連休のころ、ギフチョウが舞い始めるが、今年は雪が多く、寒さも厳しかったせいか発生が遅れていた。連休前半に様子を見に行ったときは、まだまだ雪が深く、折角の遠出だったので鳥追い観音と大山祗神社に参拝してきた。ブログに書いた。
5/4(月)、朝からめったにない快晴に恵まれ、期待のギフチョウの撮影に出かけた。
高速で30分、インターを下りてポイントのギフチョウの生息地に向かった。多くはないが、このあたり、杉の林の中にギフチョウの食草コシノカンアオイが自生している。少し丸みのあるのはヒメカンアオイらしい。
村の通り端の家々の軒先に筵を敷いて、ゼンマイを作っていた。この風物詩、この前来たときは例年より遅く、見ることが出来なかった。
約2週遅れ、どの家でもゼンマイを揉んで乾燥させているところだった。
農家のおばあちゃんと立ち話をしていて、早々に嫌な話を聞いた。連休中にも、捕虫網を持った輩を見たという。ギフチョウを採って、ネットで販売しているようだ。数年目にも、行き会ったそんな自称虫屋から名刺までもらったことがあった。絶滅が心配されるギフチョウだ。町で採集禁止の条例を作るべきと思っている。これも何度かブログにも書いた。
きょうは3カ所で1頭づつのギフチョウに会えた。1年ぶりの再会が嬉しかった。そして、愛おしかった。もう遅いかと思っていたが、部分的な写真だったがなんとか撮影できた個体は、羽化したばかりのように翅がよれよれに見えた。羽化が始まったところかも知れない。別の場所では、今まさにキクザキイチゲに止まりかけたところを、寸前で撮れなかった。他にも、エンゴサクに吸蜜に来たが残念ながら撮れなかった。
帰路、また大山祗神社に寄り道して参拝、今度は、約4キロの山奥にある御本社(奥宮)を目指した。しばらく急な山道は歩いていないので心配もあった。なんとか昔取った杵柄とは言え、病後弱った体調だ、大いに不安があった。
結構きつかったが、途中いろいろ写真に撮りながら、無事に参拝を済ませることができた。
でも上りに約1時間30分もかかってしまった。途中の山道の脇にはまだかなりの積雪箇所もあった。
杉並木を行くと、足下はミヤマカタバミの群生、他にカタクリ、エンレイソウが一番の見頃で可憐に咲いていた。せせらぎを聞きながら、深閑の森を一人歩を進めた。
一歩一歩山道を行くと、いろいろな思いが巡った。今こうして健康でかなりの距離を登り下りできることを心から感謝した。
家族のこと、日々の生活のこと、これからの生き方などが次々と巡った。お遍路道もそんな思いで巡礼しているのだろう。普段の里山では考えないことが浮かんできた。
途中は、やはり山が深く、トチの木を食草とするスギタニルリシジミが多かった。濡れた路傍に吸水したり、アブラチャンの梢に蜜を吸ったり、なかなか活発に飛び交っていた。
特に、西日を浴びて、すっかり伸びたコゴミの原でのスギタニルリの入り乱れての乱舞は、ゼフィルスを思い出させる飛翔だった。
裏面の地色はルリシジミは白いが、明らかに暗い褐色だ。なかなか開かない翅表も藍色部はルリシジミより暗く紫がかっている。開かない翅の縁が何となくルリ色に輝いて見えた。
暗い紫の翅表♂
他にはトラフシジミやコツバメを初見できたできた。
毎年、6月1日から30日まで、家内安全・五穀豊穣を祈願する大山まつりが行われる。境内では野点や御神楽奉納などが行われるらしい。
大山祗神社は「野沢の山の神様」で、一生に一度の願いは三年つづけてお参りすればかなうと聞いた。
来年、再来年と、3年つづけてお参りしてみようと思っている。 (2012.5.14)