カメラを肩に、自転車で我が家から2㎞、近くの里山へ向かった。
眼下に若松の街が広がる小集落に、田が段々に広がっている。
その水田の一つにレンコン池がある。そこは幸いトンボの天敵フナやコイがいない、私にとっては嬉しいビオトープ池である。
この自称トンボ天国は、里山巡りの楽しみなコースの一つになっている。
【偶然写っていたギンヤンマ♂】
池のまわりには、昨年の収穫の跡か、真っ黒になった蓮の花殻が転がっていた。
狭いレンコン池だが、そこには、オオシオカラトンボ、ギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、ショウジョウトンボ、ハラビロトンボ、 シオカラトンボ、オオシオカラトンボが行き交っていた。
【シオカラトンボ 羽化したて♀】
【ハラビロトンボ ♂ 】 【シオカラトンボ交尾】
【クロスジギンヤンマ産卵】
池の周囲を進むと、モートンイトトンボが飛び出した。♂は胸は緑色、尾は橙色のコントラストが美しい小さいイトトンボ、環境庁の準絶滅危惧種に指定されている。
♂は眼後紋は独特の水色のハートのマークが鮮やかだ。♀はまだオレンジ色の未成熟がほとんどだが、成熟した緑色に変わった個体もいた。
この名はトンボ研究者のケネス・モートン氏に由来すると言う。
未成熟♀
♂成熟♀
緑色に変化した成熟♀
また、一回り大きなモノサシトンボが連結してスイスイ飛んでいた。
モノサシトンボ♀
【クロイトトンボ】
きょうは、ここで初めてアマゴイルリトンボも見ることが出来た。↓
キイトトンボも
会津ではほとんど見られないが、レンコン池は素晴らしい田んぼの転用だと思う。
休耕田もビオトープとしての活用をはかり、豊かな里山保全になればと思った。
今の時期、隣の田は中干し中で、地面はひび割れが始まっていた。所々にカエルになる前のオタマジャクシが大量に干上がっていた。
もう少し時期をずらしてやれば助かったのにと切なかった。畦を進むとかわいいカエルが跳びはねる。でも近くの水路まではかなりある。
その水路もコンクリート化されていて、カエルの生きていける水路ではない。かわいそうだ。
一方、その一角にも休耕田が多く目に付く。腰ほどまで伸びたヒメジョオンにウラギンヒョウモンが蜜を吸っている。
写真を撮っていると、ペアになったウラギンヒョウモンが飛んできて止まった。ラッキーだった。
ウラギンヒョウモン 右が♀
老夫婦が、道路脇の休耕田の土手の草刈りをしていた。若い者は働きに出ていて、草ぼうぼうにしておけないと話していた。
この先農業はどうなるのだろうか。
日々感じる自然の豊かさの基盤は、この里山の生態系に生きる生物の多様性と思う。
彼らは稲作のサイクルに併せて生き延びてきたいのちだ。
この豊かな里山の生き物の命を奪ってはならない。これは次の世代に引き継いでいかなければならない宝だと思う。