イチョウやモミジが色づき始めた椿坂から本丸へ向かった。
公園の所々に企画展「戊辰前夜」の幟がはためいていた。
来年は、戊辰戦争から150年という節目の年、悲劇へ突き進んでいった会津藩の辿った 歴史をあらためて考えた。
天守へ登るのは十数年ぶり、晩秋の爽やかな風に吹かれ市内街並みを確認し、裾野の雲に浮かぶ磐梯山を遠望した。
「維新前夜」の展示、正面にあの京都守護職時代の容保の肖像写真が迎えてくれた。
着用する陣羽織の生地は孝明天皇からの恩賜緋の衣だ。
容保公が終生肌身離さず持っていたといわれる、京都守護職時代に賜った御宸翰と
御製の和歌を静かに読んだ。これを松平容保は、竹筒に入れ生涯誰にも見せることなく、亡くなった。
御製
たやすからさる世に武士(もののふ)の忠誠のこゝろをよろこひてよめる
和(やわ)らくも たけき心も相生(あいおい)の まつの落葉のあらす栄へむ
武士と こゝろあはしていはほをも つらぬきてまし世々のおもひて
また同じ感懐が湧いた。 「もう少し時が ゆるやかであったなら。」
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