(広小路にも数あれど@伊豆箱根鉄道駿豆線・三島広小路駅)
師走ともなれば人並みに正月の準備などもせにゃならず、昨日は近所の写真屋で来年の年賀状を頼んで来た。子供二人持つ親となれば、年賀状と言うものもマイホーム的な雰囲気のソレらしきものになってしまうのでありますが、こと写真を趣味とするものにしてみたらいささか物足りないのも事実。数は少なくとも趣味色満開の年賀状を作ってみたいよね、なーんて思ったのでありますよ。と言う事で6時前に家を出てインターまで20分、東名乗って1時間、インター降りて10分と合計1時間半でやって来たのは静岡県。雑居ビルに囲まれたコインパーキングに車をデポして辿り着いたのは、伊豆箱根鉄道は駿豆線、三島広小路駅でございます。上野広小路でも大崎広小路でもなく三島広小路、駅の壁には役所広司、コウジ繋がりか(笑)。
いきなり話を振ったので今日許された時間は午前中だけ。朝7時の三島広小路駅からちょっくら撮影に出てみるのだが、伊豆箱根鉄道と言えばご存じリゾート開発が大好きな堤一族が伊豆と箱根に送り込んだ刺客みたいな会社なんで、そこそこに近代化されております。三島広小路駅で自動改札になってるとは思わなんだ。小田急=箱根登山&東海バス、東急=伊豆急行、そして西武=伊豆箱根と言う首都圏大手私鉄の伊豆箱根における勢力争いも調べてみれば虚々実々の血みどろの争いの歴史ではあるのですが、ここで語ると時間が長くなるので割愛。
三島広小路から電車に乗って、3駅目の大場(だいば)駅で下車。時間があればフリー切符でも買って全線乗り降りしてみたいところではあるんだけどね。駿豆線ってまともに乗った記憶ないので…ここ大場駅は伊豆箱根鉄道の本社と駿豆&大雄山線の車両の検修を一手に引き受ける大場工場があるいずっぱこの心臓部。Daibaって書かれると「DAIBAッテキ!」とか思い出すんだけど。今思うと司会がドロンズで提供がドリームキャストってのが物悲し過ぎる番組だよな。DAIBAッテキ!と渋谷系うらりんご、ともにおニャン子復活を夢見たCXの徒花であるのだが、前者がチェキッ娘で後者がうらりんギャルだからよく覚えといて欲しい。
そんなDAIBA駅で交換する1300系。また出ましたね元西武新101系。今年出先で見かけたのは近江、上信に続いて3回目です。本家の方では本線運用からそろそろ外れそうな雰囲気もあるようですが…この形式は全国6社に譲渡されているのだが、これで唯一見てないのは一番簡単に行けそうな流鉄に行っちゃった車両だと言うのも何だかなあ(笑)。
大場から1つ三島側の三島二日町駅にかけては、富士山をバックに田園風景の中を走るシーンが撮影出来る駿豆線でも有名な区間。天気も西高東低冬型の気圧配置で出がけに家から見た富士山もバッチリでしたから、午前中だけテキトーに三脚立てて年賀状用の写真でも撮ろうかなと思って来たんですけど…
うーむ…
Where is FUJIYAMA???
初めて見る風景だけど、写真では何度も見た事ある場所だから、たぶん
「このへん」の辺りに富士山がドカーンと来てるはずなんだけど、どこ行ってしまったんでしょうね…つーか、ここまで来て富士山見えないって意味が92%くらいなくなっちゃったんですけど。天気いいから同業者の3~4人くらい出てっかな、とか家出る時に思ってた自分が大バカもいいところだなヲイ…と放心状態で田んぼのあぜに座り込み、近くのミニストップで買ったおにぎりをかじる横を近所の住民が犬を散歩させながら通り過ぎて行く。
あまりの思惑の外れっぷりに、石っころでも蹴っ飛ばして帰ってしまおうかとも思ったのだが、とりあえず駿豆線の電車だけは15分間隔で頻繁に走って来るのでアングルを組んでみる。やって来たのは7000系、バブル期に線内の快速運用&沼津乗り入れを目論んでオール転換クロスでブチ込んだいずっぱこの意欲作。ワイドなピラーレスの1枚ガラスに角目灯、窓下で軽く腰折れたスタイルは、まんまステンレスになった京急2000系(笑)。中間車だけ2ダァと言うのが変わっているよね。
さっき大場で交換してった1300系。風があるので雲が流れてくれないかなと願うものの、ちょこちょこと頂上が見えたり見えなかったり程度の雰囲気。純正いずっぱこ車と違って方向幕が「三島⇔修善寺」と機織り運用型になっている様子。白にライオンズブルーって配色は西武でも6000系とかがそうなんで、そんなに違和感を感じませんな。
いずっぱこオリジナル3500系、修善寺寄り1両がクハ車の2M1Tです。大雄山線の5000系とほとんど同じなんで、伊豆箱根の車両と言えばこの形をイメージする人も多いのでは。これは最終増備の第6編成のようでスカート付。ドアの部分だけコカ・コーラのラッピングが入ってますですね。
時間が経てば雲行きも変わるか、と淡い期待を持ってはみたものの、厚い雲が乗っかって来たりとむしろ状況は悪化傾向…もう既に富士山を狙う構図は捨てて、小俯瞰スタイルでアウトカーブを大きく抜いてみる。冬枯れの大場川を渡って大きく右カーブして来る3500系、今度は鋼製車の1次型。同じ形式でも鋼製車とステン車があったり、スカートの有無など細かいところが色々と違うのは、大雄山線で走ってる5000系と同じですな。
7000系と1300系の正面ドカン。光がなく風景もないのでどーしてもこういう構図にせざるを得ない。苦肉の策。7000系は伊豆天城ミュージアムで開催されている大鉄道博のヘッドマーク付き。ちなみに7000系はオール転換クロスで意気込んで作ったはいいが、中間車の2ダァといい乗り降りに時間がかかる・車内が混みやすいと言う理由で積極的に増備されることもなく、2編成だけの希少な存在。今日も朝は2編成が動いてたけど、日中になったら1本落とされてしまいましたので、現場サイドでは使いにくいクルマって事なのかなあ。
光を探しながら三島二日町駅方面へ歩いていく。全く富士山は見える気配のないまま、空を見ると駿河湾側からどんどん雲が流れ込んできているのが分かる。北風ではなく南西方向から吹いて来る風が、愛鷹山にぶつかって富士山の南麓に雲が出来ている様子。予想に反して意外に湿度が高いのも誤算だなあ。3000系トップナンバーは韮山反射炉の世界遺産登録祈願ラッピング編成。いや、さすがにそれは結構ムリスジやろw
185系修善寺踊り子は5両の補助編成、大場川へ向けての上り坂を軽やかに上がって来る。JR東日本→JR東海→伊豆箱根と3社を跨いで乗り入れて来るんだが、一説によると熱海~三島の僅かな区間だけで乗務せにゃならんJR東海が面倒くさがって廃止したがっているとかなんとか。「伊豆の踊子」と言えば修善寺から天城湯ヶ島や天城トンネルなんかが出て来る中伊豆方面のお話ですから、修善寺に向かうこの「踊り子」こそ正調なる踊り子号なのかもしれません。ちなみに修善寺踊り子はいずっぱこ線内は快速扱いで特急料金いらないんで、乗り得な列車でもあります。
イチゴ農家のビニールハウスと1300系。昼近くになって晴れ間ものぞくようになって来ましたけど、今日の活動は午前中までなんだよなあ。夕方まで粘ればもうちょっと違った展開になったかもしれないが、仕方なし。デジカメの電池もなくなってきたところで、三脚を収める事といたしましょう。
ヨコハマタイヤの三島工場の真横にある三島二日町からクルマをデポした三島広小路駅へ。帰りは7000系。結局晴れ間もあったが空模様はあまり好転せず、そもそも富士山は全く見えなかった。割と富士山とは相性いい方なんだけどなあ(笑)。ちなみにデジカメの電池がなくなったんでこの写真はスマホで撮ってますw
最近カメラを振り回してなかったんで気晴らしにはなったけど、基本的には失意のいずっぱこ。
要リベンジでしょう、これは。