澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

「パーティ・フェイス・オーケストラ」を作ってしまった飯森範親

2010年08月18日 08時29分07秒 | 音楽・映画

 夏になると、BGMでよく聴かれるのが「夏の日の恋」(Theme from A Summer Place)という曲。曲名を知らなくても、聞き覚えのあるメロディだ。この「夏の日の恋」を演奏しているのが、パーシー・フェイス・オーケストラだ。下記の映像を見ていただきたい。

 パーシー・フェイス・オーケストラ(Percy Faith & his orchestra)※は、1950-70年代にかけて、ポピュラー音楽シーンをリードしたオーケストラ。指揮者・編曲者であるパーシー・フェイスは、CBSのディレクターとしてドリス・デイ、トニー・ベネット、ジョニー・マティスなどのアルバムを制作している。
※ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%B9

 古くからのポピュラー音楽ファンなら、パーシー・フェイスの名前を知らない人はいないだろう
 だが最近、TBSーTV「音旅」という番組を見て驚いたことがある。この番組には、日本人女性11人で構成された弦楽オーケストラが出演する。このオケの名前が、何と「パーティ・フェイス・オーケストラ」(Party Faith Orchestra)※なのだ。

※ http://bs-tbs.ototabi.jp/ototabi/index.html

 この名前を付けたのが指揮者・飯森範親だ。彼は自分のブログの中で次のように記している。

パーティフェイスオーケストラのメンバー…テーマ:ブログ

指揮者 飯森 範親 オフィシャルブログ 「マエストロ、出番ですよ」-SN3J0884.jpg

指揮者 飯森範親
「東証一部上場企業で平澤創さんが社長を務める株式会社フェイス…平澤さんは友人でもあり東京交響楽団の理事でもあり…また、彼は携帯の着メロのシステムを発明した張本人です。その彼と共に、ビジュアル系というだけでなく、演奏技術がしっかりした女性だけの弦楽器のアンサンブルをプロデュースすることになりました…名付けて『パーティー フェイス オーケストラ』!クラシック音楽のレパートリーを、幅広い層の皆さんに気軽にクラシック音楽のレパートリーを楽しんで頂こうというコンセプトです…約100名の女性の応募者を審査させて頂いて今は11名のメンバーで活動が始まっています。BS-TBS毎週土曜日夜7時半からフェイス提供『音旅』という番組が始まっています。そこで彼女たちをご覧頂けますので、今週末は17時25分からの僕が出演させて頂きますラジオ日本をお聴き頂き、その後は是非パーティー フェイス オーケストラを楽しんでくださいね!男性のアンサンブルは?と言う声が聞こえてきそうですが、イケメンの男性だけのアンサンブルも募集過程です…『イケメンのオーケストラ』名付けて『オケメン』です…(笑) 」

http://ameblo.jp/iimori-norichika/entry-10551579237.html

 飯森は、1963年生まれの47歳なのだから、たとえ興味は無くても、パーシー・フェイスの名前を聴いたことはあるはず。それなのに、自分の関わる楽団を「パーティフェイス・オーケストラ」と名付けるとは、無神経にもほどがある。著作権の問題が生じるとは、考えていないのだろうか。米国には「パーシー・フェイス財団」があり、今も彼の音源をCD化したり、著作権を管理したりしているのだから。
 
 パーシー・フェイス楽団は、パーシー・フェイス本人が亡き後も、何度も来日している。もし、今後、来日公演が実現したら、紛らわしい名前の楽団の存在は、きっと問題になることだろう。中国では、ディズニーランドそっくりの遊園地が造られたり、ブランドもののニセモノがまかり通っている。パーシー・フェイスの著作権を管理するパーシー・フェイス財団から見れば、日本も中国も極東のニセモノ天国に見えることだろう。中国人を嗤っている場合ではないのだ。

 たぶん飯森範親は、パトロンが経営する「フェイス」(Faith=信仰)という名をもじって、パーティフェイスと付けたのだろう。パーシー・フェイスの名前をもじった駄洒落というつもりだろうが、とんでもない神経の持ち主だ。このパーティフェイス・オーケストラには早期解散してもらうほかはない。

Theme From A Summer Place (1960)
パーシー・フェイス・オーケストラ「夏の日の恋」