大きな段ボールに2つ、妻の実家から野沢菜が届いたのは一週間前だ。この時期、信州から送られる新鮮な野沢菜を漬けるのは、我が家の晩秋の風物詩である。
昨年は私が入院中で、せわしくお菜を漬ける妻の姿を想像しただけだったが、今年は懐かしい心でこの風物詩を傍観することが出来た。何も手伝うことはない。重しに使う、頃合いの石を5,6個きれいに洗った。漬物容器は、もう何年も前に信州に里帰りした折りに、野沢菜付け専用の長方形の漬物樽(プラスチック製)を買ってきたものだ。
今朝、漬かり始めた野沢菜漬けをいただいた。一年ぶりの懐かしい味のお初ものとなった。
少し早めに食べられるようにと、別に小さな桶に切り漬けた酢が入った野沢菜を楽しんでいたが、やはり、塩だけで(ザラメ砂糖少々入る)漬かった野沢菜が美味しい。私は、まだ十分漬かりきっていない浅漬かりのおはずけが好きだ。野沢菜漬けは、お酒にも合うし、ご飯も美味しく食べられる。他に何もいらない。
今は、本場信州の野沢菜は何処のスーパーでも買えるが、やはり家庭で漬ける野沢菜には及ばない。我が家の「おはずけ」が一番と思っている。最高だ。
いつもこの時期には野沢菜を思いを巡らす。学生時代に初めて食べた野沢菜。その後、冬の間中、3度の食事やお茶請けに楽しんできた。厳寒の信州、氷の付いたまま食卓に出される真っ青な野沢菜が目に浮かんできた。野沢菜漬けで、また一段と食事が楽しくなる。
【拙ブログ:晩秋の風物詩「野沢菜漬け」2006.11.24】より