先日、「報道ステーション」で採り上げられた「101歳 神の医師」の映像が、YouTube上にUPされた。
ネット上では、この旧日本兵の存在について、「感動した」という感想が多く書き込まれている。一方、戦争体験者をはじめとして、この「美談」に批判的な意見も上がっている。
たまたま昨日、暑気払いの席上でこの話になり、私がテレビ朝日の報道姿勢に疑問を呈したところ、意見はまっぷたつに分かれた。「存在は意識を決定する」という言葉どおり、人それぞれ、社会的「立ち位置」によって異なるようだ。
インテリの極致である丸山真男センセイの分類に従えば、私などは場末の街を徘徊する、うらぶれた学歴も教養もない勤め人。私のような存在は「日本軍国主義を底辺で支える階層」と分類されるのだから、私ごときがテレビ朝日の「良心的番組」を批判することなど到底許されないということなのだろう。(苦笑)
だが、私にはどうしてもこの番組の制作姿勢が気になる。「報道ステーション」の映像の下(した)に中国側の映像も貼り付けたが、そちらは「反日教育」の教材そのものだ。本来、テレビ朝日は、この人物を「神の医師」と持ち上げる前に、きちんと検証をすべきことがたくさんあったはずだ。だが、その痕跡は全く見られない。
この「医師」が脱走兵であるという問題や、戦後、中共(=中国共産党)による暴政の中をどう生き延びたのかという点、一体中国の医師制度はどうなっているのかという疑問など、重要な点がすべてスルーされているのだ。はじめから「美談」づくりを目的にしているとしか思えない。これは、報道のイロハをわきまえない制作態度だと言っておく。
どう受け取るかはもちろん自由。だが、YouTubeの映像は、早晩テレビ朝日によって削除されるのではないか。なぜなら、テレ朝としても、自信満々に残しておける映像ではないはずだから…。というわけで、どうかお早めにご確認を。
《報道ステーション 101歳 神の医師》 古舘サンが絶賛するような美談なのかどうか…!?
「神の医師」101歳の戦後 旧日本兵が中国で貫く"志"#1#
「神の医師」101歳の戦後 旧日本兵が中国で貫く"志"#2#
《中国側映像 中国で贖罪する100歳の日本老兵》
A 100 years old Japanese ex soldier's atonement Epd 1 百?日本老兵在??罪70年拒回国