エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

DVDで「街道をゆく」

2009-02-13 | 文芸

 月に1,2度大学図書館でDVDで、司馬遼太郎の「街道をゆく」を視聴しながら全国を旅している。至福のひとときを過ごしている。
 テーマ音楽が流れ、ナレーションが入る。何度見たことか。
「土を踏む。声を聴く。そして遙かなる時を見る。今、日本の国を知る。」

そもそも、司馬遼太郎にとって、「街道」は空間的存在であるが、時間的存在でもある。そして、彼はその過去という膨大な時間の世界へ旅立ち、それぞれの土地の風土や人々の営みの中で・日本はどういう国か、・日本人とは何物か、・国家・文明・民族とは何か・・・という問いに対する答えを見いだしたかった。

 まさに私も、そんな旅をしてみたいと思っている。これからの限られた時間に、自分の足で、耳で、肌で感じる旅をしてみたいと思っている。そんな希望を少しずつ実現出来ればと思う。

 きょうは、またプロローグ「時空の旅人・司馬遼太郎」を視聴し、司馬の紀行の思考を鳥瞰した。そして「長州路・肥薩の道」を歩い、明治維新の原動力になった長州藩、その風土、歴史を見た。そして、幕末の時の流れ、会津に思いを巡らせた。

 かつて学生のころに、萩、山口を一度この目で見てみたいと小さな旅をしたことがあった。当時、戊辰戦争の敵地との思いを抱き、萩城址、白壁の柚子、松下村塾を巡ったことを思い出した。のんびりしたいいい時代、寝袋を担いで、いわゆる蟹族と言われた一人旅だった。新潟から北陸を巡り、山陰、山陽と鈍行で廻ったが、泊まりは金沢大学、鳥取大学、山口大学の寮にお世話になった。懐かしい思い出だ。

 何年か前に、文庫本「街道をゆく」を全43巻そろえた。約20街道くらいの旅をしただろうか。中でも「北のまほろば」「白河・会津の道」は何度も繰り返し読んでいる。最近は、DVDで視聴した後に、その道を掲載する巻を本棚から持参して、斜め読みするのが楽しみである。しばらくそんな旅を楽しみたいと考えている。

・(参)拙ブログ【「街道をゆく」 プロローグ 時空の旅人 】2008-01-30
・ 昨日、2月12日は司馬遼太郎の命日だった。
 【1996年、腹部大動脈瘤破裂のため国立大阪病院にて死去。享年72。
  従三位に叙され銀杯一組を追賜される。忌日は生前好きだった菜の花に因み  「菜の花忌」と呼ばれる】(ウィキペディアより)