エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

セグロベニトゲアシガ 

2010-08-11 | 自然観察


 昨日のクマザサの葉で見た、足をばんざいしていた奇妙な虫は「セグロベニトゲアシガ」という蛾だった。また、先日大学の恩師から訊ねられたアゲハの卵を吸う奇妙な虫は「クサカゲロウの幼虫」と判明した。
 いずれも、何の虫かわからず、ネットの「日本自然科学写真協会」の画像掲示板<一般用> で訊ねた結果、早速に回答コメントが寄せられ、疑問が氷解した。実にありがたかった。
 それにしても、われわれが知る昆虫の世界は、ごくごくわずか、あらためて、自然の奥深さを感じた。

 今日午後、もう一度「セグロベニトゲアシガ」を観察し行った。
いつものゴイシシジミが舞う山道沿いのクマザサの葉に「セグロベニトゲアシガ」は、いっぱい付いていた。初めに出会った時には、ハムシかハナカミキリかと思ったが、蛾とは思いもよらなかった。確かにブラシ状の触覚は蛾と言われればうなずけるけれど・・・。
 止まっているときに肢をピンと立てている。腋から上に伸びている肢は、真ん中の足に見えたが、一番後ろの肢だった。偶然、足を下ろすと見ることができた。止まっているときに足をおろしている個体は他に見なかった。


【挙げていた肢を下ろした】

 触角の下で,頭の前に小さく出ているのは下唇鬚と呼ばれるもの、牙の様に上を向いているのでどのようにアブラムシを食べるのか心配だったが、今日、その下唇鬚 の下の口吻を伸ばして何かを吸っているところを観察した。そこにアブラムシはいなかった。


【口吻を伸ばして何かを吸っている】

 餌はゴイシシジミと同じで、ササコナフキツノアブラムシやタケノアブラムシを食べるとあったが、不思議とアブラムシの沢山いる葉の裏ではなく表に止まっている。アブラムシを食べるという表現は誤りだと思った。口吻は普通は頭部の下面に巻き込まれているが、その確認はできなかった。下唇鬚 (かしんしゅ)で、この器官は触角同様に匂いを感じ取ることができたり、複眼を掃除する役目にもなっているようだ。
体の色や模様はベニボタルに擬態しているらしい。ベニボタルは体内に毒を持っているため、鳥たちに食われることなく生き延びていると言う。
 炎天下での観察でいろいろ分かったが、どうして肢を上げているのかは分からない。
ゴイシシジミが盛んに卵を産んでいた。

  

 他愛のない観察の途中で、雷鳴がとどろいた。
 夕立ちを予想して帰路に着いた。帰宅する間もなく、本降りの雷雨となった。 


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