朝9時、検診に病院へ。駐車場の木々が秋の陽に一層鮮やかに美しかった。
色づいた真っ赤なサクラと黄色いイチョウの葉を手に、文庫本にはさんだ。
お腹の中はどうなっているのだろうか。予約していたCT検査を受けた。
数え切れないほどの放射線を浴び、お陰様にて近代医療技術に助けられ、新しい人生を歩き始めて早11年が経った。
一病息災 というが、まさにこの大きな病を得て自分本位の日々が変わり、周囲に感謝しつつ我が身を一層愛おしむようになった。
待合室で静かに待っていた。ようやく呼ばれたのが昼過ぎ、画像を前にI医師は
「転移の心配はなさそう。」「ときどきの炎症は、仕方ないね!」「しばらく様子を見ましょう!」と。
いずれは?と思いながらも、取りあえずは一安心。
久々のメンテナンスだ。爆弾を抱えていることを時として忘れてしまう。
しばらくは安全運転で走っていきたい。
幾度も体験したあの退院の時の嬉しい清々しい気持ちいっぱいで病院を後にした。
(2014.10.31)