エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

晩秋の里山

2016-11-14 | 自然観察

何とも魅力的な晩秋の落葉松を見たかった。

カラマツの幹は真っ直ぐに立ち、枝は水平に張りだしている。

 見上げる紺碧の空と黄金の枝のコントラストは実に素晴らしい。

からまつは落葉松と書く。なるほど、緑色は徐々に黄色し黄色い針が山道を敷き詰める。

やがて雪の季節を裸で過ごし、春の芽吹きは絶品だ。そして、夏の球果も魅力的。

あれはどこだったろうか、白秋の思いを抱き、踏みしめながら歩いた黄金の林・・・。

   からまつの林を過ぎて   からまつをしみじみと見き。
  からまつはさびしかけり    たびゆくはさびしかりけり。

  からまつの林を出でて   からまつの林に入りぬ。
  からまつの林に入りて   また細く道はつづけり。 

  

   少し早い紅葉

 田の畦や土手には、キタキチョウが元気に舞い、数頭のヒメアカタテハ、キタテハ、ヤマトシジミを見た。

   

ナツアカネ  アキアカネ

   まだ羽化したばかりのように新鮮。でも冬は越せない。

  

コンバインに刈り残された田の端に稲穂が頭を垂れていた。

      カマズミ 

 日だまりにスミレが  ツルウメモドキ

遠くから落葉松かと近づいた慧日寺資料館の林はメタセコイヤの林だった。

  メタセコイヤ

久々に野の道を進むとアキアカネが舞い立ち、小春日の木々の幹には無数のテントウムシ(ナミテントウに混じりカメノコテントウも)が這っていた。

 すべてが愛おしかった。過ぎにしそれぞれの季節の小さな命を思い浮かべた。

  尾の長いハチが交尾していた。 コアシナガバチか手を近づけても逃げない   晩秋のオオアオイトトンボ 


   会津慈母観音

 取り残された柿たわわ 飯豊連峰