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なぜ正月にお餅を食べるのかについて考える

2009-12-31 10:00:26 | 雑学・豆知識・うんちく・小ネタ

お正月に食べる『お餅』が日本に伝えられたのは、はるか昔、古墳時代のことと言われています。

もともとは中国の江南地方から伝えられたものです。

餅を正月の祝儀に使うようになったのは、平安時代からだとされます。

当時、中国から歯固(はがため)の風習が伝わりました。これは元日に堅い餅を噛みしめて歯を強くし、齢を固めることを祈る儀式で、その後に鏡餅を拝するように変化しました。

鎌倉時代になって、種々の行事や戦の携行食として、多くの武士達に利用されるようになります。武家ではお正月に餅を鎧兜などの具足の前に飾り、勝ち栗・干し柿・海老などを供えて武運長久を祈りました。Photo_3

室町時代になると、それまで貴族・武士・僧侶の間で行われていた様々な行事が、一般庶民の間でも行われるようになり、正月やハレの日にお餅を供えるといった風習が広まります。

Photo_2 江戸時代になるとお餅はすっかり庶民の間でも浸透し、今日同様、結婚・出産などの祝い事の際に食されるようになったということです。

Photo_4

年中行事では、三月三日(上巳)の草餅、五月五日(端午)の柏餅、十月亥日の猪子餅と餅は深く関わります。

また、正月には「米の収穫祭」という側面があります。

米が取れたことを祖霊に感謝し、また収穫された米を祖霊に供えることで、一年の平穏を祈りました。

餅を供えるのは、そのような米の収穫祭とも融合します。

このように、正月に来訪する祖霊神霊を「年玉(としだま)」ともいいます。

「たま」は魂(たましい)と同じ意味です。また、丸いものや宝石・貴石も「たま」というのは、それらが魂や精霊が宿る物体とされたことからです。

Photo そこで、正月に祖霊・神霊に供えられる鏡餅が丸く作られるのも、そこに年玉が宿るとされます。(なお、「とし」の語源は穀物、特に稲が実ることを意味し、そこから転じて年や年数、齢という単位として使われるようになりました)

ねん【稔】[漢字項目]

[人名用漢字] [音]ネン(慣) ジン(漢) [訓]みのる穀物が実る。「稔性/一稔植物・不稔性」[名のり]とし・なり・なる

辞書:大辞泉

年玉が宿る餅と野菜や魚介などの供物と煮て食べるのが「雑煮」であり、それを食べることで祖霊や神霊の力を体に宿すとされます。Photo_5

現在でも祭礼などで、食事が重視されるのも神仏に供えたものを食べることで、その力を得ようとしたことの名残です。

そしてそのような食事は大多数で食べることで、より力が増すとされました。そこから、年玉の宿った餅や供物を他人に振る舞った風習が、だんだんと変化して現在の「お年玉」となります。

ですから「お年玉」は丸いもの(小銭)でなくてはなりません。一万円札など、とんでも在りません。あれは四角ですから。

したっけ。

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倉内佐知子

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