白鳥の湖
救急車騒ぎから2日間、車も出さず一歩も家を出ず、静かにしていた。
朝は濃い霧の中、孫娘をいつも通りに送った。
心臓も正常に何らおかしいことはなかった。
やがて霧も晴れ、台所の窓を開けると磐梯がくっきり見えた。
心配するばーちゃんを誘って、崎川浜へ車を走らせた。一人ではだめ!
二人で猪苗代湖へは遥かぶりだった。
すでに数を減らした水鳥たちが、いつものように迎えてくれた。
数日前の約半数か。
美しすぎる
オナガガモ
北帰行近し
湖畔に佇み、憩い泣き交うコハクチョウ、オナガガモ、北への旅立ち前の水鳥を見つめた。
時々羽ばたきを繰り返すコハクチョウ、長旅前の仕草が見られた。
突然、数十羽のオナガガモが群れをなし飛び立ち一斉に着水した。
赤井から 崎川浜
背炙り風力発電 根開き始まる
彼らの渡りのコースを想像した。
もう一月もすれば、越冬を終えた水鳥たちはほとんどが北へ帰る。
東北各地を経由し、北海道の湖沼に集結して、4月下旬にはサハリンからシベリアの繁殖地に渡っていくのだ。
小一時間、静寂の湖畔に水鳥たちとの別れを惜しんだ。