会津の風物詩、十日市をのぞいた。
気が進まなかったが、暗くなり始めてから1年の無事を願いに重い腰を上げた。
例年通り、大町道り入り口からの道筋を巡った。
いつも楽しみにしていた植木市はない。店も様変わりだ。
陶器のたたき売り、筋子など海産物を扱う店など皆無だ。
会津伝統の漆器の出店も、定刻5時の勤務時間には閉店だ。
椿餅の伊勢屋前の出張神社にも参拝客はいない。
神明通りに出ると、前に進めないほど混み合ってきた。相変わらずのすごい人出だ。
なかなか絵になる十日市らしい景色はないものだ。
やはり、起き上がり小坊師や風車などの縁起物を求める客を撮った。
チョコバナナ、焼きそばの陳列に感心しながら前へ進んだ。
今日の目的、神明神社へ参拝し、今年も風車を求めた。
いつも同じ道筋を歩いたが、何十軒もの食べ物出店が連なる市役所道りは敬遠、何の興味も持てない。
お祭りの喧噪から逃れ、真っ暗な蒲生氏郷の歌碑に触れた。
蒲生氏郷 辞世の句
限りあれば吹かねど花は散るものを心みじかき春の山里
歩きも限界、娘は帰宅しただろうか?迎えを頼む。
今のご時世、途中に公衆電話など一つも見つからず、結局、駅前まで歩き助けを求めた。
こうして世の中を垣間見ながら十日市見物を終えた。
いよいよ子年が始まる。