に走っていたら見付けた櫛田川の堤防道路。
全く車もおらず、快適な道でした。
R23に入っては、これが私の知っている三重だなあと言う風景ですね。
電柱に輝く「伊勢名物・赤福」の看板とか、イオン系のショッピングセンターの看板とかね。

岩田川を渡り、今日のお宿は津駅前の「ドーミーイン津」
高い建物のない事に関しては県庁所在地とは思えない津駅前ですが、
なんかしばらく来ないうちに「アスト津」とか言う大型ビルが出来ていた。
それでも3階建ての横長建物、屋上に「津駅」のネオンサインを抱く駅舎を見ると、
やっぱり昭和の香りのままの津駅前。

津まで来たので、ハギーさんをホテルまでお呼出しw
メシでも食うべって事になりまして、向かった先は…

ここしかないでしょw
餃子の王将・三重大学前店。
スタミナラーメンと餃子、美味しゅうございました(笑)。

続く。

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黒潮洗う熊野灘 ~伊勢志摩の旅二日目①~

2009年09月23日 10時07分28秒 | 日常

(画像:巨大船)

一泊目のお宿は、志摩半島の最南端である先島半島は越賀にある「活鮮旅館・志摩半島」
適当にネットで探して見付けたのだが、じゃらんとかでは結構人気のある宿らしい。
R260の旧道沿いにあって、ロケーションなんかには特筆すべきものはない普通の旅館だったんだが、
この宿はとにかく料理の量が凄かった。

お造り三種がアジ・イカ・ワラサ、カマス塩焼き、エビ塩焼き。
サザエのつぼ焼き、焼きホタテ、もずくに魚の揚げ甘酢。
サワラと野菜のせいろ蒸し、舟に乗りますお刺身は、イセエビアワビに活けヒラメ。
これで終わりと思いきや、次々出て来る魚たち。
アジのタタキに鯛塩焼き、ヒラメの縁側薄造り。なぜか甘エビボタンエビ、アオリイカまでお造りで。
刺身のアジは骨せんべい、タイのウロコは唐揚げに。
ヒラメのから揚げ最後には、アジの握りでようやくおしまい。
なぜかちょっと都々逸風。

最初の料理が運ばれてから終わるまで約2時間強に亘り、魚料理が出続けると言う恐ろしい宿w
私は決して食べない人ではないのだが、さすがに中盤以降は…(笑)。
舟盛りのヒラメがあまりに多すぎて食い切れなかったのが残念だが、ずーっと基本的に醤油味と言うのも辛いw
だいたい甘エビとかボタンエビなんて志摩半島で獲れんのかよ!

 

二日目の朝は、朝日を拝みに朝5時に起床。
先島半島の東側、大野浜と言う場所から見てみました。
大王埼の右側から、荒波の熊野灘を染めつつゆっくりと上がって来た朝日。
今日も天気は良さげです。

朝食を済ませ、宿を後にする事に致しましょう。
宿のオーナー兼板前らしきおいちゃんが出て来て、周辺の見所などを色々とレクチャーしてくれる。
とりあえず、一宿ありがとうございました、と挨拶して辞す。
何となく見付けた宿でしたが、暴力的な量の海鮮料理がお好きな方はぜひw
肉、食いてえ(笑)。

 

今日は志摩半島の南端を熊野灘に沿って走る国道260号線を中心としたドライブ。
先島半島の先端である御座港からスタート。
この国道、志摩市の鵜方からスタートするのだが、終点の紀北町紀伊長島には直接向かわない。
英虞湾を抱き込むように先島半島を回り、湾口を海上国道として飛び越えて旧浜島町から終点に向かう形になっている。
と言う訳で、スタート地点の御座港ですが正確に言えば途中なんですね。
以前は「奥志摩フェリー」と言うのが国道を代替していたようだが、現在は車の輸送はしておりません。
それでも対岸の賢島と浜島までの航路は残されており、港には船待ちの地元民が何人か。
写真のバスは近鉄系列の三重交通バス。サンコーバスの愛称でおなじみ。
御座と鵜方を結んでおります。

  

先島半島部分のR260は、南側と北側の2ルートが国道指定されており、
南側は熊野灘に面した小さな漁村集落を、1.5車線程度のよろよろ道が繋いでおります。
それに対し北側は、英虞湾に面した入り江を高規格橋梁でショートカットする志摩バイパス。
写真はR260バイパスにかかる「パールブリッジ」。平成17年に開通したニールセンローゼンアーチ橋。
首都高の五色桜大橋(王子線の荒川架橋)と同じ形だな。
橋の下では、のんびりと釣り糸を垂れる人々。
そして、碧き英虞湾。

 

R260の起点である鵜方の五差路
さすがに志摩市の中心地である鵜方は、結構店なんかもあって栄えている。
ガストが見えて、すっごく目玉焼きハンバーグとか食べたかったんですけどw
ぐっとこらえて、横山展望台へ向かう事とする。

  

横山展望台は、英虞湾を北側から俯瞰する展望台。
何を隠そう、宿の主人から強力に推薦されたスポットがここなのである。
確かに、入り組んだ英虞湾の姿がとてもよく分かる場所で、景観としては素晴らしい。
宿の主人曰く、南側に大きく伸びた先島半島が天然の防波堤の役割を果たし、
台風や高波から湾内を守っている事。
その常に穏やかな湾内環境と、密度の濃い森から流れ込む養分が豊かな事。
この英虞湾の地理的条件なくして、真珠王・御木本幸吉は生まれなかったそうだ。
そんな地理的要素が、ここから見ると凄く分かりますね。

さて、それでは改めて鵜方から旧浜島町に抜け、R260に戻ると致しましょう。
R260は整備と未整備の落差が大きく、
旧浜島町宿田曽~南伊勢町神津佐(こんさ)までの区間は上のような高規格道路と、
法面のダダ崩れた1~1.5車線の旧道が混在している。
旧道はかなりの酷風味でその落差には笑ってしまうのだが、それはそれで走り応えはある。
それでも旧道の脇には重機が入った工事現場も多く、改良工事は着々と進んでいるらしい。

  

五ヶ所湾沿いの路肩に車を止めて一服。南伊勢町内瀬地区にて。
R260の旅は、リアス式を堪能する旅。
湾のひだに沿って水際を走り、次の小半島の付け根にぶつかればゆるゆると山を登り、
下ればまた次の湾が見えて来て、湾のひだに沿って水際を走る。
その水辺には、申し訳程度の集落があって、一個一個に名前が付いている。
南伊勢町から旧南島町にかけては、迫間(はさま)浦、相賀(あいが)浦、慥柄(たしから)浦などの「ウラ」地名と、
棚橋竈、小方竈、新桑(さらくわ)竈などの「ガマ」地名が多い。
「ガマ」ってのは沖縄なんかだと珊瑚礁台地の中にある洞窟の事ですが、本土では珍しいですね。
集落がリアス式の海岸を山に向かって伸びている地域に「ガマ」地名が付いているので、
「奥まったような、すぼまったような」地形の特徴を表しているのだろうと推測は出来ます。

  

旧南島町・南島大橋からの風景。
志摩半島から、地域としては東紀州に移ったあたりでしょうか。
三重県内ですけど、この辺りから伊勢ではなく紀州の香りが漂ってくる。
目の前に広がるのは贄(にえ)湾。
海も黒潮の色なんだろうか、余計に深みを増してコバルトのようだ。
イカダの上で釣りを楽しむ家族連れ。

どこまでも続く碧き熊野灘の旅。
吉津港では、山から大きなベルトコンベアーで運ばれた石灰石が船積みされていた。
この住友大阪セメントの国見山鉱山には、以前石灰石積み出し用の専用鉄道があったそうです。
「国見山鉱山専用線」といい、ちゃんと1,067mmの軌道を持って、元南海の電気機関車が活躍していたらしい。
中部国際空港の建設に大きく貢献した後、ベルトコンベアーに使命を渡し廃線となったそうで…
本当なら廃線跡探しとかしたいんですけどw

舞台は志摩から東紀州に移り、さらに旅は進むのだが、
字数の兼ね合いもあり、ひとまず続く。

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最高のトワイライト ~伊勢志摩の旅一日目~

2009年09月22日 14時09分18秒 | 日常

(画像:閑散)

では、ぼちぼちと志摩半島の旅をご報告して行く事に致しましょうか。
昨日の夜遅くに帰って来たんだけど、腰は痛いし渋滞長いしできつかったわあ。
最近関東甲信越のお手軽ドライブしてばっかだったから、衰えを感じてしまったよw
トップ画像は初日の伊勢湾フェリー、11:40発鳥羽行きの船内より。
高速1,000円の打撃ぶりが分かる閑散とした船内。
広場と勘違いしたガキ、はしくりまわりw

出発はAM5:00、神奈川県の某所から。
出掛ける前にJARTICのHPで渋滞情報をチェックしたのだが、
この時点で既に伊勢原バス停10km、駒門PA10kmの渋滞。
予想された事とはいえ気合入ってますなあw
高速1,000円時代の渋滞回避術は、本末転倒だが高速を使わないことw
即座に予定変更、小田原厚木~箱根新道~R1経由で沼津まで。
あ、ちなみにR1三島と沼津ICを結ぶ伊豆縦貫道と言うのが供用されておりまして、
凄くスムーズにアクセス出来た事を申し添えておきます。かなり使える道です。

定番の富士川SA下り線お立ち台。既に上下線ともかなりの車の量。
渋滞を抜けたと思いきや、静岡ICの手前から清水ICまで11km渋滞。
渋滞抜けたら、袋井IC先頭25km、浜松西IC先頭10km、三ケ日~豊川断続…
とハイウェイラジオの機械的な声が次々に渋滞情報を読み上げる。
さすがにこれでは限界かな、って事で袋井先頭の渋滞のケツに取り付いたところで白旗。
菊川ICで東名を捨て、取ったルートは静岡r37~79~385~38~249~409~69~R150~遠州灘大橋~R1~浜名BP。
浜名BPのほうがよっぽど高速道路らしい速度で運転出来たぞw
これで静岡県脱出。

 

R1潮見坂からR42へ入り、メロン畑以外はとりとめのないような景色を見ながら伊良湖岬へ。
伊良湖のフェリー乗り場到着は11:30。
家から6時間半だが、東名にしがみついてたらもっと遅かっただろうな。
「次の便がもう出ますんで、急いでキップ買って来て下さい!」
え、乗れるの。
シルバーウィーク初日の午前中だし、鳥羽に渡るには何便待つかなと戦々恐々だったんですけど(笑)。
見渡せばフェリー乗り場はガランとしており、なんか高速1,000円の影響をモロにかぶっちゃったみたいね。
確かに車1台+大人2名、往復割引でも15,000円では、値段的に話になんないよねえ…
船倉に積まれた車も、スペースの半分以下と淋しい数だ。

  

 フェリーのタラップが巻きあがり、定刻11:40に伊良湖港を出航。
左手に伊良湖岬の灯台を見て走り出したフェリーは、やがて伊勢湾の海原へ。
いやあ~、しかしいい天気だ。
客入りは悪くても、ここまで天気がいいと船の旅もいいもんじゃないですか!
伊勢湾に白波を立てて走るフェリーの旅は爽快であり、目に映る景色は蒼海である。
デッキで売店で買ったソフトクリームなんぞを食いつつ伊勢湾に浮かぶ島々を眺めていると、
岡崎とか豊田でネトネトした渋滞に捕まっている連中なんか、バッカじゃなかろかルンバでしかないなw
写真の島は神島。三島文学「潮騒」の舞台となった島でもあります。

約小一時間の船旅にて鳥羽港到着。
三重県に上陸致しましたが、まあ何回か来ている県なんで改めての感慨はw
車を出して瞬間、目の前の道路に並行して走る線路をビスタカーが通過。
志摩と名古屋、大阪、京都を結ぶ近鉄特急です。

ちょうどお昼時ではあるが、めぼしい店が見つからなかったのとさっさと走りたかったのもあって、
道路沿いの土産物屋で弁当を購入し早速志摩半島ドライブに突入する事に。
あ、そう言えば鳥羽の駅前にかっぱ寿司があったなw
せっかく鳥羽まで来てかっぱ寿司ってのもどうなのよとは思うけど(笑)。
志摩半島のドライブと言えば、定番パールロードを外すわけにも行くまい。
まずはベタな道でもしっかり走って、ご機嫌を伺う事と致しましょう。

  

あっけらかんとしたような碧い空と海に、ふわっと流したような雲。
その下の道は、適度にワインディングを繰り返しリアスの海へ続いている。
一回ハギーさんの和田金祭りの際に走った事ありますが、
改めて走っても、それはそれは気分の良い道だと思います。
そらヤマカー&トバの兄弟も歌ってまうわ。

 

パールロード中間点にかかる的矢湾大橋を望む。
ハギーさんの「ヘキサの旅」でも同じ構図が使われていましたな…(笑)。
的矢湾と伊雑ノ浦を隔てる穏やかな入江が、午後の強い日差しを浴びて静かに銀波に輝く。
養殖の筏を見に来たらしい小舟がスイと横切ると、航跡が静寂を破る。
この橋の向こうは志摩スペイン村ですが、こんなチンケなテーマパークが必要なんですかねw
そう思うほど、見ているだけで引き込まれる自然の風景なのですが。

  

パールロードを走り切り、お次は的矢湾の入口にそびえ立つ安乗(あのり)崎灯台へ。
この灯台は四角い形をしているのが特徴のようですが、確かにあんまり見ないですね。
なんかジェラートをヘラで盛り付けるカップみたいな形だなw
あ、この灯台に行く途中に「←渡鹿野(わたかの)島渡船」とか書いてあってかなりご興味だったのですが、
興味本位で、しかもヨメ連れで行ける場所ではないので割愛w
どんな島なの?と聞かれたのでコンコンと説明したら、何でそんな事を知っているのかと問い詰め(ry

別に意識してないんですけど、私め今まで結構な数の灯台に登っているのではないでしょうか。
端っこ好き→半島へ行く→さらに端っこ好き→灯台って事なのでしょうw
これが山の方に行くとダムになるのだが(笑)。
トウダイのくせに、大して頭が良くなくても行けるのがいいところ。
受付のおばちゃんの手書きメッセージがイケてます(笑)

 

ジェラート灯台登ってみれば、目の前に広がる荒れるがままの海w
大迫力で砕け散る波の高さは、3~4mはあったでしょうか。
この日は台風の接近のせいで、午後から外海は大荒れ。
東名の清水から富士の間も由比付近の高波で通行止になったらしいからな。
ところで、「最高の気分」とは何ぞや。
正直自分には、風が強すぎて怖いだけなんですけど(笑)。
例えばサーフィンとかやる人はこの波を見て興奮してしまい、最高の気分になれるのかもしれませんw
自称プロサーファーも別なモノで最高の気分になってたそうですけど。知らんがな。
入江の穏やかさと、安乗崎の荒波。同じ海でも違う顔だねえ。
繋がってるんだけどねえ。

さて、そろそろ日も西に傾き始めました。
本日のメインエベントを見に行く事としましょうか。
向かったのは、英虞湾に対して西側に突き出た登茂(とも)山の展望台。

複雑に入り組んだ英虞湾を正面に臨み西側に開けたこの展望台は、
「ここで夕日を見て下さい」と言わんばかりの条件を兼ね備えております。
志摩半島の風景に数あれど、「登茂山の落日」は見てみたかったんだよねえ。

写真撮りの端くれとして、ちょっと本気の撮りモード。
到着した時分ではまだ日が高かったのだが、それでも多くのアマチュアカメラマンが集結していた。
隣に陣取っていたおっちゃんは関西弁の気のいいおっちゃんで、日本中の風景写真を撮りまくっているそうな。
まあ、私が見る限り機材だけで200万は軽く行ってましたねえ…
道楽の道は果てしない。

おっちゃんの20分の1程度の機材でも、素材が良ければ勝負になるw
昼は銀波、夕は金波。
真珠筏浮かぶ英虞湾を残照が照らす。
さざ波に余すところなく光が回り、幻想的な輝きだ。

太陽は徐々に角度を落とし、赤みを増して行く。
照り返す海が、太陽に染まる。
思わず中森明菜の「トワイライト-夕暮れ便り」を歌ってしまいそうになるぜ。

大小無数の島が浮かぶ英虞湾。
島々と、今日最後の光が絡み合って複雑な陰影を結ぶ。
この時期の夕暮れは賢島の先、合歓の郷と言うリゾート地の向こうに沈む。
空気は乾き澄み渡り、海を照らす角度といい一番の時期なんだとか。

雲の端に僅か夕日がかかり、欠けたと思えばその足は速く…

濃いオレンジの光を残しながら、線香花火のように消えて行きます。

夕日沈み、英虞湾のトワイライトタイム。
これから空は焼け、海が紅に染まるそうだ。
宿の都合があるので戻るのは本当に惜しいのだが、
天気にも恵まれ、最高の夕日を楽しめた事に感謝するとしましょう。
ヨメさんも相当満喫していたようなので、それが何よりだ。
紅に染まるリアスの島々に旅の無事を祈りつつ、初日は終了。
初日からかな~り充実していたな。

紅に 燃ゆる落日 ともに見て
明日は晴れるか 伊勢志摩の旅

続く。

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