ブログ「京の辻から」(http://blog.goo.ne.jp/kyoto-10nen)に「五月の朝の新緑と薫風は私の生活を貴族にする。」(萩原朔太郎)とあった。
今日も里山を巡ったが、街の雑踏を離れると、少しばかりの林の中にも五月の風が清かに吹いていた。
たしかに、五月の新緑と薫風に心癒され、煩雑なことをすべて忘れさせる贅沢な気分は、貴族の生活だ。
深閑の林や森はすべて5月に包まれ、山川草木のすべてが美しかった。
せせらぎ、野鳥のさえずりを聞きながら、山道を一歩一歩進んだ。目の前の大木の幹に、黄緑色のアオゲラが止まった。
赤い頭は見えなかったが、お腹の横縞模様はコゲラを思わせた。 眼下の田では田植えが始まり、遙か残雪の飯豊山が雄大に聳えていた。
時期が来れば、チョウが舞い、花が咲く。待ちかねたウスバシロチョウが五月の風に乗って、たおやかに舞っていた。
モンキチョウが盛んに産卵していた。最近あまり見ないレンゲの群落を見た。ヒメシロチョウやスジグロシロチョウが蜜を吸っていた。
カラスノエンドウに産卵するモンキチョウ ムラサキケマンに吸蜜するヒメシロチョウ
レンゲソウに吸蜜するスジグロシロチョウ 野生化したレンゲソウの群落
ウツギやフジも咲き始め、レンゲツツジが、満開だった。
人も同じ、このさわやかな時の流れの中に佇み、しばしたゆたい、癒されたい。
ようやく舞い始めたウスバシロチョウ、例年より大分遅い。
♂
会津に多い黒化異常♀
健康であればこそ、でしばし貴族の気分を味わうことが出来た。
こんな幸せはない。