tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

田中利典師の「ちょっといい話」(後編)

2024年11月21日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、〈師の教え〉(利典師のブログ 2017.2.12 付)。前回の朝日放送ラジオ「ちょっといい話」(一心寺提供)の後編である。師とは、五條順教猊下(げいか)のこと。
※トップ写真は、ウチの近隣公園の桜。コロナ渦中の2020.3.30に撮影した

お坊さんになったばかりの利典師が、順教猊下から「志を大きく持ちなさい」というアドバイスを受けられたという話は、別のところでも書いておられた。それが利典師の心の大きな支えになり、のち吉野大峯の世界遺産登録(2004年)として実を結んだ。そこからまた、「紀伊山地三霊場会議」という協議会も生まれるという好循環が続く。では、以下に全文を紹介する。

「師の教え」・・・田中利典著述集290212
昨日の続きです。

****************

「師の教え」
私は15で得度を受けて僧侶になりました。ですから前の管長様には15の時からお仕えしました。管長さんはあんまりいろんなことを細かくは教えたりはされなかったんですが、一番最初に言われたことが「志を大きく持ちなさい」という言葉でした。

で、その後こうしていろんなことをさせていただくようにはなるんですけれども、最初に管長様にそう教えられたことが私の大きな支えになっています。

金峯山寺は平成16年に「世界文化遺産」に登録されましたが、この時も金峯山寺を世界遺産に登録出来ないかということで、ちょうど平成11年の12月25日、…金峯山寺は昔からなぜか12月25日が一山の納会(忘年会)なんですね。

で、この忘年会の席で管長様に「金峯山寺の世界遺産登録の運動を始めたいのですが」と申し上げたら「やってみろ」ということになりましてね。そこから始めるのですけれども、それも「志を大きく仕事をしなさい」っていうことをずっと言われていたので、ほんとはなるかどうか分からないけれどもともかくやってみようということで始めたのでした。

まあ、ほんとはなかなかそんなに簡単にいかないはずなんですが、ところが結構簡単にいったんですよ。平成11年の秋頃から私の中では思いついて、平成12年の11月には文化審議会で答申されました。もっと前から高野山、熊野は世界遺産の登録運動を始めておられたのですが、私はそれを知らなかったんですね。

ところが、私(吉野)が手を上げることで、紀伊半島全体で、吉野と熊野と高野がつながった。金峯山寺というお寺と金峯山寺が行っている吉野から熊野まで修行する「大峯奥駈修行」というのがあるんですが、このお寺と道の両方で世界遺産登録を目指したのです。

その奥駈の道がつながることで吉野と熊野がつながった。で、熊野には「熊野古道」という、高野とも大阪ともお伊勢さんともつながる道があった。紀伊半島全体が道でつながって、しかも吉野は修験道の聖地、高野は真言密教の聖地、熊野は神道の聖地。それぞれ違う宗教が道でつながることになりました。

日本人のいわゆる、神さんも仏さんも等しく拝んできたその日本独特の宗教文化・精神文化が、長年にわたって紀伊半島の大きな自然の中で育まれてきたという文化的景観がキーワードになって、あっという間に登録をされるんです。でも地元は初め「世界遺産になんか簡単になるかい?」という、そんなような空気もあったんですね。

奈良県も最初は「もうすでに奈良市の寺社と、斑鳩の法隆寺と二つもあるから仕事が増えるだけやし、動き回るのはやめてほしいなぁ」という消極的な感じだったのですが、県庁の中には応援をしてくれる人もあって、正式な登録活動をはじめてからわずか4年、平成16年7月8日に正式登録されたのでした。

ほんとにあっという間に、実現したのです。私は「世界最速」と言ってるんですよ(笑)。今は全国各地そこらじゅうで世界遺産登録の運動が始まってますが、高野にしろ熊野にしろ吉野にしろ、地元から推進して世界遺産登録が実現した事例の始まりのような形になりました。地域全体で、その地域が守ってきたいろんな資産を守っていこうという活動です。

その後、今度は登録が叶っただけではなくてそのことを始まりとして、世界遺産は自然と文化を二つながら保護・保全していこうというのが本来の目的ですから、熊野と高野にお声掛けして「紀伊山地三霊場会議」という、登録資産を持っている者同士の連絡協議会をつくりました。

紀伊山地の三霊場というのは道も登録されていますし、三つの霊場が大変広く、1万3千ヘクタールという日本で一番広大な広がりがあります。その分、いろんなことが起こるじゃないですか。

ですからやはり皆で考えていこう、次の世代に伝えられるように、守っていくためには単に文化振興とか、観光振興とかではなくて、守っていくための手立ても考えようという取り組みです。

現在(当時)は高野山の松長有慶座主猊下に総裁を務めていただいて、年に一回守るための会議を開催しています。そういう大きな活動を進めて来られたのも、若い頃に管長猊下に「志を大きく持ったお坊さんになりなさい」という教えをいただいたお陰と思っています。

38年間お務めして、先年管長様はお亡くなりにはなるのですけれども、今でも管長様の墓前に行くと、自分に「志を大きく行動しているか。これで間違いがないか」と、自問自答しています。

ほんとにあまり細かいことはおっしゃらなかったのですが、最初にそういうことを言うていただいたことが、後々の自分をつくっていくのに大きな力になった、と思っています。大変、私にとってありがたいことですね。

そういう意味では単に世界遺産になったことをゴールとせずに、なったことから始めるということで次の世代につなげていく、そういう志を継ぐ人をお寺の中に、あるいは地元の人の中につくっていくことも、管長様の「志を大きく持ちなさい」とお教えていただいたことを、若い人たちにつなげていくことになるのではないかなと思っているところです。 (平成24年12月30日 放送)
※『ちょっといい話』第11集(平成25年8月/新風書房刊)より

**************

本文は昨日につづき、朝日放送ラジオの一心寺提供「ちょっといい話」に出演した内容が書籍になって出た文章の転記ですが、放送内容自体は毎回、全然違うものなので、話も別です。

局から出演に際して、2つ話を用意してくださいと言われていて、順教猊下のことを紹介しました。半分、私の自慢話みたいになってしまいましたが…。
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田中利典師の「ちょっといい話」(前編)

2024年11月18日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、〈一生懸命にお祈りをすることの意味〉(師のブログ 2017.2.11 付)である。これは、当時朝日放送ラジオで放送されていた一心寺提供の「ちょっといい話」(番組は2023年3月末に終了)のテープ起こしである。
※トップ写真は、ウチの近隣公園の桜。コロナ渦中の2020.3.30に撮影した

師は2012年11月25日に、この番組に出演された。今日は1日に2本収録されたうち、「前編」を以下に紹介する。

「一生懸命にお祈りをすることの意味」…田中利典著述集290211
宮村 金峯山寺と言いますと〈世界遺産〉でございますよね。そして今ちょうど「秘仏本尊特別ご開帳」が行われているということで、今日はどんなお話になるんでしょうか?

田中 はい。ご本尊のお話とご本尊にお祈りをすることで少しいい話がありましたので、そんなお話を…。

実は蔵王堂のご本尊は普段は前に〈戸帳(とちょう)〉という幕が下りていて拝めないんですが、今は12月9日まで特別ご開帳ということで幕を開けまして、皆さんにお参りをしていただいています。

このご本尊は普通の仏さんと違って「蔵王権現」と呼ばれる、修験道という山伏の宗教独特のご本尊なんです。役行者という方が祈りだしたと言われるご本尊なんですが、〈悪魔降魔の尊〉、つまり悪魔を〈降伏〉する大変恐ろしいお姿をなさっています。

悪魔降伏ですから、悪魔を懲らしめるというお姿の中にはさまざまな意味があるのですけれども、左足でドカッと大地を踏みしめる意味は、大地の揺らぎを鎮めるということなんですね。

昨年の3月11日に東日本で大きな地震があって、大きな津波がありました。その翌日から私たちは大地の揺らぎを権現さまの足で鎮めていただけるように、何とかこれ以上この日本の大地が揺るがないようにということで、お祈りを続けてるんですね。今も続けてるのですけれども。

震災が起こってから1ヵ月ちょっとぐらい経った時に、お勤めを終わって本堂を出ますと、知らない人から声をかけられたんです。その人は私のことをよく知ってて、東京方面で年に1~2回講演をしたりするので、その講演においでになったことのある方のようで、

「実は私は東北出身ですが、今回の震災で身内も友人も実家も誰も大きな被害に遭わなかった。それを思った時に誰かにお礼を言いたい、感謝の心を捧げたい、とそういう気持ちになって思わず新幹線に飛び乗っていた。で、気がついたらこの吉野の蔵王堂に来てお参りをしていた」。

お参りをしていると、この蔵王堂で東北の震災のこれ以上地震が起こらないように、また亡くなったたくさんの方々の御霊が鎮められるように、というお祈りを毎日していただいてることにたまたま遭遇して、とても感動した。

で、これは帰って実家の東北の人たちに、遠い吉野でも私たちのことを毎日お願いをしていただいてる、お祈りをしていただいてるということを伝えたい」ということをおっしゃっていただいた。

震災については救援活動とかいろんな支援の仕方があると思いますが、我々はまずご本尊に日々お祈りをして、そのお祈りを通じて何か出来ることはないだろうかという気持ちを持っていたのですが、お祈りをすること自体がこんなに人々を力づけることになってるんだ、ということを、その方を通じて教えていただいて、改めて「一生懸命にお祈りをすることの意味」を感じたんですね。

実は日本というのは、金峯山寺だけではなくて日本中の寺社で、例えば東大寺さまでも、春日大社さまでも、大阪ですと四天王寺さまでも、日々、〈天下泰平〉〈風雨順次(雨や風がいつの時も順調に)〉それから人々の安穏がずっと願い続けられている。

そういうお祈りが続けられた一日が今日という一日なんだ、ということを私たちも自信をもって思わなければいけない。そういうことが、出会ったその人を通じて、ご本尊に教えられたような、そんな気持ちにさせていただいたことがあるんですね。

蔵王堂のご本尊は、お顔の色が青黒色という大変鮮やかな色をしておられます。こんなに色鮮やかな仏さまってあまり無いんですよね。顔は大変こわいのですが、その奥には仏さまの慈悲が込められている。そのこわいお姿の奥にある仏さまの慈悲はお肌の色に表れている。

仏教では「青黒は慈悲を表す」といいます。仏さまの慈悲があの青い色。我々はこれを〈恕(じょ)の心〉と呼んでいます。「女」扁に「口」を書いて「心」。これは「お互いを許し、認め合い、慈しむ」ということなんですね。

権現さまのお姿はただこわいだけではない。悪魔を降伏するような大きな力がある。大地の揺らぎを抑えるような大変な力がある。でもその奥には人々を受けとめて、そして人々の安らぎを慈しんでやろうという、そういう大きな慈悲が感じられるのです。

日々のお勤めを通じて、いろんな出来事があるたびに、我々にとって大事なことは何なのかということをご本尊から教えられるようなことでした。普段は幕が掛ってて拝めないんですけども、この12月まで開いてますのでぜひこの機会にたくさんの方においでいただいて、慈悲の心、お互いを認め、許し合うような、そういう大きな力のあるお祈りを感じていただけたらと思います。

宮村 そうですね。実際に写真で見るよりも、もっともっと実物はすごいって話はうかがってますので。

田中 はい。三体おられるんですが、中央は高さ7.3メートル。両側が6.1メートルと5.9メートル。写真で見る以上に圧倒的な大きさなんです。

大きいことによって悪魔降伏の力を全身で感じられるし、そしてその大きな慈悲も全身で受けとめられる。そういう大きい姿に接することで非常な力をきっと誰でも感じていただけると思っています。 (平成24年11月25日 放送)
※『ちょっといい話』第11集(平成25年8月/新風書房刊)より 

**************

本文は朝日放送ラジオの一心寺提供「ちょっといい話」に出演した内容が書籍になって出た文章の転記です。もう5年も前になります。
追伸 「ちょっといい話」は2回取りです。明日もこの続きをご紹介します。
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世界遺産登録20周年記念シンポジウム、12月7日(土)九度山町(和歌山県伊都郡)で開催!(2024 Topic)

2024年11月17日 | お知らせ
私の故郷・九度山町(和歌山県伊都郡)のHPを見ていると、こんなイベント情報が見つかった。〈世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」その歴史・信仰・魅力、そして未来を語る〉というシンポジウムだ。参加無料で、要申し込み。

パネラーには、つい先日「神職身分特級」(神職の最高峰)を授与された九鬼家隆(くき・いえたか)氏(熊野本宮大社宮司)もいらっしゃる。町のHPには、

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」その歴史・信仰・魅力、そして未来を語る
世界遺産登録20周年記念事業ラストイベント!

2024年は世界遺産登録20周年を記念したさまざまなイベントを開催してきました。ラストを飾るシンポジウムはこの20周年記念事業の総合プロデューサー・北川央(きたがわ・ひろし)氏(九度山・真田ミュージアム名誉館長/大阪城天守閣前館長)がコーディネーターとして、出演します。

日時 2024年12月7日(土曜日)
開場 13時00分/開演 13時30分/終演 16時00分(予定)
会場 九度山町ふるさとセンター(5階大ホール)
〒648-0101 和歌山県伊都郡九度山町九度山1190
参加料 無料

出演者
パネラー
九鬼 家隆氏(熊野本宮大社 宮司)/福家 俊彦氏(天台寺門宗総本山三井寺 長吏)/籔 邦彦氏(高野山真言宗総本山金剛峯寺 高野山執務公室長)
コーディネーター
北川 央氏(九度山・真田ミュージアム名誉館長/大阪城天守閣前館長)
司会 朝宮 真由氏(元宝塚歌劇団 宙組 男役スター)
演奏者 小嶋 桂氏(ピアノ)/安積 郁子氏(ヴァイオリン)

応募方法
インターネットの場合 応募フォームはこちら

はがきの場合 郵便番号、住所、氏名、電話番号、参加希望人数をご記入の上、下記までお送りください。
応募先 〒648-0198 和歌山県伊都郡九度山町九度山1190
「九度山町教育委員会内(高野町・九度山町世界遺産登録20周年記念事業実行委員会」あて

ファックスの場合 郵便番号、住所、氏名、電話番号、参加希望人数をご記入の上、下記まで送信ください。
送信先 0736-54-4670「九度山町教育委員会内(高野町・九度山町世界遺産登録20周年記念事業実行委員会」あて


たくさんの方のご参加を、お待ちしています!

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「奈良・ガストロノミー・ナイト・エキスポ」、11/16(土)~24(日)まで!(2024 Topic )

2024年11月16日 | お知らせ
msn(マイクロソフトのポータルサイト)に〈ライブキッチンでミシュランシェフの技を間近に!奈良公園で夜のイベント開催|Nara Gastronomy Night Expo with TheMICHELIN Guide〉という記事が出ていた。
※画像はいずれも、msnのサイトから拝借

奈良公園で、ミシュランガイド掲載店のシェフが、料理を提供してくれるというのだ。食のイベント以外にも、伝統工芸やライブドローイング、日本や酒やラーメンの企画もある。同サイトによると、

2024年11月16日(土)から24日(日)までの9日間、奈良公園登大路園地にて、「Nara Gastronomy Night Expo with The MICHELIN Guide(ナラ・ガストロノミー・ナイト・エキスポ ウィズ・ザ・ミシュラン・ガイド)」が開催される。

本イベントは、ミシュランガイド奈良2024に掲載されたレストランのシェフによる「CULINARY POPUP(ライブクッキング)」や、奈良の伝統工芸を体験できる機会、そして世界的なアーティストによるライブドローイングなど、盛りだくさんの内容である。



「Nara Gastronomy Night Expo 2024 with The MICHELIN Guide」とは?
「Nara Gastronomy Night Expo 2024 with The MICHELIN Guide」とは、奈良公園登大路園地において、ミシュランガイド掲載店や伝統工芸士が集結し、食と伝統工芸を五感で楽しめる。日本の食文化、特に奈良の食文化に触れる絶好の機会であり、訪日外国人観光客のみならず、日本国内の方々も楽しめるイベントとなっている。

日本初!ミシュランガイドがキュレーション(編集)する「CULINARY-POPUP」を実施!
ミシュランガイドに掲載されたレストランのシェフが、その場で料理を作る様子を間近で見ることができる「CULINARY-POPUP(ライブキッチン)」を実施。人気レストランのメニューが3,500円~4,500円で楽しめるのはここだけ!

【参加シェフ】
16日:小粋料理 味 万惣 / 長田 耕爾 氏 (1つ星)
17日:中國菜奈良町 枸杞 / 宮本 和幸 氏 (1つ星,グリーンスター)
18日:鮨かわしま / 川島 洋行 氏 (1つ星)
19日:オーベルジュ・ド・ぶれざんす桜井 / 小林 達也 氏 (1つ星)
20日:Daterra / 中井 宏和 氏 (1つ星,グリーンスター)
21日:La Terrasse irisee / 鷦鷯 進 氏 (1つ星)
22日:白-Tsukumo- / 西原 理人 氏 (2つ星)
23日:La Trace / 佐藤 了 氏 (1つ星)
24日:akordu / 川島 宙 氏 (2つ星)

開催概要
●開催日時:2024年11月16日(土)~24日(日)各日15:00~20:00
●開催場所:奈良公園登大路園地
●キュレーション:ミシュランガイド
●後援:奈良県


皆さん、ぜひ奈良公園(県庁前の登大路園地)に、足をお運びください!
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「とにかく人が多かった!」とお歎きのスペイン人男性に、もの申す

2024年11月15日 | 観光にまつわるエトセトラ
〈「観光どころではありませんでした」初訪日のスペイン人が嘆いた日本の光景とは〉という話がYAHOO!ニュース(2024.10.31配信 もとはサイト「Hint-Pot」)に出ていて、金やん(金田充史さん)が鋭いツッコミを入れていた。
※写真は「YAHOO!ニュース」から拝借

この人は、2週間かけて大阪→京都→東京と巡り、「とにかく人が多かった」と歎いているのだ。秋の観光シーズンに、ゴールデンルートを旅すれば、人が多いのは当然。親日家なら、もう少し調べてから来てほしかった。私も金やんのツッコミに同感だ。まずは記事全文を紹介する。

日本人だけではなく、多くの訪日外国人観光客にも過ごしやすい季節となりました。これから紅葉が美しくなり、さらに見どころ満載となる日本ですが、多くの観光地では混雑も。初めて日本を訪れたスペイン人男性は、自身の慣れ親しんだルーティンができずに、やや戸惑いを覚えているといいます。いったい、なぜなのでしょうか。

空手家のスペイン人 次は沖縄訪問を希望
今回が初めての訪日だというスペイン人のオスカルさん。友人たちと3人で日本にやってきました。2週間の滞在中、大阪、京都をめぐり、最後に東京に戻ってきたといいます。

4歳から空手を習っていたオスカルさんは、「ずっと日本に行ってみたい」と思っていたそう。今回の日本旅行では叶いませんでしたが、次に日本に訪れる際には空手が生まれた沖縄に行ってみたいと考えているようです。「空手家にとって、沖縄は憧れの地です」と目を輝かせながら、まだ見ぬ沖縄へ思いを馳せていました。

「とにかく早起きをしないといけません(苦笑)」
この日、オスカルさんたちが訪れたのは、谷根千と呼ばれる谷中、根津、千駄木エリア。小さな店舗が軒を連ねる昔ながらの商店街らしい下町情緒あふれる雰囲気が、外国人観光客にも人気です。

日本の印象を聞くと、オスカルさんはまず驚きを口にしました。「とにかく人が多いですね。その状況に圧倒されました。自分はスペイン北西部のポルトガル国境の近くの小さな町から来たのもありますが…。スペインでもどこでも、なるべく人がいない時間帯や場所を見計らって出かけるのですが、それが日本では、まったくできない状況ですね。とにかく早起きをしないといけません(苦笑)」

まだ開店する店もまばらな時間帯に、オスカルさんたちが商店街を散策していたのは、混雑を避けるためでした。さらにオスカルさんは、旅した街を振り返り、嘆きと困惑を口にします。「京都で訪れた神社仏閣では、観光客たちが写真を撮るために場所の取り合いをしていました。それがどこででも起こっていて、正直、観光どころではありませんでしたよ」

オスカルさんたちが訪れた京都をはじめ、鎌倉や富士山周辺など多くの人気エリアでオーバーツーリズムが話題に。京都市では混雑状況の可視化などで、一部の地域や時間に集中しがちな混雑を分散化する試みが検討されています。住民だけではなく、観光客にとっても快適な環境の整備が必要になってきている様子。次に日本を訪れるときには、状況が改善されているといいですね。


この記事に対して、金やんはご自身のFacebookで、次のようなツッコミを入れておられた。

ナニ言うとんねん。あんたも混雑の1人やないか。気候の良い時に旅行をしたい…、有名な観光地に行きたい…、って、皆さんが行きたい訳で、混雑するのは当たり前。それなら、真冬か真夏に来なさい。空いてますよ。真夏は暑くてたまらないというのは、地球に言ってください…。

「地球に言ってください」は傑作だが、この人は「次は沖縄訪問を希望」とある。真夏の沖縄は観光のピークシーズンなので、「沖縄も人が多い」と歎くことだろう。

ゴールデンルートを外し、各地の観光ピークシーズンを外せば、静かで落ち着けるところはたくさんある。私なら「奈良県中南部 路線バスの旅」をお薦めするところだ。オスカルさん、いかがですか?
コメント (2)
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